#076 : 旅立ちの準備
昨日は本当に投稿出来なくてすみません!昨日は一日中寝てました!本当にごめんなさい
「世界旅行配信」の発表を終えた翌日、橘カレンと美咲怜は、興奮冷めやらぬまま、リビングで旅の準備に取り掛かっていた。昨日、ファンからの熱狂的な反応を受けたことで、二人の旅への意欲は最高潮に達していた。
「ねぇ、美咲。本当に、私たち、アメリカに行くんだね」
カレンは、床に広げた大きなトランクを見下ろしながら、少し夢見心地な声で言った。
「うん、カレン。行くよ。私たちの『Project Harmony』の第一歩は、ロサンゼルス!」
美咲は、そう言って、キャリーケースの横に置いてあった一冊のノートを手に取った。それは、二人が以前、フィリピンを夢見て作った、手作りの「旅のしおり」だった。
旅のしおり、行き先はハリウッド
「これ、覚えてる? いつか二人で行きたい場所を書き込んだ、私たちの『夢のしおり』」
美咲がページをめくると、色鉛筆で描かれた拙い海の絵や、食べたかった現地の料理のメモが並んでいた。あの時は、ただの夢だったものが、今、壮大な現実の一部になろうとしていた。
「もちろん覚えてるわよ。まさか、このしおりに、ハリウッドの計画を書き加える日が来るなんてね」
カレンは、美咲の隣に座り、神田マネージャーから送られてきた旅程表を広げた。そこには、最初の目的地として「ロサンゼルス・ハリウッドエリアでのライブ配信」と、くっきりと記されていた。
「神田マネージャーったら、粋なことするわよね。私たちの最初の旅配信は、映画の都よ」
カレンは、旅程表の一点を指さした。美咲は、すぐにペンを取り、旅のしおりの最初のページに、大きな文字で「アメリカ編:ロサンゼルス(ハリウッド)」と書き加えた。
「ここには、カレンがやりたいこと、全部書き込んじゃおう!」
「そうね。まずは、有名な映画館の前で、毒舌レビュー配信をするのはどうかしら? ローズバイトの面目躍如よ」
「あはは! それは最高! 私は、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムで、カレンの手形を探したいな!」
二人は、旅のしおりに、思いつく限りの計画を書き込んだ。それは、単なるスケジュール帳ではなく、二人の絆と、未来への期待が詰まった、宝物のようなものだった。紙の上で、二人の夢は、すでに大空へと羽ばたき始めていた。
パッキングと、機材の確認
旅のしおりを完成させた後、二人は、いよいよ本格的な荷造りに入った。リビングには、二つの大きなトランクと、配信機材の入った専用ケースが広げられた。
「美咲、本当にこれで全部?」
カレンは、自分のトランクの中を見つめながら、不安そうな顔をした。中には、普段の私服の他に、いくつかのカジュアルな衣装が詰められていた。毒舌女王としてのイメージとは裏腹に、カレンは旅先での装いにも、人一倍こだわりを持っていた。
「うん、大丈夫だよ。機材は、私が全部チェックしたから。カメラは高画質のものと、サブの小型カメラ。マイクは、屋外での風切り音対策もしっかりしたものを二本。そして、モバイルバッテリーも大容量のものをいくつか」
美咲は、配信機材専用のケースを指さしながら、一つ一つ確認していった。VTuberとしての活動において、機材は二人の命綱だ。特に、海外での配信は予期せぬトラブルがつきものだ。美咲は、いつも以上に慎重になっていた。
「そういえば、変圧器と変換プラグは?」
「もちろん! ロサンゼルスの電源は日本と違うから、完璧に用意したよ。あと、カレン、これ!」
美咲は、カレンに小さなポーチを差し出した。中には、企業勢としての衛生管理意識から、調理配信などで使用した透明な手袋の予備と、消毒液が入っていた。
「カレンは、旅先で、また美味しいものを作ってくれるかもしれないからね。念のため」
カレンは、美咲の細やかな気遣いに、胸が温かくなった。
「ありがとう、美咲。そうね、アメリカの食べ物で、またお料理配信をするのも楽しそうだわ」
二人は、旅先での配信内容について、熱く語り合った。ロサンゼルスの観光名所を巡る配信、現地のファンとの交流配信、そして、もちろん、歌配信も。計画を立てるだけでも、時間はあっという間に過ぎていった。
新しい衣装、旅の始まり
荷造りが一段落ついた頃、チャイムが鳴った。神田マネージャーからの旅配信用の新しい衣装が届いたのだ。
「わぁ! どんな衣装かな?」
美咲が箱を開けると、中には、シンプルながらも洗練されたデザインの衣装が二着入っていた。それは、ライブ衣装のようなゴージャスさはないが、活動的で、しかし、二人の個性をしっかりと活かしたデザインだった。
美咲の衣装は、明るい青と白を基調とした、動きやすいパーカーとレギンスの組み合わせ。美玲エラの明るく活発なイメージにぴったりだ。
カレンの衣装は、黒をベースにしたスタイリッシュなジャケットとスキニーパンツ。ローズバイトのクールな雰囲気を残しつつも、長時間の移動や屋外での活動に適したデザインだった。
二人は、早速、新しい衣装に着替えた。
鏡の前に並んで立つ二人。
「どう、美咲? なんか、新鮮ね」
カレンは、新しい衣装に身を包み、少しだけ照れたように微笑んだ。クールな黒の衣装は、彼女の自信に満ちたオーラを際立たせていた。
「うん、すごく似合ってるよ、カレン! 私たちの新しい旅の始まり、って感じがするね」
美咲は、自身の青い衣装の袖を引っ張りながら、満面の笑みを浮かべた。その笑顔は、これまでのVTuber活動の集大成であり、新しい章の始まりを象徴していた。
二人は、鏡に映る自分たちを見つめ、静かに手を握り合った。
「さあ、カレン。行こう。私たちが、世界にハーモニーを届ける旅へ」
「ええ、美咲。世界中のド変態マゾなリスナーたちに、私たちの毒舌と愛を届けてあげるわ」
二人の瞳は、不安よりも、新しい世界への期待と、二人でなら、どんなことでも乗り越えられる、という強い決意に満ちていた。
日本を飛び出し、アメリカの空の下で、二人のVTuberとしての新しい物語、そして「Project Harmony」が、今、まさに始まろうとしていた
読んでくれてありがとうございます。




