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#062 : 二人のハーモニー

すみませんリアルで少し忙しくなりそうで、一週間位投稿出来ないかもです。片付いたらすぐ投稿しますのでよろしくお願いします。

 


 ライブ当日。


 会場は、開演前から、熱気に包まれていた。ファンは、ペンライトを手に、二人の登場を心待ちにしている。会場のBGMは、カレンと美咲がこれまで配信で使ってきた、思い出の曲ばかりだった。


 カレンと美咲は、ステージ裏で、互いの手を固く握りしめていた。


「カレン、大丈夫だよ。緊張するよね」


 美咲がそう言うと、カレンは、静かに頷いた。


「うん。でも……美咲が隣にいるから、大丈夫」


 カレンは、そう言って、美咲の手を、ぎゅっと握った。


 それは、かつてランカーとして、一人でステージに立っていた頃には、決して感じることのできなかった、温かくて、心強い感触だった。


「さあ、お二人、準備はいいですか?」


 スタッフがそう声をかけると、美咲は、にっこりと微笑んだ。


「はい、準備万端です!」


 カレンも、美咲につられるように、力強く頷いた。


 二人は、ステージ袖に移動した。


 ステージの向こうから、ファンの声援が、聞こえてくる。


「ローズ!美咲!」「頑張って!」「二人のハーモニー、聞かせて!」

「you can do it !!!!」「this is my best day ever!」

(君ならできる!!!)(今までで1番最高の日だ!)


 その声援は、二人の背中を、優しく押してくれた。


 カウントダウンが始まった。


「10、9、8……」


 二人は、目を合わせ、互いの瞳に、満面の笑顔を浮かべた。


「3、2、1……」


 そして、暗闇の中、スポットライトが、二人のアバターを照らした。


 ライブが始まった。


 二人が最初に披露したのは、これまでの活動を振り返る、メドレーだった。


 初めて二人で歌った曲、ゲーム配信で流したBGM、そして、二人で何度も練習したダンス。


 それらの曲が、二人の歌声にのって、会場全体に響き渡る。


 ファンのペンライトが、色とりどりの光を放ち、二人の歌声に合わせて、揺れていた。


 カレンは、歌いながら、美咲の顔を見つめた。


 美咲は、カレンの歌声に合わせて、優しい笑顔を浮かべている。その表情は、カレンの歌を、心から楽しんでいるようだった。


 そして、ついに、二人のオリジナルソングの時間が来た。


 イントロが流れ出すと、会場の熱気が、一段と高まった。


 カレンは、美咲の方を向いて、頷いた。


 美咲は、カレンのその頷きに、力強く頷き返した。


 そして、カレンは、マイクに向かって、歌い始めた。


 カレンの歌声は、力強く、そして、温かかった。


 美咲の作ったメロディーに、カレンの歌声が、完璧に重なり、一つのハーモニーとなって、会場全体を包み込んだ。


 それは、二人がこれまでの苦悩を乗り越え、新しい未来に向かって、歩み始めたことを象徴する、力強いハーモニーだった。


 歌いながら、カレンは、これまでのことを思い出した。


 ランカーとして頂点を目指していた頃の孤独な戦い。美咲と出会い、絆を深めていく過程。そして、二人で歩み始めた、新しい日常。


 歌詞の一つ一つに、二人の思い出が、込められていた。


 歌声が、会場全体に響き渡り、ファンの瞳から、涙が溢れていた。


 それは、カレンと美咲の歌が、心に響いた証拠だった。


 歌い終えると、会場は、スタンディングオベーションに包まれた。


「ローズ!美咲!」「最高だったよ!」

「this is a master piece!」

(これは傑作だぁぁ!!)


 ファンからの声援が、鳴りやまない。


 カレンは、胸に手を当て、深く頭を下げた。


「みんな、本当に、ありがとう!」


 カレンの声は、震えていた。


「今日は、こんなにたくさんの人が、私たちのために集まってくれて、本当に、感謝しかありません」


 美咲がそう言うと、カレンは、美咲の隣で、にっこりと微笑んだ。


 そして、二人は、最後のサプライズとして、ファンに、メッセージを伝えることにした。


「みんな、今日は、本当にありがとう」


 カレンがそう言うと、美咲は、カレンの手を、優しく握った。


「私たちは、これからも、二人で、みんなに、幸せを届けていきたいと思っています。だから……これからも、私たちのこと、応援してくれると嬉しいです!」


 美咲の言葉に、会場は、再び、大きな拍手と声援で埋め尽くされた。


 ライブは、大成功に終わった。


 ライブを終えた後、美咲とカレンは、二人きりの空間で、静かに余韻に浸っていた。


「カレン……やったね」


 美咲がそう言うと、カレンは、美咲に抱き着いた。


「うん。美咲……全部、美咲のおかげだよ」


 カレンの言葉に、美咲は、カレンを優しく抱きしめた。


「違うよ。全部、私たち二人で、頑張ったことだよ」


 その言葉通り、このライブは、二人で、手を取り合って、成し遂げた、最高の夢だった。


 美咲は、カレンの頭を、優しく撫でながら、言った。


「ねえ、カレン。覚えてる? 昔、カレンが一人で、ライブに出てた時……」


 美咲がそう言うと、カレンは、静かに頷いた。


「うん。怖かった……一人で、ステージに立つのが」


 カレンは、そう言って、美咲の腕の中で、身を震わせた。


「でもね……今は、全然怖くないよ。美咲が、隣にいてくれるから」


 カレンの言葉に、美咲は、胸が熱くなった。


「うん。私もだよ、カレン。カレンが、隣にいてくれて、本当に幸せ」


 二人の間に、言葉はいらなかった。


 ただ、お互いの温もりを感じるだけで、二人の心が、永遠に一つになったことが分かった。


 それは、ライブという、特別な場所で、二人の絆が、さらに深く、強固なものになった証だった。


 美咲は、カレンの頭を、優しく撫で続けた。


「ねえ、カレン。これからも、二人で、ずっと、一緒にいようね」


 美咲がそう言うと、カレンは、美咲の腕の中で、静かに頷いた。


「うん。二人で、ずっと、一緒に」


 二人のVTuberとしての物語は、今、最高の形で、幕を閉じた。


 しかし、二人の人生は、まだ、始まったばかりだ。


 二人の未来は、これからも、穏やかに、そして、力強く、続いていく。


 二人のハーモニーは、永遠に、ファンの心に、響き続けるだろう。

読んでくれてありがとうございます。

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