#083 : 旅の誓い
リアルの方が忙しかったので、三日間投稿出来なくてすみませんでした!
ロサンゼルス滞在四日目。カレンと美咲の二人の時間は、サンタモニカで得たメロディを中心に回っていた。アパートメントの一室は、完全にクリエイティブな作業空間と化していた。
歌詞制作:カレンの孤独と美咲の光
カレンは、サンタモニカのストリートミュージシャンから得たメロディに、自身の感情を込める作業に集中していた。テーマソングの核となるのは、**「孤独な旅路の果てに見つける、誰かとの繋がり(ハーモニー)」**だ。
「この最初の部分は、やっぱり孤独感を出す言葉が必要だわ、美咲」
カレンは、PCの画面に映る歌詞の草稿を見つめながら言った。
「『誰も知らない光の裏で、風が鳴いている』……みたいなフレーズから入るのがいいかも。私たちがVTuberとして、リアルな自分を隠している、そういう孤独な側面を表現したいのよ」
美咲は、カレンの隣でコーヒーを飲みながら、歌詞の方向性を聞いた。
「いいね、カレン。すごくカレンらしい、深みのある表現だ。じゃあ、サビではその孤独が一気に晴れるような、希望の言葉が必要だね。まるで、私とカレンが出会った瞬間みたいな」
「そうよ。私にとっての光は、あなたなんだから」
カレンは、照れ隠しのように美咲の顔を見ずに続けた。
「サビは、この旅で感じた**『世界との交わり』と、『あなたとの絆』**をテーマにするわ。『見えない糸を辿り、今、世界と触れる。私のハーモニーは、あなたと響く』……こんな感じかしら」
美咲は感動したように頷いた。
「すごいよ、カレン。その歌詞、曲のメジャーコードへの展開にぴったり合うよ。孤独なマイナーコードから始まって、一気に世界とカレンの光(私)に出会う、っていうストーリーが見えるね」
二人の共同作業は、順調に進んだ。カレンの言葉の才能と、美咲の音楽的な構成力が、見事に組み合わさっていった。旅のテーマソングは、単なるロサンゼルスの風景を歌うだけでなく、VTuberとして生きる二人の魂の告白となろうとしていた。
ロサンゼルス最後の配信:世界への問いかけ
ロサンゼルス滞在の最終夜。二人は、アパートメントの夜景を背景に、ロサンゼルス最後の配信を行った。今日の配信は、翌日から次の国へ移動することをファンに伝える、重要な告知回だ。
配信開始から、コメント欄は**「LAにいてくれてありがとう!」「次の国はどこ?」**といったメッセージで溢れた。
美玲エラ:「みんな、ありがとう!ロサンゼルスでの短い滞在だったけど、たくさんのインスピレーションをもらったよ!」
ローズバイト:「ローズバイトよ。このハリウッドの街の光と、海の広さ。全てが私たちの心に響いたわ。そして、このロサンゼルスで、私たちは新しい歌の種を見つけたの」
ローズバイトがそう告げると、コメント欄は一気に**『新曲!?』『早く聞きたい!』**という期待の声で埋め尽くされた。
美玲エラ:「その新しい歌は、私たちがこの旅で出会った、たくさんの人、たくさんの景色、そして、世界に対する問いかけを込めた曲になるんだ」
そして、カレンは、ファンに向けて、テーマソングの歌詞に込めたメッセージを語り始めた。
ローズバイト:「私たちは、VTuberとして活動しているけど、それはただキャラクターを演じているだけじゃないわ。私たちは、この世界で、誰かと繋がること、そして、自分の存在が誰かの光になることを信じているの」
カレンは、配信画面越しに、ファン一人一人に語りかけるような真剣な表情を浮かべた。
ローズバイト:「この旅は、私たちが世界に問いかける旅でもあるのよ。『あなたは誰と繋がり、どんな光を見ているのか』ってね。私たちが旅を続けることで、その問いに、あなたたちファンも一緒に考えてほしいの」
美玲エラ:「そうだね。そして、この旅のテーマソングの制作が、今、ロサンゼルスで始まったよ。次の国へ行っても、私たちは制作を進めていくから、楽しみにしていてね!」
配信は、二人の強い決意と、ファンへの感謝のメッセージで締めくくられた。視聴者数は、これまでで最高の数を記録し、コメント欄は、**「感動した!」「テーマソング、絶対聞く!」**という熱い言葉で溢れていた。
旅立ちの夜、約束の確認
配信が終わり、機材を片付けた後、美咲とカレンは、夜景を背に、静かに話し合った。明朝には、次の目的地であるフィリピンに向けて出発する。
「カレン、今日の配信、素晴らしかったよ。特に、世界への問いかけのところ。あれは、リスナーの心に深く響いたと思う」
美咲は、カレンの配信者としての才能を改めて称賛した。
「ありがとう、美咲。あれは、私たちが実際にこの街で感じたことだもの。VTuberとして、姿は見えなくても、言葉と音楽で、世界と深く繋がれるって、確信したわ」
カレンは、美咲のほうに体を向けた。
「次のフィリピンは、またロサンゼルスとは全く違う文化とエネルギーの国よ。きっと、新しいインスピレーションが待っているわ」
「うん。不安もあるけど、それ以上に楽しみだよ。フィリピンは親日家が多いと聞いているし、きっと温かく迎えてくれるよね」
美咲は、次の国への期待に胸を膨らませた。
「私たちが、この旅で目指しているのは、ただの観光じゃないわ。世界中のどこへ行っても、美咲と私がいれば、最高の音楽と、最高のハーモニーを生み出せる。それを証明することよ」
カレンは、美咲の目をしっかりと見つめた。
「次の国でも、必ず新しい曲のインスピレーションを見つけるわ。あなたと私で、この旅を成功させるのよ」
美咲は、カレンの決意に満ちた眼差しに応え、力強く頷いた。
「もちろんだよ、カレン。最高のハーモニーは、私たちが作り出すんだから」
ロサンゼルス最後の夜、二人は互いの存在と、テーマソング制作という共通の目標を再確認した。夜明けとともに、二人のVTuberとしての世界への挑戦は、次の舞台へと移る。
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