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奇々怪々部 部活動4

「それは、電力を封じ込めた球です」

「……そう言うことか! どうりでノブナガが……」

「そう言うことです」

「だが、もう気力がな……。いや……ある」

ヨシモトは、カブトムシを頭から拾う。

ノブナガの後方から、大きな羽音が立つ。

「!?」

ノブナガはGさんから目を離すことなく反射的に右によけた。結果として大きな物体が通る道が空いた。飛んできたのはGさんに負けず劣らずの胴体を持つカブトムシだった。ノブナガは右によけたことにより、二匹を視野に入れた。Gさんがカブトムシを体さばきでかわす。カブトムシとGさんの位置は入れ替わる。

「何だ?」

「ノブナガそいつはお前の味方だ」

「ヨシモト先輩」

「そいつは、Gさんに森を荒らされ、一つの魔樹に隠れていた。魔力を手に入れることで下剋上を果たす」

ノブナガはGさんを飛び越えカブトムシに飛び乗った。

「!?」

ヨシモトは声を出さずに戸惑う。

「こいつは俺がぶった切る!」

カブトムシは下から上に顎でGさんを吹き飛ばす。Gさんは緑の血を流す。Gさんは腹を見せた。その瞬間ノブナガは刀を振るった。だが……。

「切れない! 堅い!」

「ノブナガ前にも言っただろ! 刀は腰で振るんだ!」

「うらぁ!」

強固なボディーには傷一つつかない。ノブナガは真っすぐ振りかぶり、まっすぐ降ろす。基本に忠実な動きだ。振りかぶる。振り下ろす。振りかぶる。振り下ろす。ノブナガは手がじわーんと痛くなる。木の棒でアスファルトを思いっきりたたくような激しい痛みが、ノブナガを襲い続ける。まぁ俺が戦う必要ないわ。ノブナガは気づく。

「うん! カブトムシに任せた!」

ノブナガは気分すっきり開き直る。

カブトムシはそれに応えるようにGさんを上の顎と、下の顎で、はさむ。Gさんの身体を今まさに引きちぎろうとしている。

Gさんの最後。ノブナガはそれを今か今かと待ちわびた。

だが、そうはならなかった。Gさんの身体に亀裂が入る。

「勝った!」

ノブナガはこの時点で、勝ちを確信した。Gさんは皮を脱ぎ捨てる。

「Gさんの覚醒だ」

ヨシモトが言葉を放つと、驚きのあまり、ノブナガの目線が、ヨシモトを向く。顔も動く。

「おい、相手から目をそらすな!」

ヨシモトの注意は的を得ていた。そしてノブナガを助けることはなかった。

Gさんは身体から、魔力を放出し、カブトムシをはねのける。

吹き飛ぶカブトムシの後ろにいたノブナガはカブトムシもろとも、森の中に消えていった。森の奥では大きな光が立ち込め、大きな音が鳴り響く。

「あいつ死んだ」

ミツヒデはボソッと。言い放つ。

「俺達も、後を追うことになるかもな」

ヨシモトは静かに言った。まるで諦めたような静かさだった。

「満足ですか?」

ヨシモトは、ミツヒデの問いにいつまでも応えることはなかった。Gさんは新しいセキエイのような白い体をきらびかせて、亀のような歩みで近づいてくる。

「虫にもなめられてやがる。ハハハ」

ヨシモトは、さっきのカブトムシの気力を引き出すために自分の気力を使いすぎた。もう、耳クソをほじる元気もなかった。Gさんは全身を魔力で覆う。

「死んだ」

ミツヒデと、ヨシモトは同時に呟く。その瞬間。森の中から火柱が、横向きに発生した。

「一パーセント!」

遠くからはノブナガの声だけが聞こえる。

Gさんは真っ二つになって焼け死んだ。

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