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北風がきた

「やっぱり」

あまりの勢いにノブナガはバランスを崩し、横向きに倒れこむ。それでも、ボールは吸い込み続ける。

「うゎぁぁぁ!」

ミツヒデは一人ノブナガを部屋の中から窓越しに見つめる。

「何やってるんだ。あいつ」

ミツヒデは言葉をこぼす。

「何言ってんだお前」

ユキムラはミツヒデの言葉だけを聞き、返答した。ミツヒデはユキムラに目を配る。

「何不思議そうに見てんだ。不思議なのはお前だよ」

ユキムラは言った。

「……」

ミツヒデはユキムラの言葉を軽く無視する。

「生徒会にもなると、やっぱ違うねぇ。態度の一つ一つに重みがある」

ミツヒデはユキムラの言葉をやっぱり無視した。

ノブナガはそうこうしているうちに部室に駆け込んできた。

「ハァハァハァ」

「もう、音を上げたか。そりゃ無理だろ。成風を捕まえるのは……」

ヨシモトはなぜかにやにやしている。

「捕まえました。このボール一杯に!」

ノブナガは成風でパンパンのボールを差し出す。

「!?」

「!」

「これは凄い。まさか成風が捕まえられるとは……。初めて見た!」

「はい!」

ノブナガとヨシモトはもちろん。生徒達は全員にやにやしている。

「で、どうやって馬四駆に入れる?」

「へ!?」

「捕まえれたのは凄い。だがどうやって馬四駆に入れる?」

「先のことまで考えてなかった!」

「ハァ~」

一同はため息をつく。

「でも、多分大丈夫です。この中の電気を魔力に変えるとき、出せましたから」

「なるほど。じゃあ、僕がやってみるよ」

「試しに俺から……」

「いいよ、僕、人がやったのを見てやるより、自分でやった方が楽しいから。雪が積もった時、一番早くその雪を踏みたい。そう言う性格なんだよ」

ヨシモトは小さい蛍光灯のような道具を右手に掴み、左手でボールを掴んだ。ボールは温かくなる。ヨシモトの左手はストーブで温まっているかのような感じだった。

「ちょっと熱いな」

ヨシモトは愚痴をこぼしつつ着々と、成風を入れていく。

ヨシモトは汗をダラダラと垂れ流す。ノブナガ達は黙ってそれを見つめていた。まるでこの空間の時は止まったようだった。

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