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【オムニバス】君へ紡ぐための物語  作者: きよたプッチン
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決して交わらない二つの世界(配信者になりたいリスナーの話)

※こちらの文章を書くにあたり、語尾プッチンの省略をお許しくださいプッチン。

※また、こちらのお話はフィクションですプッチン。実在の人物・団体・出来事とは関係ありませんプッチン。

※電車で移動中の際に作成をさせていただきましたため、誤字脱字をお許しくださいプッチン。

※2022年12月1日~7日までの更新となりますプッチン。


*お気軽に、ポイント、感想などなどお待ちしておりますプッチン*

あなたに伝わっていますか?

…伝わるわけないか。だって、



【決して交わらない二つの世界】



配信者やゲーム実況者、Vtuberっていうのは、なんだかとってもキラキラしているイメージ。PIKAKINとか、ヨキ。とか、ごじろくじとか、ゴロライブとか。みんなにニコニコしながら楽しそうに笑ってやってる。楽しそうって思うけど、みんななんらかの不安や悩みはそれなりに持っているんだと思う。……おそらくこちらに見せていないだけ。


笑顔で活動出来たらいうことなしなのかもしれないけど、それを生業にしている分、悩みはきっと尽きないのだろう。

何事も、生きているのならばそれが当たり前なのだ。私は性格上、あまり悩むこともなくやってきた。思ったことを素直に述べ、考える前に行動する。そうした結果、今に至るわけだが。


部屋をぐるりと見渡す。あまり広くない畳の部屋。不釣り合いなパソコンと、テレビ台にはテレビが乗っている。乱雑に置かれたゲーム機とゲームソフト。おしりが痛くならないための座布団もあり、近くの机にはPC用のマイクもある。


自分でまずは考えてみる。どんな配信にしようかな。なんのゲームをしようかな。


そう、私は配信者になりたいのである。

知っている配信者から知恵を得ようと少しだけ考えてみる。私の知っている配信者は、飽きもせずにモンスターファンターの配信を一年以上続けている。しかも、最新作ではない。確か、5年前くらいの古いもの。飽きもせずに毎日毎日、同じ時間に配信をしているのだ。

まあ…たまにデッドバイペイペイギリシャに浮気をしているようだけど。好きなゲームを好きなだけ配信できるのは大きいよね。



目の前にあるパソコンを見つめる。



目の前のパソコンとほぼゼロ距離でじっとみる。こんな四角いモニターをこちょこちょするだけで配信なんてのができるものなのか。ふーん、と少し得意げに『やるじゃん、あんた』とだけほめてみる。パソコンも部屋の電気を浴びてなんだか得意げだ。

さて、そういえば、近々引っ越しがあるので、部屋はとっちらかっている。古めのパソコンは配信を始めるとおーびーえす?っていうのが悲鳴をあげるらしい。配信をしたことがないので、おーびーえすっていうのがよくわからない。昔、映画で見たおびわんなんちゃらなら知ってるけど。


先ほどとは打って変わって、訝しげにパソコンを見つめた。



『おーい!もう少しがんばれー!』



叩くと壊れてしまいそうパソコンは返事もしない。ま、電源も入ってないしね。何より古いパソコンだ。引っ越してから新しいパソコンを買うことにしよう。

ふんふんと部屋を散策するように立ち上がるが、ところどころに段ボールがあるために歩くのを辞めた。荷物をまとめるのは不得意なのだろう。ため息もでる。


それではと、部屋を見渡すことにした。テレビの前に置かれたゲームソフト。そういえば、どんなゲームを配信しようか悩んでたんだっけ。乱雑に積まれたゲームソフトを上から読み上げていくかな!



『モンスターファンター…。エンダー倫理…。ぶよぶよ…。屋台爆発…。』



うーん、あんまりいいゲームはないみたい。


やってみたら面白いのかもしれないけど、どちらかといえば、ワイワイできる参加型っていうのを経験したい。そういえば、配信をしてみたいと感じてから、知っている配信者の配信にコメントを残そうとしたことはある。本気を出せばコメントもできたのかもしれないけど、本気を出せなかったらしい。コメントは、できなかった。なんだかああいうのはどうも気恥ずかしい。……照れ、というやつかもね。


それから、ゲームソフトの周りに置かれたゲーム機。あぁ!これは夏祭りに当てたやつだったっけ。懐かしい。とてもとても喜んでいて、いつまでも遊んでいたっけ。ご飯だ、と呼んでも遊んでいて、あまりのやりすぎで目を悪くしたらしい眼鏡をかけるはめになってしまった。限度というものを知らないのだから。


それから、何かに反応したのかパソコンが立ち上がる。パソコンの画面には、配信画面が移りだす。この背景も、このイラストも、全部リスナーさんから貰ったもの。



……もし、私が配信者だったら、このゲーム機で配信していたのかな。ゲームソフトも、パソコンも、買ってあげられたのかもしれない。こんな古いパソコンじゃなくて。もっといいものを。



そんな風に感傷に浸っていたら、ぴしゃりと突然襖があいて彼がはいってきた。私が知っている配信者だ。彼は私に気づかずにパソコンの前に座り、ゲーム機とテレビの電源をつける。パソコンは既に立ち上がっていたのには首を傾げていたが、特に気にする様子はなかった。



時刻は、19時30分。



ああ、もうすぐだ。もうすぐ、この子の配信が始まる。私の配信じゃない。この子の。私の目の前に座るこの子を見て、笑う。いつでも大きな声が出せて、たくさん笑って、ずっと元気で。リスナーにも愛されて、相方からも信用されている。そんなこの子をみて、とても誇らしい。



『「はーい!今日も配信はじめるよー!」』



彼の背後に座って同じタイミングで話し出す。気にもとめない。とめられない。それもそのはず、



『……ま、私死んでるから配信できないんだけどね』



さて、取り憑いている息子の後ろで今日も配信者気分を味わってやろうかな!



「ヘックション!!!…な、なんか寒い…。風邪でもひいたかな…」



おっと、冷気出すぎちゃった!



【Fin】

読んでいただきありがとうございましたプッチン。よければ、ポイント、感想、誤字脱字報告などなどお気軽に頂けたらと思いますプッチン!

次回も読んでいただけたら、嬉しく思いますプッチン~!

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