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15. バルーンアートCARP、今年の子どもの日はシマシマです。



       挿絵(By みてみん)


 ── 〈参考〉昨年の「鯉のぼり」作品。


 まとまった数のバルーンアート製作は、久しぶりでした。

 


 ♪♪ 五月五日の背比べ ─── でおなじみの「子どもの日」。


 今回のバルーンアートは「鯉(鯉のぼり)」です。

── 鯉、ばっかりです。駄弁(裏話?)、豆知識、妄想コメントとともにおおくりします。


 写真を、さっ、と見るだけでもどうぞ。



 ★ ピックアップ!


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


 モチーフがなにか、もうお分かりですね? そうです!





       がうっ!

 トラ‼️   挿絵(By みてみん)

(元旦の作品)


 今年のバルーンアートの鯉の【 うり 】は、虎ジマの鯉 ! そして、子どもの鯉たちです。後者の数は30、いったかどうか。

(写真は撮りましたがカウントしていません)



『虎』の鯉は、自然発想…よくいえば… から生まれた寅年スタイル!


 モンスター っぽくいうと、キメラ『 猛虎鯉タイガーカープ 』。虎とカープのミックスには、野球に関心ないので違和感ございません。


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)

       どことなくジェット旅客機?


       ・♢ ♢ ・ ♢ ♢・


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


     

 虎ジマの鯉── 鯉のぼり。

 ひとにみせて「あゝ」と、納得?されるのは今年だけ。なので、いろいろつくりました。

       

       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)

 ……命名「 トラジマ・クジラ?」。


 ウルトラ怪獣に「ガマクジラ」ッて、いましたね。

 邪道すぎた 『バルーンアート鯉のぼり』、鯉の面影がなくなりすぎ、上陸しそうな前ヒレです。

 しかし、これでもしっかりと「鯉のぼり」として飾られました。




   **○**




 では、ここで確認のため、正道、正統な「鯉のぼり」の雑学をお送りします。

(このあと、まだ写真あります)



『鯉のぼり』は、江戸時代に町人たちがはじめた風習だそうです。

 端午の節句は、古くは菖蒲やヨモギを軒先につるして邪気を払いましたが江戸時代、武家が菖蒲(しょうぶ)尚武しょうぶとゴロ合わせして、玄関前に武家飾り(旗差し物や甲冑など)を並べ立てることが流行しました。

 鯉のぼりは、江戸中期以後、武家をマネ(あるいは対抗)して、町人が武者人形や鯉のぼりを立てたのがはじまりらしいです。


 鯉のぽりは、はじめは和紙に手描きでしたが、油紙、綿と破れにくいものへ変わり。1957(昭和32)年から、現在のナイロン製になりました。



五月さつきの鯉の吹き流し

 鯉のぼりにまつわる、言いまわしです。

 口を大きくあけて、腹の中は空。そんな鯉のぼりを指す言葉ですが、意味合いは──


 ①『心がさっぱりとしてわだかまりのない』こと。


 ② 口先だけで『胆力のない』こと。


 ── 良否、真逆です。



 空っぽ、という点で。


 風になびく紙や布の「のぼり」と空気を封じたバルーンアートは、近い仲(屁理屈)。

 いえ、しっぽがのばすのに風力を当てにしない、バルーンアート鯉のぼりは【進化した工作物】といえます!(過言!)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)

 糸と、画鋲ひとつでつった黄鯉



 ★メタリック・カラー


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


 重厚な金属光沢。サイボーグ鯉? 鯉型宇宙船?

  謎の金属生命体(AR□S)?


 いえいえ、何かの作品のファンアートではなく。


 メタルカラー(黒系)のバルーンつくってみただけです。塗装ではなく、あくまでもゴム自体の色合いなので、かたさもふつうのゴム風船なみです。



   **○**



 鯉のぼりの、今日の一般的なセットと色は、


   「真鯉(まごい・黒)」 …父親

   「緋鯉(ひごい・赤)」 …母親

   「子どもの鯉(青)」 ……子供

   「吹き流し(五色)」…… 魔除け ── です。


 最初は真鯉だけで、真鯉と緋鯉(黒、赤)が対になったのは明治時代。青色の鯉が加わったのは昭和からだそうです。



……… 今年のバルーンアートの鯉のぼりは、とくにきっかけなく。4月下旬に思い立って、子どもの日まで数多くつくりました。

 途中、伝統アレ常識コレヤをざっくり調べました。

 しかし、虎ジマ、あるいはカラフル・バルーンアート鯉のぼりをつくる妨げにはならなかったデスね。



       挿絵(By みてみん)

       (点滴スタンド)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)


       挿絵(By みてみん)



 ○ 壁にならんで泳ぐ、バルーンアート鯉のぼりたち。

       挿絵(By みてみん)

 (先頭は虎ジマ)


 とある文化施設の児童フロアのラウンジ…… ここで絵本の読み聞かせイベントが展かれたそうです(親子がいないとき撮影)。



 ・♢ ♢ ・ ♢ ♢・



 今回、5月4日まで、制作を続けていました。


 挿絵(By みてみん)


 挿絵(By みてみん)

 (虎ジマの鯉・ラスト)

       


 ○ カウンターの内側で、なぜか全頭、正面を向いた鯉たち。

 挿絵(By みてみん)


 挿絵(By みてみん)


 児童図書館のカウンターの内側に、糸で吊っています。

 前年に比べて、小ぶりなバルーンアートを数多くつくりましたが、女性スタッフばかりだったり、忙しい施設では、小ぶりな方が場所を選ばず、手早く飾れてよかったようです。





 ここまでご覧いただきありがとうございました。



 ****


 この先は、制作のかたわら拾い集めた鯉の雑学と伝承……… 鯉尽くしということで、よかったらご覧下さい。


○ 鯉という生き物

 鯉は雑食性で、のどの奥の咽頭歯という臼状の歯で、タニシの貝殻やザリガニの甲殻もかみ砕いてしまいます。


 おもな餌は、タニシやカワニナなどの貝類。藻エビや沼エビ、ザリガニなどの甲殻類。トンボやユスリカなどの昆虫の水棲幼虫。ミミズ類。ほかの雑魚やその卵。藻類、動物や植物の死骸など。

 泥中のミネラル分も食べ、水面に落ちた昆虫、熟した柿も食べます。

 …… 要は、水中にあるものはなんでも。


 しかし、鯉には胃がありません。

 

 食道から直接、腸につながっているので、多量の餌があっても食いだめできず。四六時中、餌を探しています。


 天地創造がデザインされたものなら、鯉に関しては、制作部の設計ミスのような…… パワフルな歯も、大きく開く顎ではなく喉にあり。

 消化酵素は食道から分泌されています。



○「コイ」の語源

 コイ(Koi)と言う呼び名は、日本で生まれた呼び方ですが、語源はよくわかりません。列挙すると──


 ① 「小平」の訓読みの「コヒラ」に由来し、鯛と比較して、姿形から付いた、とする説。


 ② 口元に小さなヒゲ(小髭・こひげ)があることから「ゲ」が略されてコイになった、とする説。


 ③ エサを欲する時の様子から、コヒから名付けられたとする説。


 ④ 味がよいために人が「恋い慕うもの」であるから、とする説。


 ⑤ 雌雄相恋して離れないものなので、コヒから出た名、とする説。


 ⑥ 鱗の様子が美しいことから、甲美コミの意味から派生した、とする説。


 ⑦ 身が肥えているところから、コエの意味から派生した、とする説。


 ⑧ 味が他の魚にまさっていることから、コエの意味から派生した、とする説。


 ⑨ 滋味の意味である「コアチ」、または「コトハリ」の反意語から生じた、とする説。


 ⑩ 淡水魚の意味の「クヒノウヲ」を省略した、とする説。


  …… 最もポピュラーなのは、ラブな恋(コヒ」説で、日本書紀に話がさかのぼるようです。



 ◆『日本書紀』第七巻より。

 西暦74年春2月11日、景行天皇(ヤマトタケルの父)が美濃(岐阜)に行幸した時、評判の美女が竹林に隠れてすがたを見せようとしないので、池に「魚」を放して関心を引き。こっそり見にきた美女を、天皇が引きとめて召された、といいます。


 故にこの魚を、”コヒ(恋)”と呼ぶようになったということですが、はたして ??


 **


 日本書紀のこのエピソードは、鯉が、美女に変身した異類婚姻譚。あるいは、美女が池のほとりで男に騙されて夫婦になった、と読むと「羽衣伝説」を彷彿とさせます。


 ちなみにこの美女の名前は「弟姫おとひめ」。


 天皇に、自分は夫婦生活になじめない、と告げて、結局去っています。



○コイの伝承

「鯉のぼり」につながる神話伝承は、中国からもたらされた「登竜門」です。

 

 中国には仙人が鯉に乗って天に昇った話や、「魚美人」という、人間の男と鯉の精の恋愛物語があります。


「登竜門」は、中国王朝の史書「後漢書」に記された話で、舞台の土地は、中国の黄河中流(山西省河津県と陝西(せんせい)省韓城県との間)。「竜門」という急流です。

 その下に集まった鯉は、ほとんどのものはそのままですが、登り切った鯉は天まで上り、竜に身を変じると伝えられます。


 立身出世を難関を「登竜門」と呼ぶ、由来です。


 日本では、滝をさかのぼるすがたをイメージした「鯉の吹き流し」を立て、端午の節句の日。子どもの成長と健康を祝うようになりました。

 しかし、この風習は、登竜門が史書に記されて1,000年以上たってはじまったもので海外では通じません。



 登竜門の「鯉の滝登り」の伝承と、景行天皇の「鯉美人」のエピソードは、およそかけ離れた内容ですが、日本書紀が編纂された時代、鯉から龍が生まれる(生まれ変わる)話は、中国の史書から日本に伝えられていました。。


「龍」は、中国皇帝の権威と力をあらわします。

 日本も、天皇の権威は「龍の剣」──「天叢雲剣あめのむらくものつるぎ」で表されます。


 天皇が竹林を訪れ、池に鯉を放ったことで絶世の美女《弟姫(乙姫)》と夫婦になった逸話……

 鯉の変化へんげと、龍にまつわる神秘的な隠喩があるのかも ??

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 子供の頃、近所の家で飾られた鯉のぼりを見上げたことを思い出しました。 黒・赤・青・橙・緑と5匹も飾られてたんですよー。 そのときと同じく 「ほえー」( ̄O ̄*) と、懐かしい気持ちになりま…
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