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#060 : 新しい挑戦

 


 事務所からの帰り道、カレンと美咲は、静かに夜空を見上げていた。


「オリジナルソング……ライブ……」


 カレンは、そう呟き、美咲の顔を見つめた。


「うん」


 美咲は、カレンの手を優しく握った。


「私……歌うこと、もうやめてたんだ。怖くて」


 カレンの言葉に、美咲は、何も言わなかった。ただ、カレンの手を、ぎゅっと握りしめた。


「でも……美咲が隣にいてくれたら、また歌える気がする。二人なら、きっと大丈夫」


 カレンの言葉に、美咲は、心からそう思った。


(私もだよ、カレン。カレンが隣にいてくれたら、きっと大丈夫)


 二人の間には、言葉はなかった。ただ、お互いの温もりを感じるだけで、二人の心が、永遠に一つになったことが分かった。


 翌日、二人は、それぞれの役割分担を決め、オリジナルソングの制作を始めた。


 カレンは作詞を、美咲は作曲を担当する。それは、二人が、これまでのVTuberとしての活動で培ってきた、それぞれの才能を活かした、最高の組み合わせだった。


 カレンは、作詞を始めた。


 パソコンの画面に向かい、歌詞を書き始めるが、なかなか言葉が出てこない。


(どんな歌詞にしよう……)


 カレンは、これまでのVtuberとしての活動を、振り返った。ランカーとして頂点を目指していた頃の孤独な戦い。美咲と出会い、絆を深めていく過程。そして、二人で歩み始めた、新しい日常。


 たくさんの思い出が、頭の中を駆け巡る。


 しかし、それを言葉にするのは、とても難しかった。


「うーん……難しいなぁ」


 カレンは、そう呟き、頭を抱えた。


 その時、美咲が、温かいココアを持って、カレンの部屋に入ってきた。


「カレン、休憩しよう」


 美咲は、そう言って、カレンの隣に座った。


「美咲……全然、言葉が出てこないんだ」


 カレンは、そう言って、パソコンの画面を美咲に見せた。


 美咲は、カレンの書いた文章を、ゆっくりと読んだ。


「大丈夫だよ、カレン。焦らなくていい。カレンが、本当に書きたいこと、伝えたいこと、心のままに書けばいいんだ」


 美咲の言葉に、カレンは、美咲の方を向いた。


「カレンが、私と出会って、どう変わったか。そして、これからの未来に、何を期待しているか。カレンの、素直な気持ちを、言葉にすればいいんだよ」


 美咲の言葉に、カレンは、ハッと気づかされた。


「そっか……美咲への、感謝の気持ちか……」


 カレンは、そう呟き、再び、パソコンに向かった。


 美咲は、そんなカレンを、優しく見守っていた。


 カレンが作詞に集中している間、美咲は、作曲を始めた。


 ピアノの前に座り、カレンの歌詞に合うメロディーを、探し始めた。


(カレンの歌……どんなメロディーにしよう……)


 美咲は、カレンの言葉を、一つ一つ、心の中で、繰り返した。


「一人じゃない」「二人で」「ありがとう」


 カレンの言葉は、美咲の心に、深く響いた。


 美咲は、その言葉から、温かく、そして力強いメロディーを、探し始めた。


 ピアノの鍵盤を、そっと叩く。


 美咲の指から、カレンの言葉に込められた想いが、メロディーとなって、紡ぎ出されていく。


 それは、まるで、美咲とカレンの、心のハーモニーのようだった。


 数日後、カレンは、作詞を終えた。


 そして、美咲の部屋に入ると、美咲に、書いた歌詞を渡した。


「美咲、できたよ」


 カレンは、そう言って、少しだけ緊張した表情を浮かべた。


 美咲は、カレンの書いた歌詞を、ゆっくりと読んだ。


 カレンの歌詞は、これまでの二人の軌跡が、そのまま、描かれていた。孤独な過去、美咲との出会い、そして、二人で歩み始める、新しい未来。


 美咲の瞳から、涙が溢れた。


「美咲……どうだった?」


 カレンがそう尋ねると、美咲は、カレンを優しく抱きしめた。


「ありがとう、カレン。最高の歌詞だよ」


 美咲は、そう言って、カレンに、美咲が作ったメロディーを、聞かせた。


 美咲の作ったメロディーは、カレンの歌詞に、完璧に寄り添っていた。温かく、そして力強いメロディーは、カレンの心に、深く響いた。


「すごい……! 美咲、天才!」


 カレンは、そう言って、嬉しそうに美咲に抱き着いた。


「そうだね。私たち二人で、最高の歌を作ろうね!」


 二人のハーモニーが、今、ここに、生まれた。


 二人のオリジナルソング制作は、事務所の仲間たちにも、大きな影響を与えた。


 ネアとリリスは、二人のオリジナルソング制作を、心から応援していた。


「先輩たち、頑張ってください!」


「応援してます!」


 彼女たちの言葉は、二人の背中を、優しく押してくれた。


 また、ユウキとコウも、二人の挑戦を、静かに見守っていた。


「あの二人なら、きっと、最高の歌を作ってくれるよ」


 ユウキの言葉に、コウは、静かに頷いた。


 それは、事務所のVTuber全員が、二人の挑戦を、心から応援している証拠だった。


 二人のVtuberとしての物語は、今、新しい夢を乗せて、加速していく。

読んでくれてありがとうございます。

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