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滝とノブナガ6

そして、九カ月の時が過ぎた。


ノブナガは旅立ちの準備として、持ち物をひとつずつ確認していく。

六かける六団子、妖怪球、へし切長谷部。キャッシュカードに、父の形見の紙。そして仮面が二枚——。


仮面を見つめて、ふと苦笑がこぼれた。

なんだかんだで、父さんの分まで持ってきてしまったな。

あの時、一緒に火葬しておけばよかったのかもしれない。


「水門斬り!」


ノブナガが刀を縦に振り下ろすと、滝がガタガタと揺れ始め、やがてその向こうにぽっかりと空間が開いた。


「行くか!」


そう呟くと、ノブナガはためらいなく滝の中へと飛び込んだ。


——これが、ノブナガの物語の始まりである。

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