第3話 散策開始
〜前回までのお話〜
現実世界から謎の世界にやってきたあぷ。
初期装備を整え、道を進むと、草原が広がっていた。
☆
「どこ…ここ?」
見渡す限り緑がたくさんの草原が広がる。
人1人見当たらない開けた場所に私は立っていた。
RPGとかだったら、村人とかを探して声掛けてくやつだよね!てか、装備とかLvとか言ってる時点で、RPGなんじゃないの?
「とりあえず歩いてみよう。」
トンネルを後にし、水平線まで続く草原を歩き出す。
ぺったん。ぺったん。
2対のゼリーみたいな水気のあるピンクの物体が近づいてくる。
「これは?初期敵キャラ的な?倒せばいいのかな?
とりあえずope!」
アイテムボックスからこん棒だけ取り出しておく。
何も喋らずぺったん。ぺったん。と近づいてくるソレにこん棒を振り下ろす。
「てい!」
儚くゼリーが潰れ、シャボン玉のように泡となって消えた。
"20ap獲得しました。Lv.2になりました。"
「あ。やっぱりそういう仕組みなのね?」
繰り返し出てくるピンクのゼリーを数体倒しながら前へと進む。
何キロ歩いただろうか?日が傾きかけて来た頃、遠くの方に山が見えてきた。その山の中腹くらいに1つの光が見える。
私は光の方向を目指して先に進んだ。
★
星空がゆらゆらと浮かぶ頃。
私は光が見えた山の麓まで近づくと、こん棒を持った犬が料理を作っているのを見つける。
バレぬように後ろから近づき、頭めがけて振り下ろす。
「ちょ!オーサ!!痛いっす!?いきなりなんすか!?…ってお前誰っすか!?」
は…?犬が…喋った……??
「あっ!!そのこん棒は!!アレっすね!!
新人の人っすよね!?来るの遅いっすよ!!
オーサの元に案内するっす!!付いてくるっす!!」
一息でまくし立てるように喋る犬。
なんだコイツ…。
いきなり喋って来たけど何言ってんの…?
訳が分からず口を開けたまま喋れずにいた。
「あ!!
でもオーサに会う前に色々と歩いてきたっすよね!!
じゃあここいらでセーブするっす!!
紙とペン渡すっす!!」
謎の犬が見覚えのある紙とペンを差し出す。
"セーブしますか?"
またこれか…。「はい。」
"セーブしました。"
なんかよくわかんないけど、とりあえず話が通じた謎の犬の後について行くことしよう。
謎の犬登場。
誰オーサって( ̄▽ ̄;)