#058 : チキチキ!デバフクイズ!
「みなひゃん、こんばんはぁ、 今日は、スペシャルなぁコラボ企画だよ!ひっく」
美咲は、どこか様子が変な状態で配信を始めた。隣には、グラスを片手に、既に目がうつろになっているカレンがいる。
今回の企画は、その名も**「チキチキ!デバフクイズ!」**。
ランカーとしてゲームに真剣に向き合ってきたカレンと、それを支えてきた美咲が、あえて「弱体化」された状態で、クイズに挑戦するという、これまでにない企画だ。
参加者は、カレン、美咲、ネア、リリス、ユウキ、コウの計画6人
チーム分けは、事前に決めてあった。
「みんなぁ、チーム分けを発表するよぉ」
美咲がそう言うと、リスナーのコメントが、一気に盛り上がる。
「どんなチームになるんだ!?」
「カレンちゃんはどうなっているだ!」
「まず、第一チーム! 『疲労チーム』!」
司会の人がそう発表すると、ネアとリリスが、画面に顔を出した。
「疲労チームは、ネアちゃんとリリスちゃんです!」
ネアとリリスは、それぞれ、元気な声で挨拶した。
「そして、第二チーム! 『食欲チーム』!」
司会の人がそう発表すると、二人のVtuberが、画面に顔を出した。
「食欲チームは、ユウキくんとコウくんです!」
ユウキとコウは、それぞれ、空腹に耐えかねたような表情で、挨拶をした。
「そして、最後に! 第三チーム! 『酔っ払いチーム』!」
司会の人がそう発表すると、美咲の隣にいるカレンが、グラスを持ったまま、美咲の方に寄りかかってきた。
「酔っ払いチームは、私と……」
カレンがそう発表すると、コメント欄は、祝福と驚きの声で埋め尽くされた。
「うわぁぁぁぁぁ!てぇてぇ!!」
「二人とも、酔っ払うの!?」
「酔っ払いどもがよぉ笑」
「ローズバイトさんと美玲さんは既に1時間前から飲んでまーす」
「はい! というわけで、クイズ開始前に、それぞれのデバフを受けてもらいます!」
司会の人がそう言うと、それぞれのチームが、デバフを受け始めた。
疲労チームは、クイズ開始前に、筋トレを始めた。食欲チームは、目の前にある美味しそうな料理を、我慢し始めた。
「かんぱーい!」
カレンと美咲は、グラスを合わせ、美味しそうにお酒を飲んだ。
クイズが始まった。
第一問から、それぞれのデバフが、参加者を苦しめる。
疲労チームは、クイズの途中で息が切れてしまい、まともに答えられなかった。食欲チームは、クイズの回答が、全て食べ物に関連してしまい、珍回答を連発した。
そして、酔っ払いチームは……。
「んー! 美味しい!」
カレンは、そう言って、美咲の方に寄りかかった。
「ロゼ、クイズだよ」
美咲がそう言うと、カレンは、美咲の肩に、そっと頭を乗せた。
「クイズは、後でいい」
カレンは、そう言って、美咲の腕に、さらに体を預けた。
美咲は、そんなカレンの様子を見て、クスリと笑った。
「ロゼ、酔ってるね」
美咲がそう言うと、カレンは、美咲の腕に、ギュッと抱き着いた。
「だって……美咲が、隣にいるんだもん……」
カレンは、そう言って、美咲の腕を、離そうとしなかった。
美咲もカレンに寄ってお互いハグをしていた。
「ねぇ美咲、あったかい…..これ好き。」
リスナーは、そんな二人の様子を、温かく見守っていた。
「うわぁぁぁぁぁ!てぇてぇがすぎる!」
「ローズバイト、酔うと甘えん坊になるんだ……」
「は、鼻血が、と、止まらない」
「第二問! この料理に使われている野菜は、何でしょう?」
司会者がそう言うと、カレンは、美咲の腕に抱き着いたまま、答えた。
「うーん……美咲の愛、かな?」
カレンの答えに、リスナーは、大爆笑した。
「ロゼ、私的には正解!!だけどぉ、真面目に答えて」
美咲がそう言うと、カレンは、少しだけ拗ねたような表情を浮かべた。
「えー、だって……」
カレンは、そう言って、今度は美咲の膝に頭を乗せた。コメント欄はもうそれはカオスだった。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ぁ、(絶命)」
「↑こいつ死んだわ、」
「あれ、涙と鼻血が、と、止まらない」
クイズは、最終問題までもつれ込んだ。
最終問題は、各チームのリーダーによる、一騎打ちだ。
疲労チームの代表は、ネア。食欲チームの代表は、ユウキ。そして、酔っ払いチームの代表は、カレンだ。
カレンは、すでにかなり酔っぱらっていた。美咲の隣に座り、膝枕の状態からクイズに挑戦していた。
「最終問題! この問題に正解すれば、優勝です!」
司会者がそう言うと、カレンは、美咲の膝枕から顔を上げた。
「美咲……勝つよ」
カレンは、そう言って、美咲の顔をまっすぐに見つめた。
美咲は、そんなカレンの瞳に、強い意志を感じた。
「うん。二人で、勝とう」
美咲がそう言うと、カレンは、にっこりと微笑んだ。
最終問題は、非常に難易度が高い問題だった。
疲労チームのネアは、疲れから、まともに考えることができなかった。食欲チームのユウキは、お腹が空きすぎて、集中力が続かなかった。
そして、酔っ払いチームのカレンは……。
美咲は、カレンに、そっと耳打ちした。
「カレン。〇〇……」
美咲がそう言うと、カレンは、美咲の言葉を、しっかりと聞き取った。
そして、カレンは、答えを、美咲にだけ分かるように、伝えた。
「答えは……〇〇です!」
カレンがそう答えると、司会者は、驚いた表情を浮かべた。
「正解です! 優勝は、酔っ払いチーム!」
司会者がそう発表すると、カレンは、美咲に抱き着き、嬉しそうに笑った。
「勝ったね、美咲!」
カレンは、そう言って、美咲の腕の中で、幸せそうな表情を浮かべた。
美咲は、そんなカレンを、優しく抱きしめた。
配信を終えた後、美咲は、酔って眠ってしまったカレンを、ベッドに運んだ。
美咲は、カレンの髪を優しく撫でながら、今日の配信を振り返っていた。
(カレンが、あんなに甘えてくれるなんて……)
今日のクイズ企画で、カレンは、普段は見せない、無防備で可愛らしい一面を、美咲にだけ見せてくれた。
それは、美咲とカレンの絆が、もう誰にも壊せないくらいに、深く、強固なものになったことを示していた。
美咲は、カレンの頭を、優しく撫で続けた。
「ねえ、カレン……やっぱり、二人なら、何でもできるね」
美咲は、そう心の中でつぶやいた。
酔って眠るカレンの顔は、とても穏やかで、幸せそうだった。
二人のVTuberとしての物語は、今、新しい絆を、穏やかに、そして力強く、紡ぎ続けていく。
読んでくれてありがとうございます。
は、鼻血、鼻血が止まんないよ、




