10. ハロウィンに蜘蛛の魔女は微笑む
今回のバルーンアートはハロウィンの季節イベントもので、ファンアートで、さらにヒロインの魔女コスチューム!
ハロウィンに蜘蛛の魔女は微笑む
蜘蛛の魔女は、文化施設の受付嬢!
今回紹介するバルーンアートは『アルケニーの魔女』。
…… ハロウィンスタイルの、ファンアートです。
以前から、ボランティアとしてハロウィンのイベントに参加していました。
「メリーさん」の連載記事で挙げた「不思議の国アリス」もハロウィンイベントの制作物でした。
( 背後は、ハロウィンカラーのバルーンアーチ )
別の年の「アナ雪」……屋内会場入口で、レリゴ〜〜♪
(……ちょっと胸が大きすぎた? )
オリジナルの「魔女」…FAを作るより前の時期の作品
( 背後のテントは、子どもバルーン工作教室 )
一方、なろう小説のファンアートを作りはじめると、せっかくなら、大勢の見る場所におきたいと思うようになりました。
しかし、エンターテイメントの蜘蛛、そしてアルケニー(アラクネ)はもっぱら悪役です。一般生活でも、蜘蛛はきらわれものです。ふだん、大勢が目にする場所に半人半獣(半蟲)のバルーンアートを飾ることに違和感をもつ人が、まだ多い──
☆ ヒロインのアルケニー(アラクネ)で名前はゼラ。赤紫の花の色の瞳に由来します。
小説『蜘蛛の意吐〜 あなたの為ならドラゴンも食い殺すの 〜(作者;NOMAR)』 https://ncode.syosetu.com/n4757eu/
しかし、ハロウィンなら話は変わります。
アルケニーの魔女はあまりみかけないモチーフですが、ふつう?のハロウィン魔女より妖しく、蜘蛛の脚をあらわにしたすがたはむしろ個性的で印象的です。なにを作るかも一任されていました。
── 切り替えて作りました、実際いくつも!
飾りました── あちこち、堂々と!!
以下に、バルーンアートのハロウィンのアルケニーの魔女(ヒロインのコスプレ?)、立像の作品の中から、 いくつかのベストワンをご紹介します。
◎ 蜘蛛の魔女は、文化施設の受付嬢!
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これは、もっとも成功したファンアートです。
なにが成功か? といえば、作者に喜ばれたことでです。
展示場所は、市の文化会館の正面玄関(風止まり)でした。
「ここ」を通るのは会館利用者だけなく、となりの図書館にゆく近道として大駐車場から親子連れも。さらにイベントホール……NHKのど自慢大会が収録できるくらい……も併設されていて、演奏会や講演、映画、演劇が催される日は、いろいろな年代の大勢の人が行き来することが ──
「ようこそ! □□市の文化の中心地に!!」
「……え″(だれ?)」
受付アルケニー…… 「交通量」は感じられませんが、ことさら平日に設置作業したのです。
♢ お色直♢
…… 上の写真(展示開始)から一週間後。しおれてきていました。
撮影後、『お色直し』して復活!
しぼんだ末端を取り替えて、見えない背中も直し、壁飾りにバルーンを追加!!
…… うしろの壁のハロウィン・カボチャ(色紙)たち。こころなしか、バルーンハットのアホ毛、もとい、帽子飾りにおののいているかのよう?
『お色直し』の理由は、この翌日、児童(親子)を集めたイベントが隣の建物で予定されていたから。── 大勢のひとの目にふれるなら、きれいな姿にしておきたいわけです。
だって、ファンアートですから。
なお、意外に蜘蛛の下半身(多節の脚)は目立たず、気味悪るがられず。バルーンアートの設置やお色直しの最中、通行人から「かわいい〜」と声があったり、撮影されることがありました。
☆小説ヒロインの「受付嬢」デビューは、作者NOMARさまが取り上げてエッセイを投稿しています。
☆『私の書いた小説の? ヒロインが? 某施設のリアル受付嬢になりました?』
https://ncode.syosetu.com/n0161ft/
作者の親バ ka…… ヒロインへの愛情あふれるコメントをごらんあれ!
* なお、コスプレ?していないアルケニーと、ハロウィン受付嬢のバルーンアートは、まったく別の時期につくった別の作品です。念のため。
◎ もっとも蜘蛛らしくデビューしたアルケニー!
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オレンジ色の髪の “ 跳んだ ” 魔女っ子……… ある年の10月中、キッズルームの子どもたちの目を楽しませました。
背景は児童図書館の書棚です
蜘蛛脚もあらわなアルケニーの魔女、そのサイズは最大級…… 脚を伸ばせば成人男性を超えます。
おかせてもらったのは、とある真新しい複合文化施設の中(受付嬢とは別の市) 。詳細は省きますが、アクシデントがあって完成させたバルーン人形の行き場がなくなり、急遽、この施設を訪れました。
さいわい、突然、このバルーンアートを(文字通り駐車場からもって)訪れたにもかかわらず、引き取ってもらえました。さらに予想しなかった展示を、目の前でスタッフの皆さんがしてくれました。
ボリューム満点!
こちらを見下ろす蜘蛛の魔女、ど迫力!
( … 写真では、肉眼のそれが伝わりにくい!!)
ちょこんと帽子にのったガイコツ。力をためているかのような太い蜘蛛脚…… 魔法を飛ばしそうな上半身のかまえに、オレンジの髪にかくれた笑顔。
アルケニーの魔女のバルーンアートがこれほど「蜘蛛らしい」ポーズで飾られたのは(もしかしたら)日本ではじめてで。もう二度とないかも知れません。
高いところに展示するなら、存在感がなければなりません。それにしても、このサイズです。
いきなり持ち込んだにもかかわらず、その場で、キッズスペースの壁(天井)に吊るしてもらえるとは…… 総じて軽いバルーンアートでも簡単には出来ません。ありがたや。
なお、「この魔女」のオレンジの髪に、生え際から黒がひとすじ、入っているのは。黒髪のヒロインが、カツラでハロウィンの仮装をしているから………というファンアートとしての脳内設定です。
◎ たびたびのハロウィン魔女
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三番目に紹介するのは、ふたつの会場を旅して二度にわたり、ハロウィンイベントをわかせたアルケニーの魔女です。
(ちょっとすまし顔?)
ハロウィン魔女の……とは限りませんが………バルーンアートの立像は意外に長持ちします。
むずかしいポーズをとらせないなら(髪や杖の末端などはしぼみますが)、どうかしたら一月以上。
ただし、 屋内でしずかに展示しているなら、です。
♪ ・♪ ・ ♪
一度目のイベントは、毎年ひらかれるとある施設の祭でした。屋外です。この記事のはじめの方にも、やや古い、ファンアートをはじめる前の祭の作品写真(魔女の立像)を掲載しています。
……… 目立ちませんが、オレンジのスカートから蜘蛛脚が生えています。
「ハロウィン魔女」の立像としては、大きさも標準的で、スカート部分は単純なつくりです。
このとき、バルーンをつかった会場装飾ではなく、バルーンアートの工作教室(講師役)で祭に参加しました。アルケニーの魔女を置いたのは自分たちのテントの前で、背後にみえるオレンジ色の風船は、この後、工作教室につかったツイストバルーンです。
バルーン工作教室をアピールする、看板ムスメ。
── 逆にいえば、アルケニーの魔女はイベントの開催時間だけの飾りでした(当初予定)。メインの工作教室の準備に影響しては本末転倒なので、ヘンに凝っていません。
ところが閉会後、あらためて梱包して ── 引っ越しを。
来場していた関係者から、翌週予定されていたこの地域の仮装行列イベントの飾りに置けないか? と、申し入れがあったからです。
(「わたし」の参加そのものは、先に決まっていました)
翌週、二度目のイベント…… 『地域の子どもたちの、ハロウィンの仮装行列の』。その集合場所の屋内会場に、アルケニーの魔女登場!
魔女とガイコツとのツーショット!
(いずれも開場前の写真撮影)
バルーンアートはとくに痛んでおらず、手直し不要 ── 正直、意外でした。
じつは、この紫髪の立像が置かれたのは、先の記事「満月のほうき魔女」と同じイベントでした。下の写真・右端に見えますね。ほかのバルーンの飾りも、すべて個人制作です。
イベント自体は、ハロウィンの仮装をした子どもたちが班に分かれ、コースに沿って決められた民家や老人施設を訪ね歩く(「Trick or Treat !!」)もの。
── 室内会場では、親子が集まってフェイスペインティングしたり、友だち同士で撮りあったりしていました。
( にぎやかな光景は、顔出しNGなので写真をお見せできません)
「満月のほうき魔女」をことさら力を入れてつくった理由は、二度目の展示になった立像の痛みぐあいが心配だったからでした。
なにしろ一度目のイベントでは、テントの外で外気や外光にさらされて、教室を訪れた子どもにもけっこう触られていたようでした。
そこで、ほうきの魔女をあらためて作ったのですが、結論をいえば心配しすぎでした。顔や手が急にしぼむようなことは無かった…
もっとも、バルーンアートの魔女がふたり(二体)いたおかげで。仮装した子どもたちが記念写真を撮りだしたとき、魔女のまわりが混雑せずにすんだのでした ………
── 完成直後、ツヤ、ハリのあるアルケニーの魔女。黒髪がまったくなく、笑顔が少ない理由は話せば長いです。(エッセイ一本くらい?)
** おまけ その1 **
バルーンアートは壊れやすいものです。
ゴム膜が強い力(内圧)でのばされて張りつめた状態なので、わずかな傷で風船は弾け飛びます。また、強い日差し、絶えずあたる風、極端な乾燥や湿気、大きな寒暖差で極薄の膜は早く痛んで行きます。
とくにツヤツヤは、たちまちおとろえます。
もっとも、バルーンアートの剣は同じ剣同士、はげしくチャンバラできます。バルーンアートは単にもろいのではなく『刺激の内容によって』極端に壊れやすく、押したり曲げたりや衝撃には強い、が、正しいと思います。
例えば、ひとかかえある精緻な置物を高いテーブルから床に落としたとして。バルーンアートとガラス製、金属製……三つのうちどれが一番壊れにくいかといえば、バルーンアートでしょう。
今回、取り上げたようなバルーンアートの立像は、モノへの接触などに気をつけて屋内で展示するなら、一月近くすがたを保つことがあります。
── じつのところ、バルーンアートの立像を自分の手もとにおいて、数週間数ヶ月単位でタフさ?を確かめたことはなく。イベント後に立像を自宅持ち帰った個人や、飾り続けた施設からの伝聞が情報源です。条件はまちまちで、数字もあいまいです。
しかし、以前紹介したクリスマスのサンタ人形(等身大バルーン)の場合。その一つを持ち帰ったひとによると、2月まで飾っておけたそうです。
(サンタクロースをなぜそんな時期まで??)
「たびたびのハロウィン魔女」でことさら心配したのは、人の手でいじられたり、砂やホコリがすき間に入った可能性があったからでした。
逆にいえば、『守り』をかたくすれば、バルーンアートの像は── 相当手荒に扱えます。
自宅から運び出すときの様子です。
見てのとおり、バルーンアートは玄関口いっぱいです。 現地で細かい作業ができないので、完成状態にしました。
この後、強引に外へ出しています。
一体の魔女人形を 90ℓ(120だったかな?)の大判ビニール袋二枚でつつんだのは、ホコリよけと同時に、まわりのものとこすれないようにするため。ドア枠をくぐるとき、けっこう容赦無く、曲げたり押し出したりしました。
バルーン人形は外へ引き出したあと、さらに普通乗用車に強引に詰め込み、ほかのバルーンアートとともに会場へ運びました。
繰り返しますが、バルーンアートの像は「強み」のある刺激に関して、相当手荒に扱えます。
…… もっとも、どんなメーカーのバルーンでもそうではなく、100円均一や量販店の安価な商品の品質は値段相応です。
チャレンジするときは手に入れやすさや予算、目的に合うものを探してください。
参考までに── 連載で使っているバルーンは「センペルテックス」と「クオラテックス」の輸入品です。
**** おまけ その2
ハロウィンの「受付の魔女」の制作途中のすがた!
完成した受付嬢(写真)をみても、正面からではよくわかりませんが「蜘蛛の丸い腹」を持っていました。
わたしのバルーン工作は、巻き付けたり捻ったり、単純な技法の繰り返しです。そして、手をつけたら終わるまで黙々とつくるのみ。
常に一人なので、だれかに手順を相談したり説明することはなく。見せる相手のない設計図、下絵はなし! ノリと勢いで進み、記録もほとんどとっていません。