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#070 : ド変態マゾ達への鎮魂歌

 



 神田マネージャーからの言葉を経て、カレンと美咲は、VTuberとしての活動に、改めて向き合っていた。それは、以前のような、勝利だけを追い求める姿勢ではなく、ファンとの絆を、より大切にするという、新しいステージだった。


 その日の午後、二人は、リビングで、新しい配信企画の準備を進めていた。美咲は、配信ソフトの最終チェックを行い、カレンは、企画用の台本を、真剣な表情で眺めていた。


「ねぇ、カレン。本当に、この企画で大丈夫?」


 美咲は、少しだけ不安そうに、カレンに尋ねた。企画のタイトルは、

『地獄の女王様の、ド変態マゾ達への鎮魂歌』。


 カレンが、リスナーからの「マゾ」なコメントに、最高の毒舌で応えていく、という内容だった。


「うん。大丈夫だよ」


 カレンは、美咲の不安を察して、にっこりと微笑んだ。


「でも、カレン……」


「美咲は、心配しすぎだよ。私、もう、以前の私じゃないから」


 カレンの言葉に、美咲は、少しだけ驚いた表情を浮かべた。


「この企画は、ただの毒舌配信じゃないんだ。ド変態マゾなリスナー達を、私の毒舌で救済してあげようと思って」


 カレンは、そう言って、少しだけ照れながら、続けた。


「私の毒舌が、彼らにとっての、新しい道標になるように。そして、彼らが、この配信を通して、自分の人生を、もう一度、前向きに生きられるように。そんな願いを込めて、この企画を考えたんだ」


 カレンの言葉に、美咲は、胸が熱くなった。以前の、誰かを突き放すような毒舌とは全く違う。そこには、リスナーへの深い愛情と、優しさが満ちていた。


「分かった。カレンの、その気持ち、私、ちゃんと、みんなに伝わるように、頑張るから」


 美咲がそう言うと、カレンは、嬉しそうに頷いた。


「うん。ありがとう、美咲」


 二人は、カウントダウンを始めた。


「3、2、1……」


 そして、配信が始まった。


 配信が始まると、あっという間に、たくさんのリスナーが集まってきた。


 いつもの配信では大体3万人位だか、この配信では20万人もいる。


「きたー!」

「待ってたよ!」

「女王様、最高!」

「ローズ女王の毒舌、浴びたい!」

「毒舌回と聞いて、」

「踏んでくださいぃぃぃ」

「yes my queen」

(はい、私の女王様)

「同接多すぎwwww」

「20万人えぐいWw」



 コメント欄は、歓迎の言葉と、興奮の声で埋め尽くされた。


「みんな、こんばんは。地獄の女王様、ローズバイトだよ」


 カレンがそう言うと、美咲も、にっこりと微笑んで挨拶をした。


「今日は、この企画に、たくさんのコメントをありがとう。君たちの、ド変態マゾなコメントに、最高の毒舌で、応えていきたいと思います」


 カレンがそう言うと、コメント欄は、さらに盛り上がりを見せた。


 そして、カレンは、リスナーからのコメントを、読み上げ始めた。


「『女王様、私のゴミのような人生を、もっと罵ってください!』」


 カレンは、そのコメントを読み上げると、深くため息をついた。


「はぁ……馬鹿なの? そんなにゴミみたいな人生なら、とっとと捨ててしまえばいいじゃない。そんな人生、生きてる意味ないでしょ」


「次の質問読むわよ!『ローズバイトさん!こんばんは!踏んでもらっても良いですか?』」


「キンモ…..踏むわけないでしょ?これだからマゾは、」


 カレンの言葉に、リスナーは、さらに興奮した。


「最高!」

「もっと言って!」

「女王様、最高!」

「ありがとうございます!」

「いやぁ、踏んでください」

「もっと罵って下さい、!女王様ぁ」

「ざぁーこって言ってぇ」

「ざぁーこって言ってくれぇぇ」

「耳が幸せダァ」


「ざぁーこ、ざぁーこ、これちょっと恥ずかしいな、」



 コメント欄は、二人のやり取りで、大いに盛り上がった。


 美咲は、そんなカレンの様子を、少しだけ心配しながら、優しく見守っていた。しかし、美咲は、カレンの言葉が、以前とは全く違うことを知っていた。


(カレン……本当に、変わったなぁ)


 美咲は、心の中で、そうつぶやいた。


 カレンの毒舌は、以前のような、誰かを突き放すようなものではなくなった。そこには、リスナーへの深い愛情と、優しさが満ちていた。


「『ねぇ、女王様。どうしたら、私の人生は、もっと、輝きますか?』」


 カレンは、そのコメントを読み上げると、にやりと笑った。


「馬鹿なの? 他人に、自分の人生の輝きを求めるんじゃない。自分の力で、輝きを掴み取るのよ。それが、私の、最高のド変態マゾ達への、唯一の道標よ」


 カレンの言葉に、リスナーは、静かに、そして、深く感動していた。


「……ありがとうございます」

「女王様、ありがとう」

「明日から、頑張ります」

「女王様、最高!」

「あ、俺マゾだわ」

「普通に良い事言ってるの最高すぎる」

「女王様ばんざーい!!!」

「堕ちちゃうぅぅぅ」

「汗が止まりません!!」

「むぅ〜〜!!」


 コメント欄は、カレンへの感謝の言葉で埋め尽くされた。


 美咲は、そんなカレンの様子を見て、心から、感動していた。


 カレンの毒舌が、リスナーの心を、深く、静かに満たしていた。


 さらに、海外からのコメントも増えてきた。


「Queen, please insult me in English!」

(女王様!私の事を英語で罵って下さい!)

 カレンは、そのコメントを読み上げると、少しだけ顔を赤らめた。


「英語で、毒舌……?」


 カレンは、美咲に、助けを求めるような視線を送った。美咲は、にっこりと微笑んで、頷いた。


 美咲の目をみたらカレン、大丈夫。カレンの言葉なら、きっと、伝わるからと何故かそう言われたと感じた。


 美咲の言葉に、カレンは、勇気をもらい、深く息を吸い込んだ。


「Listen up, you fools. Do you think your pathetic lives are worth my time? No. They're not. You're nothing but a bunch of losers who can't even stand on your own two feet. Get a life, you idiots!」


(よく聞きなさい、愚か者たち。あなたたちの哀れな人生に、私の時間を割く価値があると思ってる? ないわ。あなたたちは、自分の足でさえ立つことができない、ただの負け犬の集まりよ。まともな人生を送りなさい、このバカどもが!)


 カレンの言葉に、コメント欄は、一瞬、静まり返った。


 しかし、次の瞬間、コメント欄は、さらに大きな盛り上がりを見せた。


「OMG! Queen is so cool!!」

(まじで!女王様かっこいい!!)

「I love you, Queen!」

(愛してます!!!女王様!)

「Thank you for insulting me!」

(私を毒舌を吐いてくれてありがとう!)

「My life is complete!」

(俺の人生は、もう完成された!)

「I love you queen〜you are the best!

(女王様〜愛してます!!!あなたが1番最高です!)


 カレンの英語の毒舌は、海外のリスナーの心を、深く、そして、強烈に掴んでいた。


 美咲は、そんなカレンの様子を見て、心から、感動していた。


 カレンは、もう、誰かを突き放すような毒舌を吐く、孤独なVTuberではなかった。


 美咲という、かけがえのない存在と出会い、そして、ファンとの絆を深めたことで、カレンは、自分の言葉で、世界中の人々の心を、動かすことができるようになっていた。


 それは、カレンにとって、大きな成長であり、美咲にとっても、大きな喜びだった。


 配信を終えた後、二人は、リビングで、くつろいでいた。


「ねぇ、美咲。今日の配信、どうだったかな?」


 カレンがそう尋ねると、美咲は、にっこりと微笑んだ。


「最高だったよ。カレンの毒舌が、みんなの心を、救ってくれたんだよ!」


 美咲の言葉に、カレンは、少しだけ照れたように笑った。


「もう! 美咲ったら!」


 カレンは、そう言って、美咲の腕を、優しく叩いた。


 その日の配信は、二人の絆が、どれだけ深まったのかを、ファンに、そして、二人に、改めて教えてくれた。


 二人の関係性は、ライブという大きな経験を経て、より深く、強固なものになった。


 カレンの毒舌は、以前のような、誰かを突き放すようなものではなくなった。


 それは、美咲との絆が深まったからこそ生まれた、愛のある、温かい毒舌だった。


 二人のVtuberとしての物語は、これからも、様々な困難を乗り越えながら、続いていくだろう。


 しかし、二人の心は、永遠に、一つだった。


 二人のハーモニーは、これからも、ずっと、続いていく。それは、二人だけのハーモニーではなく、二人を愛する、すべての人々に、永遠に、響き続けるだろう。

みなさん読んでくれてありがとうございます。ええと、私自身これ書いてる時とても楽しかったですね笑

あと最近自分の作品見返してて思ったんですけどカレンって結構メンヘラちっく?みたいに見えてちょっと不安に見えました。彼女のケアは美咲がしてくれるでしょう、きっと。

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