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#053 : 2人の温かい日常

 


 朝の光が、カーテンの隙間から差し込む。


 美咲は、いつものように、カレンを起こしに部屋に入った。カレンは、ベッドの中で丸くなり、スヤスヤと眠っている。


 美咲は、カレンのベッドサイドに座り、その柔らかな髪を優しく撫でた。


「カレン、朝だよ」


 美咲がそう声をかけると、カレンは、んー、と小さくうめいて、美咲の手に、そっと自分の頬をこすりつけた。


 美咲は、その何気ない仕草に、愛おしさを感じた。


「もう……起きないと、朝ご飯、冷めちゃうよ」


 美咲がそう言うと、カレンは、ゆっくりと目を開けた。眠たそうな瞳で、美咲を見つめる。


「ん……美咲……」


 カレンは、そうつぶやき、美咲の手を握った。


 朝食は、いつものように、美咲が作った。カレンが、ぼんやりとテーブルに座っていると、美咲が、カレンの髪を優しく整え、顔についた寝癖を直してくれた。


「ほら、これでよし」


 美咲がそう言うと、カレンは、少しだけ照れたように笑った。


「ありがとう、美咲」


 二人の間には、言葉は必要なかった。ただ、そばにいるだけで、お互いの心が通じ合っているのが分かった。


 配信中も、二人の特別な距離感は、変わらなかった。


 カレンがゲームをプレイしているとき、美咲は、隣でカレンのプレイを見守っていた。カレンが集中してコントローラーを握っていると、美咲は、そっとカレンの肩に頭を乗せ、画面を一緒に見つめた。


 リスナーからは、その様子が見えない。だが、カレンは、美咲の温かさを感じて、心が満たされていくのを感じた。


「カレン、飲み物」


 美咲が、そっとカレンの口元に、ストローを差し出した。カレンは、ゲームから目を離さずに、飲み物を口にした。


「ありがとう」


 カレンがそう言うと、美咲は、嬉しそうに微笑んだ。


 二人の間には、VC越しではない、実際の触れ合いがあった。それは、何よりも雄弁に、二人の絆の深さを物語っていた。


 配信を終えた後、二人は、ソファに座り、夜空を眺めていた。


 カレンは、美咲の膝に頭を乗せ、今日の出来事を話した。


「今日ね、リスナーさんが、『カレンちゃん、最近すごく楽しそう!』って言ってくれたんだ」


 カレンがそう言うと、美咲は、優しくカレンの髪を梳かしながら、頷いた。


「よかったね、カレン」


「うん。でも、それは、美咲のおかげなんだよ」


 カレンはそう言って、美咲の膝に顔をうずめた。


「あの時、美咲が、私を助けてくれなかったら、きっと私は、今もゲームを楽しむことをやめたまま、苦しんでいたと思う」


 美咲は、何も言わなかった。ただ、カレンの髪を優しく梳かし続けた。


「ねえ、美咲……私は、美咲が、いてくれて、本当に幸せだよ」


 カレンがそう言うと、美咲は、そっとカレンの頭を抱きしめた。


「私もだよ、カレン。カレンが、隣にいてくれて、本当に幸せ」


 二人の間には、温かい空気が流れていた。それは、恋愛でも、友情でもない、もっと深く、温かいものだった。


 美咲が、カレンを支えるために、VTuberになった。カレンが、美咲を救うために、VTuberとしての自分を見つめ直した。


 二人は、一人では生きていけないことを知っていた。そして、二人が、お互いの存在を、かけがえのないものとして、心から受け入れた。


 美咲は、カレンの髪を梳かしながら、そっと口を開いた。


「ねえ、カレン……」


 美咲の声は、どこか決意に満ちていた。


「もう、私の家に帰るのはやめようかな」


 カレンは、美咲の言葉に、ゆっくりと顔を上げた。


「……え?」


「私、カレンと一緒に、ずっとここに住みたい」


 美咲は、カレンの瞳をまっすぐに見つめ、そう言った。


 カレンは、美咲の言葉に、何も言えなかった。ただ、美咲の瞳に、深い愛情と、決意が満ちているのが分かった。


 二人の関係性は、すでに「夫婦」と形容されるほど、親密だった。しかし、それは、まだ美咲が自分の家に帰るという「半同居」の状態だった。美咲の提案は、その一線を越え、本当の意味で、二人が一つの家族になることを意味していた。


 カレンは、美咲の言葉を聞いて、胸が熱くなった。そして、涙が、とめどなく溢れ出した。


「美咲……」


 カレンは、美咲の名前を呼ぶことしかできなかった。


 美咲は、そんなカレンを優しく抱きしめた。


「私たちは、一人じゃない。二人で、一つの家族だよ」


 美咲の言葉に、カレンは、静かに頷いた。


 二人の間には、もう、何も言葉はいらなかった。


 ただ、お互いの温もりを感じるだけで、二人の心が、永遠に一つになったことが分かった。


 二人の物語は、今、新たな章の扉を開けた。

読んでくれてありがとうございます。 

てぇてぇ、

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― 新着の感想 ―
まさかの作者でも尊いシになってしまったか(あと書きで)
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