#071 : 2人でお料理します!
ライブ、そして毒舌配信という非日常を終え、美咲とカレンの日常は、穏やかな空気に満ちていた。その日の午後、二人は、リビングのソファで、それぞれの時間を過ごしていた。美咲は、読書を楽しみ、カレンは、タブレットで、リスナーからのコメントを眺めていた。
「ねぇ、美咲」
カレンが、タブレットから顔を上げ、美咲に話しかけた。
「どうしたの、カレン?」
美咲は、本から顔を上げ、カレンに微笑んだ。
「リスナーの人たちが、私の新しい配信、すごく喜んでくれたみたい」
カレンの言葉に、美咲は、心からの笑顔を見せた。
「よかったね。カレンの気持ち、ちゃんと伝わったんだね」
美咲の言葉に、カレンは、少しだけ照れたように笑った。
「うん。でもね、美咲。私、思ったんだ。なんか、もっと、みんなに、私たちの日常を、見せてあげたいなって」
カレンの言葉は、美咲の心を、揺さぶった。それは、カレンが、美咲との生活に、心から安らぎを見出し、それをファンと分かち合いたいと願っている証拠だった。
「そっか……じゃあ、お料理配信、しない?」
美咲がそう言うと、カレンは、目を丸くした。
「お料理配信?」
「うん。二人で、一緒に、料理を作るの。ファンのみんなも、きっと、喜んでくれるよ」
美咲の言葉に、カレンは、最初は少しだけ戸惑った表情を浮かべたが、美咲の笑顔に背中を押され、快く引き受けた。
「うん! やろう! お料理配信!」
―――
配信が始まると、あっという間に、たくさんのリスナーが集まってきた。
「きたー!」
「お料理配信!」
「てぇてぇ!」
「今日の二人、いつもより、まったりしてる!」
「何作るのかな??」
「この2人の手料理食ってみたい」
「もう良い匂いしてきて腹が空いた」
「today our dinner is chicken and some chips!!」
(今日俺達のご飯はチキンとポテトだ!!)
「楽しみすぎる」
コメント欄は、歓迎の言葉と、興奮の声で埋め尽くされた。
「みんなー! こんばんは! 美咲こと美玲エラだよ!」
美咲がそう言うと、カレンも、にっこりと微笑んで挨拶をした。
「みなさーんこんばんは!ローズバイトです。今日は、美咲と、一緒に、オムライスとコーンスープを作っていきたいと思います!」
カレンがそう言うと、コメント欄は、さらに盛り上がりを見せた。
配信画面には、二人の顔は映っておらず、料理をする手元だけが映し出されていた。配信者としてのプロ意識から、衛生面に配慮し、美咲もカレンも透明な手袋を着用している。
二人はまず、オムライスを作ることにした。
「ねぇ、ローズ。卵、割れる?」
美咲がそう尋ねると、カレンは、少しだけ不安そうな表情を浮かべた。
「うーん……どうだろう?」
カレンは、そう言って、卵を一つ手に取った。カレンが、卵を、フライパンの端に、コンコンと叩きつけると、卵の殻は、砕け散り、黄身と白身が、フライパンの中に、飛び散った。
「あー!」
「ロゼ、大丈夫かw」
「ドンマイ!」
「ローズちゃん、頑張れw」
「まさか、お料理苦手か,?」
「これお嬢様だったり??」
「その説おもろいなwww」
「頑張れーー!!」
「俺もたまにミスるから気持ち分かる」
コメント欄は、二人のやり取りで、大いに盛り上がった。
美咲は、そんなカレンの様子を見て、優しく笑った。
「大丈夫だよ、ローズ。もう一個、あるから」
美咲は、カレンに、新しい卵を差し出した。カレンは、美咲の優しさに、少しだけ顔を赤らめた。
「ありがとう、美咲……今度は、ちゃんと、やるから」
カレンは、そう言って、慎重に、卵を割った。今度は、きれいに、卵を割ることができた。
「やったぁ!」
カレンがそう言うと、美咲は、カレンの頭を、優しく撫でた。
「うん。ローズ、上手だね」
「でも、出来ないと結構私びっくりしてると思う」
美咲の言葉に、カレンは、嬉しそうに微笑んだ。
その様子を見て、リスナーは、さらに興奮した。
「てぇてぇ!」
「エラちゃん、ローズバイトに甘い!」
「もう、結婚してるじゃんw」
「まぁそうだよな」
「ナイス!」
「5000¥ : ご飯代」
「しれっと金出してらWw」
「てか甘々だなぁ、」
「スンスン、百合の香りがします、^^」
コメント欄は、二人の甘い雰囲気に、大いに盛り上がった。
「投げ銭ありがとうございますー!!」
カレンがコメントを読み反応すると美咲が次に、コーンスープを作ることにした。
美咲は、手際よくコーンをミキサーに入れ、カレンは、牛乳を測って入れた。
「ねぇ、美咲……なんか、コーンスープって、すごく、温かい味がしそうだね」
カレンがそう言うと、美咲は、にっこりと微笑んだ。
「そうだね。ローズと一緒に作るから、きっと、すごく、美味しいと思うよ」
美咲の言葉に、カレンは、胸が熱くなった。
ミキサーを回す音、コーンスープが温まる音……そのすべての音が、二人の心温まる関係性を、物語っていた。
そして、ついに、二人の共同作業で、オムライスとコーンスープが完成した。
「わぁ! 美咲! できた!」
カレンがそう言うと、美咲もまた、嬉しそうに笑った。
「うん! できたね!」
―――
配信を終えた後、二人は、リビングのテーブルに座り、自分たちで作った料理を、美味しそうに食べていた。
「ねぇ、カレン。今日の配信、どうだったかな?」
美咲がそう尋ねると、カレンは、にっこりと微笑んだ。
「最高だったよ。みんなも、すごく喜んでくれたみたいだし」
美咲の言葉に、カレンは、少しだけ照れたように笑った。
「ねぇ、美咲。これからも、たまに、二人で、こういう配信、しない?」
カレンの言葉に、美咲は、目を丸くした。
「うん! やろう! カレンと一緒なら、どんなことでも、楽しいから」
美咲がそう言うと、カレンは、美咲に抱き着き、言った。
「ありがとう、美咲。大好きだよ」
カレンの言葉に、美咲は、胸が熱くなった。
それは、お料理配信という新しい経験を通して、二人の絆が、さらに強く、深く、そして、かけがえのないものになったことを、示していた。
二人のVtuberとしての物語は、これからも、様々な困難を乗り越えながら、続いていくだろう。
しかし、二人の心は、永遠に、一つだった。
二人のハーモニーは、これからも、ずっと、続いていく。それは、二人だけのハーモニーではなく、二人を愛する、すべての人々に、永遠に、響き続けるだろう。
読んでくれてありがとうございます。




