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5.蜘蛛の乙女は、空の下を駆ける!

 今回ご紹介するバルーンアートは、アルケニー(アラクネ)の美人──、小説『蜘蛛の意吐』のヒロインです。


 名前はゼラ。赤紫の花の色の瞳に由来します。


       挿絵(By みてみん)


 ****


【再現ドラマ】とある製作者と小説家の対話


 作者NOMAR様[ ()()()()()()()()()を見た後]


 ↓

 N ̄ O ̄)ノ___「つぎののおっぱいは、

もっと大きくしてください」


                K John・Smith

               ↙︎

 N  ̄ v ̄)____冫(° o ° ;K 

         「 ⁉︎ は、はい。胸を大きく、と」


 N ̄ O ̄)シ __

「目はもっと大きく、少女マンガみたいにキラキラさせて。ニッコリ笑顔でむふん」


 N ̄ O ̄))┘ぐッ __

「そして、おっぱいを大きくしてください(天下一!)」


    :⚡︎:ビビッ

          [ 開眼せり!]

 _____ _ (° 言 °〃K

「── 二回言った!!」


「そうか、作家がヒロインに込めた想いとは ⁉︎」




 ******

「なろう小説」ヒロインの、オリジナル・バルーンアートはいかにして完成したか?

 ******


■ はじめてのファンアート

『アルケニーのゼラ』とはどんなキャラクターで、どこにひかれて、どうしてファンアートにしたのか。


 最初に小説「蜘蛛の意吐」とそのヒロインを紹介します。


蜘蛛の意吐いと〜 あなたの為ならドラゴンも食い殺すの 〜

https://ncode.syosetu.com/n4757eu/

 

 この小説は書籍化作品ではありません。

 ジャンル異世界恋愛の中で、知名度は低い方だと思いますが(…悪役令嬢と婚約破棄が上位席巻⁉︎)、連載中、一定の人気と評価を集めて『今月の一冊(第66回)』に取り上げられていました。


 私が読み始めたのは連載途中からでしたが、アルケニーのヒロインを珍しく思いました。



       挿絵(By みてみん)

(以下ネタバレあり)


 作者・NOMAR様が描いた「アルケニー」は、そのこけ定石。元気で陽射しの似合うキャラクターでした。


 アルケニー(アラクネ)といえば、美しい女の上半身が、怪物的な大蜘蛛のからだと合わさった魔物です。

 イメージは悪と闇。

 キャラクターはたいてい、妖艶な毒婦や冷酷な悪女で、ときに人食いです。狡猾で残忍で、糸罠や毒を巧みにつかう危険な相手に描かれてきました。


 では、小説「蜘蛛の意吐」は?


 ── 初登場は白昼堂々、街中の教会でした。

 いきなり全裸でステンドグラスをぶち破り、後先考えず、結婚式場から新郎をさらってゆくなんて。


 そんな蜘蛛の、ありえない(笑)


 妖しい笑みをうかべた残酷な魔性?

 いいえ、純愛無双のターザン少女です。

[ 空から落ちてきた少女 ]からはじまる物語は多くとも、婚約破棄ならぬ、結婚式襲撃からの開幕。


 いきなりクライマックスの勢いです。



 裸のアルケニー娘は陽射しの下、八艘飛びに街の屋根上を跳び、領都を駆けます。おびただしい目撃者たちの大騒ぎなど、知ったことなし。

 一方、だきかかえられた青年(新郎)といえば、魔獣討伐で名の知れた騎士。かれはかれで、伝説の魔獣に掻っ攫われるという異常事態に混乱しつつ、なぜか『奇妙な既視感』に襲われます。


 無茶と無謀の片想い、拉致から始めた逃避行(デート⁉️)はどうなるのか ──

 目が離せないでしょう?



 ◇◇◇◇



 アルケニーのゼラの物語は、本編の終幕に明るく華やかな大団円を迎えました。無鉄砲な蜘蛛の娘は、そのとき「聖獣」と呼ばれて人間社会で広く尊崇される存在でした。

 

 ── しかし、私にとって『アルケニーのゼラ』というキャラクターは野生の少女。陽射しの下を駆け、屋根を翔ぶイメージと共にあります。



 ****



■ 第1のゼラ(サプライズ!の試作品)


 作者NOMAR様を驚かせるべくつくった、初のファンアートです。


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


 ──スレンダーで真剣な目、真顔。冒頭の人形とだいぶちがう感じがします。これは製作した自分がいだいた、スポーティなイメージ、『疾走感』によるものでした。

 制作時期は、本編の連載途中です。


       挿絵(By みてみん)


 丸風船は、氷や水の球体を操る魔法をイメージしています。



 サプライズ!

 作者NOMAR様へ、意気揚々とこれらの写真を披露しましたが、結論を言えば、作者のイメージを逸脱していました(汗)



■ファンアートにしたきっかけ

 時を戻して。

 バルーンアート化のきっかけにふれます。加瀬優妃 様です。


 NOMAR様の活動報告で出会った『なろう』の大先輩 、アルケニーのゼラのイラストを描いていた『蜘蛛の意吐』のファンアートの先駆者(?)でした。


 ある時、提案されたのでした。


✳︎ バルーンアートのゼラ(写真)を、作者 NOMAR様へサプライズプレゼント !



 ── はぁ?

 と、いうのが最初の気持ちでした。


 バルーンアートでファンアート?

 まったくそんな発想はなく、言われてもピンと来なかったのです。バルーンアートと「なろう」は、わたしの中では完全に別の趣味。ましてや、なろう小説のキャラクターの『立体造形ファンアート』…… 見たことも聞いたこともありませんでした。


(( キャラクターのファンアート=イラストでしょう? ))


       挿絵(By みてみん)


 ちなみにこちらが先行の↑ ファンアート。

「アルケニーのゼラ」のサンタコスチューム(加瀬優妃)です!


 その後、おもしろそうだ、と。アルケニー娘のファンアートに着手しました。どことなく、イラスト似に仕上がり… 披露した結果は、本文冒頭。

 作者から「ちがぁう(意訳)」、もっと○○○○!とリクエストが、、、



■リクエストを受けた、第二のゼラ

「アルケニーのゼラ」はこれまでに十点以上つくりました。しかし、実のところ、第二作目が代表作です。


 NOMAR様のリクエストを受けた直後で── 小説イメージに準じた表情、プロポーション、ポーズ、衣装(…の少なさ)などなど。完成サイズも程よく、以降の作品の祖型になりました。


 ──再確認です。


       挿絵(By みてみん)


 N ̄ O ̄)ノ「この娘のおっぱいを、もっと大きくしてください」


     [一番目のゼラ]⤵︎

             [二番目のゼラ]


       挿絵(By みてみん)


── ご覧下さい! 作者、NOMAR様からの要請に応えた【至上最胸】の巨峰を! 胸影の大きさ、闇の濃さが違います。

(と、いうか。お腹がみえない)


── 大きな瞳は、星シールやラメ入りのグリッターグルーでキラキラ!


── ボリュームアップした黒髪は、丸いシルエットにととのえて(アフロではない)、とにかく丸い輪郭。ほわっ、と、笑み(スマイル)!

( じつは髪が命? ボリュームが無いとイメージがかわる…? )



      ◇ ♢ ♢ ♢ ◇ ♢ ♢ ♢ ◇ ♢ ♢ ♢ ◇ ♢ ♢ ♢ ◇



       挿絵(By みてみん)


 すらりとした蜘蛛脚(なまめかしい?)にご注目を。

 バージョン2とも言えるゼラは、じつは、この写真のようにはじめは黒い脚でした。

 バルーンの黒はほぼ単一です。蜘蛛の胴の黒、脚の黒、そして黒髪が重なると『かたまり』に見えてしまいます。そこで、長い蜘蛛脚を原作設定にない青や紫系にしたのが以下──、


       挿絵(By みてみん)


 紫の脚はいわば『バージョン2.5』。アルケニーのゼラの二作目は、これをもって完成品としました。

… 実のところ『バージョン2』から『2.5』の変更箇所はほかにも有り。ボリュームある髪の毛は、黒一色を止めて濃茶を少し混ぜてみています。さらに、、、


 ◇ビフォー◇

       挿絵(By みてみん)


 ◇アフター◇

       挿絵(By みてみん)


── お分かりでしょうか。より一層、せり出た胸!

 大概だった胸囲は『バージョン2』から『2.5』で、さらにさらにアップグレード !


       挿絵(By みてみん)

【再度掲載】なお、このポーズ──上半身の片手を上げた「しゅぴっ‼︎」── は、作中の得意のあいさつです。


 蜘蛛体の脚が前一本、欠けているのも、アルケニーのヒロイン・ゼラの小説内設定。過去にまつわる重要なポイントです。

 小説で「一本ない」とされていましたが、バルーンアートは欠損が目につくよう、脚関節の途中で絶たれたかたちにしました。



 ****



── 今回の記事は、はじめて「なろう小説」のファンアートを取り上げました。しかも、はしめてバルーンアート化したキャラクターです。


 前回のバルーンアートの『鬼』は、既存の漫画、アニメやイラストのイメージを思うままにアレンジしましたが、これは作者(キャラクターの創作者)の言葉を聞き、大切なキャラクターを形にするものでした。


 初の取り組みでしたが、さいわいなことに作者NOMAR様とのやりとりは楽しく。「アルケニーのゼラ」の明るくパワルルなイメージは、かたちにしていて達成感がありました。


 はじめの一体から早、三年目。

 途中、変わりダネをつくるうち『ハロウィンファッション= 蜘蛛の魔女』が誕生。ボランティアで関わりのあった仮装イベントの会場や、ハロウィンシーズンの文化施設の玄関ホールに置かせてもらえました。

 堂々、一般公開です。大勢の目に触れました。


 ◇写真◇蜘蛛魔女のゼラ


       挿絵(By みてみん)


(……2020年は残念ながら、ハロウィンに限らず関わりのあったイベントの中止、施設の閉館が相次ぎ、機会を失いました)



****



 また、原作者のNOMAR様との間に、意外な出来事も生じました。小説とバルーンアートが刺激し合い、互いに新作を生む展開です。原作者のNOMAR様は『創作スパイラル』と名付けて、エッセイを記しました。


『私の書いた小説の? ヒロインが?  某施設のリアル受付嬢になりました? 』(https://ncode.syosetu.com/n0161ft/)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)



 ファンアート『アルケニーのゼラ』。その三作目以降のバルーンアートや関係するエピソードは、いずれ詳しくご紹介したいと思います。


 

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