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滝とノブナガ4
「ノブナガ君、これからどこの家で暮らすの?」
「いえ、僕はもうすぐアズチ魔法学校の寮に入る予定なので、それまでは一人暮らしをします」
「でも、ここは村だし……。子どもが一人で生活するのは大変じゃない?」
「大丈夫です。友達も何人かいますし、寂しくはありません」
「食事はどうするの?」
「森に行けば、困る事態は避けられますから」
ノブナガは、無理に笑顔を作ってそう答えた。
その表情には、母親の愛情を知らずに育った人間の哀しさがにじんでいた。
葬儀は無事に終わった。
その夜、ノブナガは自分の家で一人、声を上げて泣き崩れた。
「うゎぁぁぁ……! なんで……なんで死んだんだよ……。まだ……魔法、完成してないのに……なんで……」
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