表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/62

#005:世界が動き出す海外メディアの取材依頼


 配信を終えた直後、私は机に突っ伏した。

「つ、疲れた……ッ!」


 コラボとはいえ、毒舌を一時間以上続けるのは、想像以上に神経を使う。

 リリスのノリに助けられた部分も大きかった。


 


 だがその疲れも、すぐに吹き飛ぶような事態が起きた。


 


 ピコーン。


 スマホに通知が来る。リライブ運営からのチャット連絡だった。


 


【Re:Liveクリエイターサポート】

「RozeBite様宛に、米国のエンタメメディア《StreamScene Global》から取材申し込みが届いております。

 オンラインインタビュー形式にて、翻訳サポート付きでの実施となります。ご確認ください」

「……は? メディア取材?」

 


 一瞬、脳がバグった。


 


 StreamScene Globalは、私も聞いたことがある。

 海外の大手配信者やバーチャル系クリエイターを特集する、英語圏最大級の動画メディア。

 まさか、自分がそんなところから声をかけられるなんて。


 


 私は混乱しながらも、マネージャーに連絡を入れる。


 


「……ってことで、どうすればいいの? 断る? 受ける? 英語バレてるし、今さら隠せないし……」


 


『もちろん受ける。むしろ、受けないと損』


 


 即答だった。

 マネージャーの神田さんは、いつも淡々としているのに、今日は妙に食い気味だった。


 


『このタイミングで海外メディアに取り上げられたら、完全に“世界進出の旗印”になる。お前は今、波に乗ってる。逃す手はない』


「……でも、英語の受け答えとか……キャラが崩れたりしたら……」


『英語バレてるんだから、むしろ“地が出たRozeBite”を見せたほうがファンは喜ぶ』


 


 私はしばらく黙って考えた。


 たしかに今の私には、「作った癒し系」でも、「隠していた二面性」でもなく、

 “毒舌で本音を話すキャラ”としての立ち位置が求められている。


 


「……わかった。やってみる」


 


 私はスマホを握りしめ、返信欄に「Yes. I'm in.」とだけ書いた。          →私も行くわ


 


 世界が、少しずつ動き始めていた。

読んでくれてありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ