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ヴァンパイア・ノワール (スピンオフ)プロパガンダアニメウサギのウサオ 悪人オオムラをやっつけろ

作者: ビビケ

※この作品は、「ヴァンパイア・ノワール第1章 愛した人間編」のネタバレは含まれています。


とある部屋。


その部屋はまるで子供の部屋のように積み木や熊の人形などのおもちゃが部屋の至る所に散らかっている。


そして、何故か子供が好きそうな愉快な音楽が流れている。


その部屋の丁度真ん中にある椅子に腰をかけているのは、黒の軍服姿で、黒のネクタイをしめ、胸には黄金の輝きを放っている勲章を着けた20代前半ぐらいの女の将校。


その将校の髪はロングで、まるでブドウのように紫である。


そして、その将校の目はまるでルビーのように真っ赤である。


その将校は目線の先にあるカメラに向かって満面の笑みを浮かべながら、手を大きく振っている。


「みんな、エリ少尉お姉さんだよ。今日もいらっしゃい。ウサギのウサオの時間だよ」


エリ少尉は振っていた手を下に下ろすと、椅子の下に置いてあるペラカードのような物を手に取り、それをカメラに向かって見せる。


そのペラカードには何故か大村陸の顔写真が付けられている。


そして、エリ少尉は笑みを浮かべたまま、視聴者の子供達に向かってこう語り始める。


「みんなはこの人知ってるかな? この人は大村陸君って言って、とっても悪い人なの」


そして、何故か、悪意ある笑みを浮かべながら、紫の鎖を辺りに振り回し、人々を傷つけている誇張された陸のイラストが浮かんでくる。


「この人は、このお国の大切な大切な物を奪い取っての。しかも、その大切な物を取り返そうとした偉い兵隊さんを何人も傷つけたの」


そして、エリ少尉は突然笑みを浮かべたまま、片手を真上に上げる。


「みんな~、大村陸君が嫌いな人手挙げて!はい~!」


そして、しらばくすると、エリ少尉は何故かその場で何度も頷く。


「うんうん、そうだよね。皆が大好きな兵隊さんを傷つける大村君なんて大嫌いだよね。だから今日のウサギのウサオのお話は、そんな皆が大嫌いな大村陸君をウサオ君がやっつけるの。さあ、みんな、最後まで楽しんでね」


そして、風景はだんだんと黒くなり、画面は移り変わる。


風景は青く、タイトルコールのようだ。


タイトル「ウサギのウサオ 悪人オオムラをやっつけろ!」


そして、供染みたアニメーションで、とある町が写し出される。


そのアニメにも何故か子供は好きそうな愉快な音楽が流れている。


そして、その町の丁度真ん中にある緑の自然が生い茂った公園。


その公園の丁度真ん中にある青いベンチに、青いTシャツを着て、二本足で歩く、ネズミ色の毛色をしたウサギが腰をかけている。


そして、そのウサギはにこやかな笑みを浮かべながら一人で歌い始める。


「僕の名前はウサギのウサオ♪ 僕の好きな人は、立派な兵隊さん♪

僕の嫌いな人は、バカなオオムラ♪」


そして、ウサオは一人で歌っていると、その歌声に釣られて、ウサオの目の前に、二匹のウサギはやってくる。


その二匹のうち一匹はウサオよりも遥かに背かけが高く、筋肉質で、真っ白のランニング姿。ちなみに、そのウサギの毛色はまるで猿のように茶色である。


もう一匹のウサギは子だらで、ピンクのワンピースを着た女の子。ちなみにそのウサギの毛色はまるで雪のように真っ白で、長い耳にはピンクのリボンを着けている。


「おい、ウサオ元気か?」


「ウサオ君」


ウサオは二人に気づくと、笑みを浮かべながらこう答える。


「ウサ吉、ウサミちゃん。僕はついも通り元気だよ」


「ウサオ、そんな事よりも、早くウサウサ博物館に行こうぜ!」


「そうよ、早く一緒に行きましょ」


ウサオはそれを耳にしたも、二人の話はよく分からないようで、頭の中が❓マーク。


「どうしたの? ウサウサ博物館に何かあるの?」


それを耳にしたウサ吉は大きく口を開けて答える。


「何かあるからお前を誘っているんだろ。実はウサウサ博物館で、新しく発見された人間の化石が展示されているんだ。だから早く見に行こうぜ」


それを聞いたウサオはなんだか心がウキウキし始めたようで、体が横に揺れ始め、喜びの気持ちを表す。


「え? ウサウサ博物館に、ニュースでよく言ってたあの人間の化石が展示されているの?」


そして、ウサオは喜びのあまり突然立ち上がり、こう口にする。


「行くよ! 行きたいよ! 皆、早くウサウサ博物館に行こうよ」


「そうだね、私達3人で早く行きましょ」


そして、ウサオ達3人は博物館に行くために、走り出す。


そして、ウサオ達が通り掛かる公園の芝生には、目付きが悪く、灰色の毛色をした狼の顔写真が付いている手配書が落ちいている。


その手配書には、赤字で「指名手配犯 オオムラ」と記載されている。


そして、その落ちている手配は、陸達が走り抜けた事により、強く踏みつけられてしまう。


そして、時間は流れ。


ウサウサ博物館の館内。


館内では、恐竜の化石やキラキラと輝いている青い宝石などが展示されていて、大勢のウサギが訪れ、とても賑わっている。


ウサオとウサ吉とウサミは歩きながら、辺りをキョロキョロと見渡し、お目当ての人間の化石を探している。


「ウサオ君、ウサ吉君、人間の化石どこにあるかな?」


そして、ウサオ達の目線の先に、ガラスケースに入っている見た目は何の変哲もない石のような物が展示されている。


そして、ウサオ達3人はその石を見つけると、笑みを浮かべながらいち早く石の目の前まで駆け寄り始める。


「皆、あそこに人間の化石はあるわ」


そして、ウサオ達はその人間の化石の目の前にたどり着く。


その人間の化石の目の前には、黒のタクシードを着た年を取ったウサギが突っ立っている。


「君達、もしかしてこの人間の化石は気になるのかい?」


「はい、館長。僕達はこの化石目的で、このウサウサ博物館に来ました。だから、館長、この化石の事色々と教えてください」


そして、館長はそのウサオの質問に対して、にこやかな笑みを浮かべながら答える。


「いいとも。この化石は・・・」


そして、そのウサオ達が居る真後ろにある大きな大きな恐竜の模型。


その恐竜の模型の真後ろに居る指名手配犯のオオカミ。そのオオカミが着ている青いTシャツをよく見ると、赤字で「オオムラ」と記載されている。


そこからオオムラは真っ赤な大きなベロを出しながら、目線の先に居るウサオ達を鋭い真っ赤な眼光でじっと見つめ、何かを企んでいるようだ。その証拠に、オオムラは突然大きく鋭い真っ白な牙を出しながら、ゲラゲラと笑い出す。


そして、何も知らないウサオ達は目の前に展示されている人間の化石にすっかりとりこにされ、まるで宝石のように目をキラキラとさせている。


そして、ウサオ達の目の前に居る館長は親切に化石の説明を続けていた。


「この化石は第2発掘団はウサウサ山・・・」


その時、突然まるでブドウのように紫の鎖が真後ろから、館長ウサギの頭部目掛けて飛んでくる。


そして、館長ウサギは話に夢中になっているため、後ろから迫ってきている鎖の存在にまったく気づいてないようだ。


その時、ウサオは後ろから迫ってきている気配に瞬時に感づき、咄嗟に館長ウサギの肩を押し倒し、一緒に地面に倒れる。


「館長、危ない!」


そして、館長ウサギとウサオは間一髪地面に倒れ込んだため、鎖に激突する事はなかった。


しかし、鎖は勢いを弱める事を知れず、人間の化石が展示されているガラスケースに激突してしまう。そして、そのあまりの衝撃で、ガラスケースはべきべきに割れ、細かい破片と化石が宙に舞う。


そして、その宙に舞い上がった化石はゆっくりとオオムラの方に落ち行く。


そして、オオムラは、こちらに落下してくる化石を片手で受け止め、大きな鋭い牙を出しながら、ゲラゲラと笑い出す。


「グハハハハァ! この人間の化石は俺様が頂いてやる」


ウサオ達は、そんな非道なオオムラの姿を目にし、その場で憎悪を覚え始める。


地面に倒れたウサオは、そんな非道なオオムラに対し、こう口にする。


「お前はオオムラ!」


館内に居る他の観客は、突然指名手配犯のオオムラが現れた事に対して、生々しい悲鳴を上げながら館内を逃げ回る。


「悪人オオムラが現れたぞ!」


「逃げろ!」


そして、ウサミは無謀にも、目線の先に居るオオムラに向かって、怒りで顔色を真っ赤にしながら走り出す。


「この人間の化石はウサウサ博物館の物よ。だから早く返して」


「ウサミちゃん危ない」


その時、オオムラはゲラゲラと笑いながら、片手の手のひらから瞬間的に、まるでブドウのように紫で艶があり、自分の背かけよりも長い鎖を生やす。


「グハハハァ! バカなウサガキめ! 俺様に勝てると思っているのか?」


そして、非道なオオムラは、こちらに向かって走り出しているウサミに向かって容赦などせずに勢いよく己の鎖を振る。


「ウサミちゃん、逃げて!」


そして、ウサミはやっとこちらに迫ってきている鎖の存在に気づく。しかし、ウサミは気づくのは遅すぎたため、目を見開いたまま、回避する事はできない。


その時、間一髪ウサ吉はウサミの前まで走り込み、こちらに迫ってきている鎖をなんと強靭な素手で掴み取る。


ウサ吉は全身の血管をむき出しにして、力を込め、その鎖をまったく離そうとしない


「ウサオ、今だ! オオムラから化石を取り返せ」


ウサオはその場で頷く。


「分かったよ」


そして、ウサオは両足を強く踏み込み、己のジャンプ力で、何メートルも前に高く飛ぶ。


そして、ウサオの先で待ち受けているオオムラは己の手の鋭い爪を前に出し、ニヤリと不気味な笑みを浮かべている。


「来るなら来い。俺様の素晴らしい爪でお前をズタズタに切り裂いてやる」


一方、オオムラの紫の鎖を手にしているウサ吉は目線の先にある真っ白な柱を目にして、何かを企んだようだ。


そして、ウサ吉は、その柱の前まで行くと、柱の回りをぐるぐると何度も走り回って、手にしている鎖を柱に巻き付ける。


そして、宙を舞っているウサオは足を前に出しながら、目線の先に居る狂暴なオオムラに飛びかかる。


「オオムラ! そんな悪い人は僕がやっつけてやる!」


「バカめ!」


そして、オオムラは己の鋭い銀の爪で、目線の先に居るウサオに向かって振り落とす。


しかし、オオムラは爪を振り落とす前に、目線の先の宙に舞っているウサオに、己の灰色の毛に覆われた手を勢いよく飛び蹴られてしまう。


そして、オオムラは何も声には出さないが、腕に大きな大きなまるでトマトのように真っ赤なたんこぶができてしまう。


そして、オオムラはなんとなく出口がある方向を見つめる。


その出口には、迷彩柄の真っ黒な軍服姿で、アサルトライフルなどで武装した6、7匹のウサギの兵隊が現れていた。


オオムラはその光景を目にし、驚きのあまり真っ赤な両目がまんで何かのギャグ漫画のように飛び出してしまう。


「兵隊だと?! 誰は通報しやがった!」


そして、オオムラは、突然現れた兵隊達は怖く怖くたまらないようで、その場から尻尾を巻いて、逃げ出そうとする。


しかし、オオムラは今すぐにでもその場から逃げ出したいが、己の鎖をウサ吉により、柱にぐるぐる巻きにされたため、逃げ出す事はできない。


そして、オトムラはこの場からいち早く逃げるために、柱に巻き付けられた鎖を外すために、顔色が真っ赤になってしまうぐらい力をめいいっぱい込め、鎖を引っ張る。


そして、鎖は巻き付いている柱には圧力がかかり、少しずつヒビが柱に刻み込まれ、徐々に鎖は巻き付いている柱から離れ始める。


しかし、オオムラはあまりにも力を入れすぎたため、柱は耐えきれずまるで岩が砕けるような轟音を響かせながら、オオムラの方向に倒れてくる。


オオムラはこちらに向かって落ちてくる柱を目にして、また、あまりの驚きで両目がまるで何かのギャグ漫画のように飛び出してしまう。


そして、オオムラは逃げる間もなく、あっという間に柱に押し潰されてしまう。


そして、オオムラが手にしていた人間の化石が宙に舞い、ウサオが居る方向に落ちてくる。


そして、ウサオはこちらに落下してくる化石を片手で受け止める。


「よし、悪人オオムラを倒したぞ! 皆、大丈夫?」


ウサオの友達と館長ウサギは対したケガはしてないようで、ゆっくりと立ち上げる。


ウサオの友達と館長は何故か笑みを浮かべている。どうやら3人は、悪人であるオオムラは倒された事は嬉しいようだ。


「私は大丈夫だよ」


「俺も大丈夫だ。ウサオ、後は兵隊さん達に任せて、人間の化石をあった場所に返してやれ」


ウサオは笑みを浮かべながら、その場で頷く。


「分かったよ」


そして、ウサオは手にしている化石を、割れてしまったガラスケースの中に戻す。


すると、また、子供は好きそうな愉快な音楽が流れ始める。


そして、画面は徐々に真っ赤になり、「おしまい」と表示される。


そして、また、画面は積み木や熊のぬいぐるみなどが散らかっている子供部屋が写し出される。


その部屋の丁度真ん中の椅子に腰をかけているエリ少尉。


エリ少尉は手にしている陸の顔写真が付けられたペラカードをこの場で破り捨てる。


すると、エリ少尉は突然笑みを浮かべながら、何度も手のひらを叩き始める。


「いやー、悪人の大村陸君がウサオ君にやっつけられて良かったね」


そして、エリ少尉は突然その場で片手を高く上に挙げる。


「じゃあ、今日のウサギのウサオ楽しかった人手挙げて! はい~!」


そして、また、子供は好きそうな優雅な音楽が流れ始める。


「今日はもうおしまい。皆、また見に来てね。それじゃあ、またね。バイバイ~」


そう言うと、エリ少尉は目線の先のカメラに向かって片手を大きく上に振り始める。


そして、画面は少しずつ暗くなり始める。


そして、画面には、白字で「日本総軍幼児教育委員会」と表示される。







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