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養生シート

作者: 黒楓

おなじみ?の月曜まっくろシリーズです。


今回は、エロは極力抑えております(^^;)



あと、この女の考えている事は、あくまで、この女の主観であります。


何人も非難申し上げているわけではございません。

引越し屋の社名の入った養生シートに出入り口を取り囲まれたエレベーターは3階から降りて来ない。


ピアスの抜けた穴や泣き腫らした目を見られたくなくてサングラスやピアスを衝動買いし、背筋を伸ばしてコツコツと石畳を叩いて戻って来たというのに…


阻まれてしまっている。


私の心がカリリ!と音を立てる。


なのに、背後にバタバタ足音がしてザワっとするオトコの視線を感じ、私は“ウサギの耳”になる。



『あん!エレベーター下りて来ないね』


『そりゃ、りえちゃんの荷物が多くて渋滞してるからだよ』


『そんな事ないわよ~ このテレビ台だってかずくんのじゃない!』


『どっちにしても仕方ないから3階まで階段で行こっ!』


『え~!! じゃあ、引っ張ってって!』


そう言いながら『りえちゃん』は『かずくん』の腕を巻き込み、自分のぽわぽわした胸を押し付けた。


エレベーター横の階段を、二人がキャイキャイと昇って行った後もエレベーターはまだ降りて来ない。


平台車の上には、どこかのバイク屋のステッカーが貼られたテレビ台が横倒しに置かれたままだ。


なるほど、表に停めてあるチンケなバイクは『かずくん』の物で、その“下心”までがあからさまに見える。


新婚のイチャイチャの合間に私の事をガン見する…頭の悪い種族!!

家賃を共働きの間は支払えるが、子供が出来たら引っ越してゆく、いつもの“賃貸さん”


3階のあの部屋は“分譲賃貸”でオーナーも管理組合の会合へ出て来ない。


私は6階だから直接的な被害には遭っていないが、同じフロアーの方々は過去に何度もトラブルに遭っている。

それに、共用スペースやゴミ捨て場などでの行儀の悪さは、大抵は“分譲賃貸”の輩の仕業だ。

少なくとも分譲組はすべて会合に出席しているし、皆、見知った間柄だから周知徹底している

こういう行儀の悪い輩が私の“お城”を脅かすのは許せない!!


そう!!


カレに言われた!!


「オレとマンションのどちらを取るんだ?!」って


それは、実家暮らしのカレと結婚したら自分の両親の面倒も見ろと言うカレの強要。

そして、その強要に私がYESと言わない事を見越した上でのプロポーズ。


カレが私に見せた指輪は、きっと私には緩すぎる。


その指輪に合うオンナをカレは隠し持っている。


だから私は今朝…


 前に彼からプレゼントされたピアスの片っぽをカレの“残骸”にくるんでカレのブリーフケースに投げ込んで来た。

 こんな事をしたって、狡い(こすい)カレに“事前”に見つけられて、どこかの唄の様には上手くいかないのだろうけど…


最後までカレと寝てしまった自分を“愚かな女”にしてしまいたかったから。


“愚かな女”として泣き腫らしたかったから…



でも、コイツらのせいで!!


その“養生シート”を剝がされた。


アリガト!

お礼に結婚祝いをあげる。


私はコートのポケットに手を差し入れて片っぽだけのピアスを取り出し

テレビ台の“股”にズブリ!と挿した。


『りえちゃん』がお掃除をする()なら


そのうち、この“ちょっとお高い”ピアスに気付くでしょう。



こじれて…あの部屋を引き払う事になったら、儲けものだわ…



取りあえず…ポケットの中身が何も無いこの冬のコートを…次のサービスデーにクリーニングへ出そう。







主に社会人になってからですが…


楓が耳にして「嫌だなあ」と感じた言葉たちを並べてみましたら


こんなのが出来上がりました。


この方とも、お近づきにはなりたくはないです(*_*;



ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!<m(__)m>


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― 新着の感想 ―
[良い点] ブラック楓師匠が、また男女の闇を掘り起こしてくださったー! \(*≧∀≦*)/ >実家暮らしのカレと結婚したら自分の両親の面倒も見ろと言うカレの強要。 あ~、よく聞く話。 会社の若い男…
[一言]  他人のはしゃぐさまが、ささくれだった心に、ざらっとした触れかたをするときがありますね。  自戒せねば。
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