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白馬たち


ノブナガの陰口が広がる中、一年生の生徒は乗馬場に集められた。

「おい、ノブナガく~ん。どうした?」

リュウセイは毎日のようにノブナガをからかった。今日もそれは変わらない。ノブナガは常にゲンゴロウの仮面をつけることにした。

そこに剣術、騎馬の、先生であるイットウサイがグラウンドの遠くから歩いてきた。ノブナガは遠くを見る。

「来る」

「え~? 何がくるって?」

イットウサイはチャイムが鳴ると同時にノブナガ達のもとにたどり着いた。

「今日から、君達を世話するイットウサイだ。覚えておけ」

「はい!」

まずは乗馬の練習をする。各自、保護者から与えられた馬が、馬小屋の中にいる。イットウサイ先生は、生徒達を引き連れて、長方形に広がるアズチ魔法学校の城の四分の一くらいの大きな馬小屋に入っていった。入ると、馬を収容する列が十五程あった。馬は木の囲いで四角く閉じ込めらている。四角の中には気の箱がぶら下がっていて、そこには芝などのエサが入っている。イットウサイ先生はそれぞれに名前付き番号付きの魔法のカギを渡す。

「このカギにかかれている番号の馬が貴様らの馬だ!」

黒や、茶色、中には赤といった多種多様な馬たちが体を光らせている。中でも、イエヤスの馬は凄かった。

「おいおいおい! 金持ちすぎじゃなぇか!?」

「イーエヤス! イーエヤス!」

イエヤスはイエヤスコールを恥ずかしげに聞く。イエヤスの目の前にいるのは何と毛がピンクがかった白いペガサスだった。

だが、そんな中、一際(ひときわ)楽しそうなのはヒデヨシだった。リチウムの炎色反応色のポニーテールも何故だか、楽しそうに風に遊ばれている。

「ヒデヨシ?」

「どうした? ノブナガ」

「何でそんなにうれしそうなんだ?」

「ついてきてくれ……。見ればわかる」

ノブナガは、ヒデヨシに着いて行く。馬小屋の半分近くまで来たのだろうか。ノブナガはヒデヨシの背中の横から、周りの馬を覗く。ヒデヨシは止まる。

「これだ!」

見ると、真っ白の毛、真っ白の身体、真っ白の蹄の馬が一匹いた。

「何だよそれ!」

神馬(じんめ)だ!」

「お前の家も金持ちなのか?」

「いいや、明日の飯も食えるかどうかの家だよ」

「え?」

「私の家族は私が、アズチ魔法学校に行くことが決まって、コツコツお金を貯め、神馬を私の前で買ってくれた。私は心の底から喜んだ。涙が出た」

「……」

「君の馬も見せてくれないか?」

「大した馬じゃないと思うけどな」

「Aの七一七」

ノブナガは何の期待もなかった。今まで、父との会話では馬の、うの字も聞いたことはない。

ノブナガはため息をつくのをこらえ、息を止める。ヒデヨシはニコニコしていた。

ノブナガは馬を見ずに、数字だけ追っていく。ヒデヨシは目を丸くした。まるで開けられたびっくり箱をのように飛び出しそうな大きな目をしている。

「一角獣だ!」

ヒデヨシは叫ぶ。

ノブナガは馬を確認して大声を出した。

「うっわあああ!」

ノブナガは息を吸う。

「ユニコーンだ!」

まるで、羊の毛のようなふさふさと流れるピンクのたてがみ、それに対称的なまるで、鋼のような蹄。

「これが、俺の馬……」

「ああ、そうだ」

「これが俺の馬だ!」

その時、ミツヒデは一人で、自分の馬を見て、身を震えさせた。

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