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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

エンジェルアトリエR 番外編

作者: る〜

エンジェルアトリエR本編の、フューエルやストライク達が天界に攻め入ってきた堕天使達を迎え撃つシーンのレヴェナント視点です。

堕天使が攻め入ってくる事を知った警備隊員達により忙しなく天界の住宅地への避難勧告が行われている。数々の非戦闘員の天使や子供の天使達が隊員達の指示に従い避難していく中、レヴェナントと影縫はじっとその様子を見続けていた。

数々の天使達が最大限の警戒網を敷いていく中、二人もアイコンタクトを取り動き始める。


《…珍しいね、君達の方から私のところに来るなんて》

二人がまず行った場所は、エデンの執務室だった。

《これから奴らが来るんだろ?俺達にも戦闘許可をくれ》

《うーん…本来戦闘要員は隊の子だけで団員の皆には避難誘導を任せてるんだけど…。》

《俺達は例外だろう?大人は知らないが、子供の天使には良くも悪くもレヴェナントは怖がる子が多い。》

《そうだねぇ…。レヴェがまともに言う事聞いてくれる相手も君ぐらいだし…。そうだな、多分低級もいっぱい来るだろうから、避難所の子達を影縫君、住宅地あたりにレヴェに任せようかな。堕天使は見かけ次第即潰して欲しい。隊の子達を一人でも多く上級とか中級に集中させたいからね。》

《了解!》

《あ゛う゛!!》とレヴェナントも返事をし走って行く。二人は本部を出た瞬間に別方向に走り出していく。もうすぐレヴェナントが住宅地に着くといった時に、けたたましい警報が鳴り響く。空には、どこから見ても分かるほどの大きな黒い渦が出現していた。フューエルやストライクがレヴェナントの頭上を高速で飛んで行く。住宅地に着いた瞬間屋根に飛び乗りレヴェナントが戦闘の構えを取る。視線の先には住宅地に向かって有象無象に湧いてくる低級堕天使が向かってきていた。ある程度近付いてきた瞬間、レヴェナントが服のファスナーを首あたりまで下げ咆哮を飛ばす。それに呼応するかのようにレヴェナントの目が光り、両腕両足を鋭く、歪な形に変異させる。レヴェナントの口から青白い煙が吐かれる。堕天使が住宅街に侵入しようとした次の瞬間、屋根に居たレヴェナントがいなくなり先頭を走っていた堕天使達を掃討していく。衰え知らずの身体能力と底無しの体力で堕天使達を切り裂いていく。他の団員が数名応援に駆けつけるも、レヴェナントが飛び込んだ場所までは数が多すぎて近付くことすら困難といった具合だった。レヴェナントはものの数分で何十何百と倒しているが、それでも終わりが見えない物量に次第に押されていく。ほんの一瞬の隙を突かれ、レヴェナントの右腕が堕天使の斬撃により千切れ吹き飛ばされる。一瞬怯むも、すぐに千切れた箇所がぶるぶると震え始め同じ形状の腕が再生する。同じ堕天使が再び切りかかるも、その刃はもうレヴェナントには届かない。その隙を逃さず足と腕で挟むように刃を叩き折り蹴りを入れる。低級程度でその一撃に耐えられるはずもなく、胴体に風穴が開く。このやりとりによりスピードが落ちたレヴェナントだったが、撃破した瞬間に助走も無しに元の速度に戻り再び堕天使達を薙ぎ倒していく。次第に堕天使達の勢いが弱まっていく。それに合わせ、襲いかかってきた堕天使にトドメを刺しレヴェナントも動きを止める。堕天使の首を噛みちぎりゆっくりと群れの方を向くレヴェナントに、知性の低いはずの低級堕天使でさえ本能で恐怖を覚えたのか、群れ全体が後ずさる。引きちぎった頭を落とし、群れに向かって再び、かつ先ほどより低く圧の強い声で咆哮する。堕天使達が付けたはずの数々の傷が目に見える速度で再生していくのを見ていくら数でかかっても勝てないことを察したのか、堕天使が退いていく。それとほぼ同時くらいのタイミングで空が強く光る。レヴェナントの意識がそちらに向いた瞬間を皮切りに堕天使達が一気に黒い渦に沈み逃げて行った。


影縫からの連絡により、堕天使が天界からいなくなった知らせを受けレヴェナントはその場に倒れ込み丸まりながら眠りにつく。そこにストライクと影縫が訪れる。

《これは…こいつ一人でやったのか…?相当な数がいたはずだが…この量の堕天使の体液…いや、血の方が正しいか…。》

《…状況を鑑みるに、恐らくそうだろう…。レヴェナントの強みは持久戦だからな。》

《いや、だとしても大群対一人で生き残るって…。》

影縫がレヴェナントを背中に背負う。

《レヴェナントは俺が診ておく。報告に関しては頼んでもいいか?》

《あ、あぁ…。構わないが…。》

《じゃあ、よろしく。》

そう言って影縫とレヴェナントは去って行った。


二人の家で、レヴェナントをベッドに寝かし影縫は横に椅子を持ってきて座る。

《服がこんなにボロボロになるほど必死で守ってくれたんだな…。よく頑張ったぞ、レヴェナント。》

影縫は疲れで熟睡するレヴェナントの横でそう呟いた。

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