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【オムニバス】君へ紡ぐための物語  作者: きよたプッチン
6/20

あなたを好きになれたら、(遠距離恋愛をしているリスナーの話)

※こちらの文章を書くにあたり、語尾プッチンの省略をお許しくださいプッチン。

※また、こちらのお話はフィクションですプッチン。実在の人物・団体・出来事とは関係ありませんプッチン。

※電車で移動中の際に作成をさせていただきましたため、誤字脱字をお許しくださいプッチン。

※2022年12月1日~7日までの更新となりますプッチン。


*お気軽に、ポイント、感想などなどお待ちしておりますプッチン*

女心と秋の空、なんていうけれど。




【あなたを好きになれたら、】




現実の恋愛なんて苦しいだけ。大学から離れ離れになってしまった彼氏を思いながらため息をつく。全然メッセージのこない携帯電話を手を握って、クリスマスにキスをした。高校3年生までは仲良く過ごしていたと思っていたのに。

何考えてるのか、全然わかんない…。男心と秋の空、の間違いなんじゃない?なんて、馬鹿なことを考えた。


「同じ大学にいってたら…変わったのかな…」


確かに特に一緒の大学にいこうって約束をいていたわけじゃない。でも、そういうのって一緒にいくものなんじゃないだろうか。

知らぬ間に進路を変えたと思ったら、彼は別の大学に行ったのだ。しかも、遠方。大学寮に入ってしまったとかで、全然連絡も来なくなってしまった。夏休みには少しでも連絡が来ると思っていたのに、一切連絡はこなかった。



はあ。



手元にあったタピオカミルクティーはもう空になっていて、口寂しい。大学の友人のひとりに「タピオカミルクティー飲むより、タバコでも吸った方が口寂しくないんじゃない?もしくはプロテインでも飲みな」なんて言われたことを思い出す。それに加えて、「太るし」の余計な一言付き。



うるさいな、余計なお世話だよ…。



何度も何度も画面をみても、メッセージはありませんの文字。何で、私ばっかり…こんなことばっかり思ってるのか。あーあ、もう。


ピコン



「えっ!」


携帯から音がきこえた瞬間、過剰反応してしまった。でも。でも、だ。携帯の画面には「お気に入りの配信者が配信をはじめました」の文字。待ってたメッセージではないけど、時間潰しのために配信を携帯に映す。


『はーい!今日も配信はじめるよ〜』


最近見始めた配信者。ゲーム配信を中心に活動している。彼がよくやっているモンファンは、彼氏の影響で自分もやりはじめたのだ。こんばんは♪、とコメント欄に入力したら、配信者も『こんばんは!』と返してくれる。この人はメッセージをしっかり返してくれるし、いちいちリアクションも面白い。……ちょっとだけ、彼にそういうところ似てる、かな。



『久しぶりだね!

そういえば、今日も彼氏から連絡ないの?

……って、あ!もー死んだあ…』



モンスターと戦いながら、配信者さんが言う。しっかり乙ってるけど。周りのリスナーさんたちもワイワイ何か言ってくれる。そう、私はこの人たちに恋愛相談をしているのだ。


連絡がないことを伝えると、励ましの言葉や浮気を疑う言葉が飛び交う。それを配信者さんがそこそこに宥めて、まあまあと笑う。



『俺だったら彼女に連絡…いや、電話くらいはする……かな?』



それでも、彼氏のことが好きだとコメントを残す。周りがひゅーひゅーとコメントする中、配信者さんが『あー、なるほど』と一言。


『洗脳されちゃってるね〜』


洗脳…。そういうもの?



『自分の恋に洗脳されちゃってるかんじ?

……ん〜、こういっちゃなんだけど、恋に酔ってる感じ?

ごめんね、ちょっと酷いこといったかな。

ひとまず、モンスタグラムとかチュミッターみてみたらどう?彼の近況報告とかみれるんじゃない?』



その手があったか!と目から鱗。一度配信画面をとじてから、彼のチュミッターを開く。更新なし。次にモンスタグラムをひらく。彼の本名をいれて、でてきた写真に何とも言えない声がでた。


「……なんでえ」


画面には女の子と彼氏が写っていた。

それから、記念日。のコメント。



…そうか。…そうだったのか。



これが俗に言う、自然消滅というやつで。まだ付き合っていると思っていたのは私だけだったのだ。

画面の先で笑う二人の写真。もう少しどうにかしてたら、そこに写っていたのは私だったのかな。





しばらく。本当にしばらく放心状態で。


それから、もう一度配信画面をひらいた。



『ただいま』



『あっおかえり、mikiさん』



『…自然消滅だった』



『…あー、そっか。うん。

…ごめん、うまいこと言えないけど…お疲れ様』



多分、それだけでわかってくれたんだろう。その言葉に、耐えていた涙がこぼれてきて。声を出して泣く。多分、感情のままコメ

ントもしてしまったかもしれない。それでも、変わらずに配信者さんはゲームをつづけていて。周りのリスナーさんたちもうんうんと聴いてくれたていた。涙で画面がかすむ。自分の嗚咽で配信者さんの声もきこえない。


なんだよ、いつもはおちゃらけた言葉しか言わない配信者なのに、こんな時ばっかり優しくしやがって。



「ねえ、私、あたし…」



あなたを好きになれたら、(…どんなによかっただろう。)






……それでもまだ彼が好きなのだ。




【Fin】

読んでいただきありがとうございましたプッチン。よければ、ポイント、感想、誤字脱字報告などなどお気軽に頂けたらと思いますプッチン!

次回も読んでいただけたら、嬉しく思いますプッチン~!

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