無邪気な瞳
「週末は大雨だね」
二人っきりの場面で
何気なく君に呟いた
「週末は友達と旅行」
君はわたしに向って
嬉しそうに微笑む
もう心はここに無いかのように
誰かとどこかで楽しんでいる
本当は聞いてみたかった
「誰と?」
「何処に?」
帰ってきたら
「楽しかった?」
「今度はどこ行くの?」
でも聞ける訳もない
君と私の関係性
君に会ってから
私の心は君しか見ていない
君が引き開けた
心の奥の檻の中
私が閉じ込めた情念という怪物を
無邪気な君の瞳が解き放った
もう戻すことは出来ない
私はこの怪物を引き連れたまま
君との日々を送るのだろう
君には、本当のことを告げることも無く
私の想いを知ることも無く
それでも君の心に残れるだろうか