奇々怪々部 部活動3
「!?」
「虫の妖怪ならトラップを仕掛けておけばいいかと言ったらそうでもない」
ヨシモトがそう言うか、言わないかの間にGさんが一匹近くの茂みから飛び出してきた。だが、ヨシモトは反射的に刀を鞘から抜き真っ二つにGさんの上部と下部の間を切断した。
「!?」
ヨシモトはビビる。
「一匹ではないと思ってたが、百匹はいる! 罠がまるで足りていない! どこに隠れてやがった!」
Gさんは普通のカブトムシくらいの大きさで地面をかさかさと歩く。Gさんは地を這い狙いをつけてノブナガ達の方にとびかかる。飛ぶ瞬間Gさんは筋骨隆々の超生物になった。ただ相変わらず四つん這いになっている。
「!?」
ノブナガはいつく。
成風を乗り越えたほどだ。あいつなら大丈夫。そう言わんばかりの安心した目でヨシモトは見た。ヨシモトはたかをくくっていたのかもしれない。
Gさんのタックルでノブナガは血を吐き吹っ飛ぶ。
「!?」
ヨシモトはその様子を目で追った。
「あいつ、魔法を纏えてない!」
続いて、ミツヒデの方にGさんは飛んできた。まるで、ミサイルのように。ミツヒデも血を吐き吹き飛ぶ。
「お前もか! これはまた厄介なことになった……。魔法の纏い無しでどうやって森を超えたんだ。いや、そんなことはどうでもいい。この数全てを切るとなると……。やるしかいないか。もともと一人で来る予定だったしな……」
ヨシモトはGさんの群れに飛び込む。まっすぐ頭の上に刀を振りかぶり飛び込んだのだ。
Gさんはマシンガンのようで、捨て身で、なん十匹もアタックしてくる。
「ハハハ、僕モテモテだな」
ヨシモトはそう言いながらGさんを上から刀を振り、切る。下から持ち上げて切る。斜め右上から切る。斜め左下から切る。水平から切った。だが全弾切り落とすのは骨が折れる。
「クッソ。罠拾って終わりかと思ってたのが甘かった」
ヨシモトが切り損ねたGさんがヨシモトの足元にかぶりつく。
「うゎぁぁぁ!」
やすりみたいなんてそんなちゃちなものじゃない。その歯はまるでのこぎりのようだった。
ヨシモトの足からは、血が出始めた。
「魔法が食われてる。足を纏っている魔法が……。今日は魔力を使いすぎた……。いや、気力の問題か……。俺はまだあまちゃんだ」
ノブナガは意識を取り戻しつつあった。
今、先輩と一緒に戦わないと、俺は一生後悔する。ノブナガは六かける六団子から、電気の球を取り出す。ハカセにもらったこの球で俺はあいつらをぶった切る。ノブナガは球を握る。ノブナガの身体には電気が流れた。電気と気力が結合した。ついに魔力を手に入れた。
「燃える刀でぶたったぎる!」
ノブナガの気力と、魔剣気(刀)の中にある電気も結合した。
ノブナガはヨシモトの方に駆け寄る。
「先輩! 俺が奴らを片付ける!」
「君に出来るのか?」
ヨシモトはそう言いかけやめる。野暮だ。
「こいつは魔法を纏えている。何故か知らないが、纏えてるんだ……」
ヨシモトは声を漏らす。
周りにいるGさんをばっさばっさと切り捨てる。
「凄い!」
あと一匹! とうとうGさん軍団を追い詰めた。Gさんは切羽詰まったのかバタバタしている。だが、勝負はここからだった。最後の一匹は口を置きく開けた。その辺のGさんはカピカピになり水分がなくなったのかサラサラの砂になった。Gさんの身体から魔力が吸い取られたらしい。
ノブナガ達はその様をぼーっと見ることしかできなかった。あまりの衝撃に足が全く動かない。Gさんは巨大化する。ノブナガの身体の数倍はありそうだ。
「チッ」
ヨシモトはGさんの懐に魔剣気(刀)を大振りして飛び込む。
「ギャアア!」
Gさんは大きく叫ぶ。そして、ヨシモトにタックルを食らわせる。だが、ヨシモトははねられた。魔力を纏っているヨシモトでさえ吹き飛ばされた。ミツヒデの倒れている魔樹の近くの魔樹にぶち当たる。上からは、クワガタや、カブトムシが落下する。ヨシモトの頭は昆虫だらけだった。
「倒せん……。ノブナガの最初の電力がなければ奴は倒せん」
ノブナガはGさんに刀を振るう。ノブナガの刀は上段からまっすぐ落ちる。
その瞬間、Gさんはタックルをくらわす。ノブナガは弾き飛ばされる。だがノブナガは左手を刀から外し、地面に手を突き、バク転の終わりのように姿勢を正す。
「ハァハァハァ。うっ」
ノブナガの身体は今、ノブナガの意思のみで立っている。ただの意地だ。
「俺は負けねぇ!」
ノブナガはその場で動くことなく、ひざを揺らしている。
「ヨシモト先輩……」
「何だミツヒデ?」
「これを使ってください」
ミツヒデは電気の球を六かける六団子から取り出すと、ボウリングの球を投げるときのように転がした。
「何だこれ?」




