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強化部:士気道

「時間の経過は早いものだ」

イットウサイ先生は選ばれた六人の一年生を強化武の体育館の前に集める。

「ノブナガ、ヒデヨシ、ユキムラ、ミツヒデ、ケンシン、リュウセイお前らは見込みがある。今日から、士気道の練習をしてもらう」

ノブナガは体育館の壁に沿うようにして伸びている白いペンキの階段を上っていこうとする。

「待て! ノブナガ! その階段を上ったら、ギャラリーのところに行ってしまうぞ!」

イットウサイ先生はツッコむ。

「素直に、下の戸口から入ろう」

ミツヒデは先陣を切る。

「流石は生徒会だな」

ノブナガは、つまんなそうに口を結ぶ。だが、仮面をかぶっているのではたからは分からない。

「流石はノブナガ、馬鹿にもほどがある! ハハハハ!」

リュウセイは嫌味を言ってからかった。ノブナガはシカトを決め込む。

「おいおいおい、どうした? 図星突かれてしょげちゃった?」

ノブナガ含めここにいる一年生はリュウセイを無視して体育館に入っていく。

「何だよ。お前ら」

リュウセイはそう言って体育館に向けて歩みを進める。

「すっげ」

中は、まるで真夏のようなくらくらするような暑さだった。セミがいてもおかしくない。

体育館の中。ランチルームで見た強化武の試合とは違い、顔まで覆いかぶすゲンゴロウのようなヘルメット。コクワガタの顎のような肩の鎧。そして、腹筋のような形状の身体を守る布製のボディ。六角形の垂れ。選手達はみんなそれらを装備していた。垂れネームを見ないと誰が誰やら分からない。どうやらランチルームで見た強化武はずいぶんと昔の試合風景だったらしい。ノブナガ達には選手達が競技用魔剣気で殴りあってる光景が目に飛びつく。

「おい、キャプテン!」

イットウサイ先生が怒鳴る。でも選手達にはその声は通らない。イットウサイ先生は仕方なく、体育館の端の方に寂しく置かれている和太鼓を鳴らしに行った。

ドンドンドンと音が鳴り響く。

選手たちは動きを止めた。

「お前ら! 今日から新人が入る!」

「来ましたね」

「ああ来た」

ヘルメットを付けたどこかで見たような風貌のある青年が小走りしてきた。青年はヘルメットを取った。

「あ!」

ノブナガと、ミツヒデは同時に声を漏らす。

前にいるのは、ヨシモトだった。

「君達も士気道の選手に選ばれたんだね! 奇々怪々部として、鼻が高いよ」

「へへへ」

「でも、入りたくないなら入りたくないって言ってくれよ。今日は体験という形で」

「はい!」

「お前ら試合するぞ!」

「はい!」

体育館の天井が二対の勾玉に別れるような形で円を描き、開く。

選手達の内AチームとBチームはそれぞれ五人ずつ、開始線に並ぶ。ヨシモトも、Aチームに並んだ。開始線はそれぞれ一本ずつあり、相手の開始線と、自分の開始線は反対側にあり開始線同士は五十メートルは離れている。試合のコートは丸く広がっている。どこまで飛んでもいい。

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