第九回 楽屋裏
高:さて、本日はゲストを迎えての「楽屋裏」ですっ!
――遠くでじゃれあう人影が…?
高:ゲ・ス・トのご登場です!早く来いソコのバカ夫婦!
彩:……。
金:何よぉ、せっかく会えたのに…。
――無言で不服を主張する彩羽と、頬を膨らませる金糸雀。
高本、深い溜息を吐く。
金:えー……本日のゲストは拙作「白黒と低音のセカイ」の西條彩羽と金糸雀です。
彩:……一人芝居。
金:わぁ、さみしーぃ。
――作者を嘲笑う性格の悪い二人(笑)
高:くっ……!悠ちゃん……寂しいよぅ。バカップルが目の前でイチャつくよぅ。
――スタジオの隅で膝を抱えて蹲る高本。本気で寂しい様子。
彩:まぁまぁ、元気出して下さい。さ、席に着いて。
――笑顔で優しく手を差し延べる彩羽。
高:彩羽……。
彩:あなたが仕切らないと始まらないんですから、サッサとして下さい?
――絶対零度の微笑みに、凍り付く高本。
金:ちょっと、何でも良いから早くしてってば!
――動かない高本を無理矢理引き起こす金糸雀。
高本、渋々席に着く。
高:あぅ……帰りたいよぅ。
彩:それは俺達も同じです。だから早く終らせて帰りましょう。
金:はーやーくっ!
高:あー、はいはい。わかりましたよ、やれば良いんでしょ!
――何か、もうヤケになってる高本。
高:さて「白黒ノスタルジア」も佳境に入ってきましたね。各々どうですか?
金:オノオノ?
彩:それぞれってこと。金糸雀はどうだ?危険なこととかに、巻き込まれてないか?
高:跳んじゃった時点で、危険なことに巻き込まれてると思うけど。
――ボソッと呟く高本に、冷たい笑みを返す彩羽。
彩:言いたいことがあるなら、ハッキリ言って下さい。
高:……いえ、何も。
金:私はねぇ、自然がいっぱいで結構楽しい! 草とか、木とか、花がいっぱいで綺麗なの!
しおりはちょっと頼りないけど、まぁ優しくしてくれるし……らびぃがすごく可愛いの!
彩:しおり? らびぃ?
――怪訝な顔をする彩羽を無視して、先に進める高本。
高:お嬢は楽しそうで何より。彩羽は?
彩:楽しい……とはあまり言えません。警備部とやり合う羽目になるし、雪も扱いに困るし……。真っ直ぐに突っ込んでくるから、かなり痛いよ。
――頭を抱える彩羽。詳しくは本日更新分参照(笑)
金:そう、『セツ』! あやは、その女と一緒にいるんでしょ!? 妙な事になってないでしょうね!?
――突然、ものすごい剣幕で詰め寄る金糸雀。
彩:ぅわっ!? 何で雪のこと知ってんだ!?
金:そんなことどうでもいいでしょ!? 私の質問に答えなさいよっ!
彩:ちょっ、首絞まる……っ!
高:おお……これが世に言う「修羅場」か……。
――騒ぐ二人を余所に、独り遠くに避難して見物を決め込む作者(笑)
金:大体私以外の女を呼び捨てにしないでよね!
彩:それは雪が「呼び捨てで良い」って言うから……。俺だって、最初から呼び捨てにしてたわけじゃないぞ。
金:へぇ、どうだか。
彩:本当だって!
金:「呼び捨てで良い」とか……そんな風に言い寄ってくる女の言うこと聞いたのね?
彩:言い寄ってきたとか、全然そういうのはないから! 誤解しないでくれ。
高:何かもう、完全浮気男の言い逃れにしか聞こえないね。
――お茶を片手に呟く高本。どことなく楽しげ(笑)
金:そうよね!? 正直に言うなら、殺すのだけはカンベンしてあげるわよ?
――ブラック降臨。目付きが真剣すぎて怖い(笑)
彩:ほ、本当に違うって! 別に、雪のことは女と見てないし!
高:えー? 色々気遣ってあげてるのに?
金:……あやは?
彩:ちょっともう、何とかしてくれ!
――必死の形相で訴えてくる彩羽を、背に庇う高本。
高:さて、彩羽イジメはこのくらいにしようか。金糸雀、落ち付きなさい?
金:邪魔する気?
――負のオーラに気圧される高本と彩羽。
彩:(ひっ……!)
高:(怖っ!!)
あ、彩羽はね、ちゃんと離れ離れになった後も金糸雀の事想ってたよ? 色々走り回って情報集めたり、すごく心配してたから、浮気とかいうのはないから。
金:……本当?
高:作者の私が言うんだから、本当だよ。
金:……わかった。
――ホッと溜息を吐く彩羽。
彩:金糸雀……。
高:まあ、同じ部屋で寝たりとかはしたけどね(笑)
金:あやはぁぁぁぁー!!
彩:わあああああ!!
――高本、目の前の惨状から目を逸らしてポツリ。
高:実は彩羽って、相当女運ないんじゃないか?
金:あー、スッキリ♪
高:おや、お済みかね、お嬢? 服に鮮やかな紅い模様が……。
金:ストレス解消っ☆
高:おーい、彩羽? 生きてるか?
――虫の息で。
彩:お前……覚えてろよ。
――彩羽の呪詛を無視して、爽やかな笑みを見せる高本。
高:さあ、スッキリした所で次に行こうか!
金:いえーい!
彩:次って?
高:私が言いたかった事を言わせてもらいます。
彩:……はぁ。
金:なに?
――スタジオの窓を開け放ち、遠くに向かって叫ぶ高本。
高:お前らキャラ変わり過ぎなんじゃぁー!!
――静寂に包まれるスタジオ内。
彩羽、ボソッと。
彩:そう書いてるのは、あなたでしょう?
高:そうなんだけどね〜。何でだろ?
金:そもそも、私達のキャラってどんな?
高:金糸雀は、こう儚げで無邪気で……線が細いんだけど気丈で、守ってあげたくなっちゃう感じの子。あと、頭悪い(笑)
金:な……!?
高:彩羽は、お固くて真面目で、感情をあまり表に出さないような大人しいタイプ。でも、中身は熱くて感情的。ヘタレでネクラな感じもあり(笑)
彩:ネクラ!?
高:何かこう、二人とも悪い部分が出ちゃってる感じだよね。私は「白ノス」の君達も好きだけど、本編とは違っちゃってる。そこら辺、どうなのかなぁって。
――俯く高本に、顔を見合わせる二人。
彩:何を気に病んでるか知りませんが、あなたが書いた以上、どちらの俺も俺だし、金糸雀も金糸雀です。違いますか?
高:……うん、そうだね。うん。
――笑顔を見せる高本に、二人も笑い掛ける。
彩:さて、綺麗にまとまったようですし、ここら辺でお開きですか?
高:ああ、そうだね。そうしようか。
――じっと高本を見詰める二人。
高:な、何? 二人して?
彩:終わりってことは、この後は自由なわけですよね?
高:え、まぁ、うん。
金:もおっ、だーかーらー!
高:???
彩&金:邪魔ものは出てって下さい。
高:うわぁぁぁぁん! 悠ちゃぁーん!!
――高本、泣きながらスタジオを飛び出す。
仲良き事は、美しきかな?
高本の独り芝居……いやいや、「白黒」キャラとの座談会、いかがでしたか?
次回は通常通り「Dear」二人でお送りする予定です。
ですよね!?悠ちゃーん!\(゜ロ\)(/ロ゜)/