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形勢

「どんどん加速していくよ!」

グリルは笑みをこぼす。ヒデヨシは刀をまっすぐ構える。塚が、自分のへそに来るように持つ。後を追う。

ガロンはその時、壁際の赤い球を狙って、場内を周回していた。そこをミツヒデが追う。

「ミツヒデは、あの球が切られたらまずいと思ってるのか……。実際俺達の生命線だがな」

ノブナガは、思う。自分の番がもうすぐ来る、この地獄に最後の一人として、入らないといけないのか……。恐ろしい。すでにがくがくだった。

四人目の最後の球が発射される。グリルは、ヒデヨシの攻撃をよそに赤い球を次々に切り捨てる。

「君達とは年季が違うのよ。年季が!」

ヒデヨシはミツヒデの方を眺める。ミツヒデは、ガロンを追いかけ続けていた。壁に一度接触すれば、反則で三十秒出られない。だが、この球は死守せねばならない。

ガロンは左に加速する。球は左に周回する。球は壁から一メートル弱離れている。ガロンは刀を振り上げる。振り下ろす。球はふっと、下に沈む。地面ギリギリに。

「ハハハハ!惜しかったね。魔球はコントロールできるからやめられないぜ」

ヨシモトは高笑いする。

ガロンは下から振りかぶると同時に刃を上にして切り込む。

「おっと!」

球は左に超加速で前進する。その瞬間ガロンはさっきまでとは比べ物にならないほど素早く刃を球に水平に入れる。パカーンと音を立てて、赤い球は、弾け飛び地面に散らばる。

「ミツヒデでもダメか」

ヒデヨシは目を小さくし、寂しそうに下をちらりと見る。

「ヒデヨシ……」

ケンシンも焦点の合っていない弱気の目だ。

「先輩のよしみで教えてやろう。追い込まれた時が勝負だ!」

ヨシモトは声を大きくする。

「それに追い詰められてるのは君達だけじゃない!」

ヨシモトはさらに大きな声で激励を浴びせる。

ヒデヨシとケンシンはグリルを追って、走り込む。

ヒデヨシの空中脱シューズはガスのようなものがポコポコと漏れる。

「こんな時に……」

ヒデヨシはイライラした。電気不足だ。空中脱シューズは電力と、使用者の気力の掛け合わせで、能力を維持している。どちらかが欠けたら、直ちに能力を保てなくなり、空中に居れば落下してしまう。

「ヒデヨシ降りてほしい」

「!?」

「いや、降りるってのは、辞退してってわけじゃないわよ。シューズを変えてきて」

「だが」

「私が何とかする」

「わかった」

ヒデヨシは下降した。静かに静かに下降した。

地面に足を付けたヒデヨシは反則で一分間出られない。

ケンシンはグリルを追いかけるのをやめ、自身の守る赤い球の一つを追いかけながら守っていた。

「この一個は私が守る!」

ケンシンは後ろをちらちら見ながら、右へ左へ音をピューピュー吹かせる。

「いい音。だが、そろそろ終わりにしよう」

グリルは後ろから飛び込み魔剣気を振るう。

ケンシンは振り向き、魔剣気を斜めに構え防御する。縦に落ちるグリルの魔剣気は、ケンシンの魔剣気をぶった切る。ケンシンの魔剣気は、亀裂が走る。その亀裂は塚のところまで伸び、粉々になった。

「もういっちょ!」

グリルは魔剣気を大きく振りかぶる。縦に振り落とす。ケンシンは手をクロスして受け止めるが、骨を砕かれ、そのままの勢いで地面に叩き落とされた。

「ああぁぁぁ!」

ヒデヨシは落ちてきたケンシンを見た。グリルは八つ目の球を切る。

「あとは、任せろ」

ヒデヨシは腕を組む。足は、わずかに震えていた。ノブナガも足、がくがくで試合会場を目だけで、見渡す。

その間ミツヒデは、残された赤い球を死守できなかった。九つ目。

ノブナガの目線はグリルをとらえる。グリルはミツヒデを追いかけまわす。だがミツヒデはどさくさに紛れて近くに現れた白い球を一個破壊した。

だが、グリルはへらへらしている。

「俺達は遊ばれている」

ノブナガは悔しかった。だが見つめるしかなかった。

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