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ミュートを忘れたら英語ネイティブVが世界一になった話  作者: 久家
第二章 : 二人の物語、二つの世界
36/85

#036 : 新しい日常、新しい関係

第2章の始まりでございます!!!




美玲エラのデビュー配信から一夜明け、カレンの部屋には穏やかな朝が訪れていた。


カーテンの隙間から差し込む光が、ベッドの上で丸くなるカレンの頬を優しく撫でる。


カレンはまだ信じられない気持ちで、スマホの画面に映る美玲エラのデビュー配信のアーカイブを見返していた。


画面の中の美咲は、クールで不思議な「美玲エラ」として、堂々と自己紹介をしている。



(本当に、Vtuberになったんだ……)


そう思うと、胸の奥から温かいものがこみ上げてきた。その温かさは、美咲の決意と、自分を想う気持ちが伝わってくるようだった。



「起きた?」



キッチンから美咲の声が聞こえてくる。美咲はすでに着替えを済ませ、朝食の準備をしていた。トーストの焼ける香ばしい匂いが部屋に広がる。



秘密がなくなったことで、二人の間には、以前よりも穏やかで、しかし少しだけ気恥ずかしいような空気が流れていた。


カレンはベッドから起き上がり、美咲の背中をじっと見つめる。


「美咲……本当に、ありがとう」


カレンがそう言うと、美咲は少しだけ振り向いた。


「どういたしまして」


美咲はそう言って、優しく微笑んだ。その笑顔は、いつもの美咲の笑顔そのものだった。




——その日の午後、カレンと美咲は、二人でリライブの事務所を訪れた。



事務所のエントランスをくぐると、すでにリリスとネアが待っていた。二人はカレンと美咲の姿を見ると、駆け寄ってくる。



「Roze先輩〜! 美咲さん、本当にVtuberになったんですね!」


ネアが興奮した様子で美咲の手を握る。


「フン……あんた、なかなかやるじゃない」


リリスはそう言って、クールな表情で美咲を見つめていた。美咲は少しだけ緊張しながらも、二人に挨拶を返す。



「はじめまして、美玲エラです。まだ不慣れですが、よろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしくね!」



カレンは、二人のやりとりを微笑ましく見守っていた。美咲が、自分の知らないVtuberの世界で、新しい人間関係を築いていく。


そのことが、カレンにとっては新鮮で、どこか誇らしくもあった。



会議室に入ると、神田マネージャーが待っていた。神田さんは、二人に笑顔を向ける。



「さて、二人を呼んだのは、今後の活動方針について話したかったからだ」


神田さんはそう言って、二人の前にタブレットを置いた。そこには、「RozeBite」と「美玲エラ」のプロフィールが並んでいる。



「RozeBiteは、持ち前の毒舌と癒しで、今後もファンを増やしていってもらいたい。そして、美玲エラは、そのクールな雰囲気と、美咲さんの明るいキャラクターのギャップで、新しいファンを獲得していってほしい」



神田さんの言葉に、美咲は真剣な表情で頷く。カレンは、そんな美咲の姿をじっと見つめていた。



その日の夕方。二人は事務所を出て、近くのカフェに立ち寄っていた。


「美咲、飲み物何にする?」


カレンが尋ねると、美咲は少しだけ考え込む。


「うーん……じゃあ、いつものやつで」


美咲がそう言うと、カレンは「はいはい」と笑って、注文に向かった。


その様子を、たまたま同じカフェにいたリリスとネアが見ていた。


「フフ、本当に仲良しね」


リリスがそう言うと、ネアが不思議そうな表情で首を傾げる。



「ねえ、リリス先輩。Roze先輩と美咲さんって、いつも一緒じゃないですか? まるで、夫婦みたいですね!」


ネアの言葉に、リリスはフッと笑った。


「そうね……あの二人は、もう夫婦みたいなもんだわ」



美咲は、カレンが飲み物を持って戻ってくるのを見て、優しく微笑んだ。カレンもまた、美咲の笑顔を見て、自然と笑顔になる。


二人の間には、以前よりも深い絆が生まれていた。


翌日。


神田マネージャーから、正式な連絡が届いた。



『緊急告知です! 来週、RozeBiteと美玲エラの、初の公認コラボ配信が決定しました!』


その連絡に、カレンと美咲は、顔を見合わせた。


(美咲……一緒に、頑張ろうね)


カレンは美咲の顔を見て、心の中でそうつぶやいた。美咲もまた、カレンの顔を見て、力強く頷いた。



二人の新しい物語が、今、始まろうとしていた。

読んでくれてありがとうございます。

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