表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人は一緒にメモを見る  作者: 今泉龍二
28/30

28

 エリは言った。

「ねえ、メモを見せてもらってもいい?」

ユウタは言った。

「うん、いいよ」

エリは言った。

「メモを一緒に見てもらってもいい?」

「うん」

二人は一緒にユウタのメモを見る。


協力キッチン

五枚

○○大変な兄弟

あますか

変な時間が流れるな~

見てたいのにな

一気に

静かに○○してる

すごい速くやらないと

潰して作る

一組だけ

〇〇の上の和菓子

サラミを見てると


 エリは言った。

「サラミを見てると。サラミを見てるとなに?」

ユウタは言った。

「サラミを見てると。サラミを見てる」

エリは言った。

「ユウタはサラミは食べる?」

「サラミを見てる」

「質問に答えてくれない」

「金髪の人がサラミを見てる」

「金髪の人が見てるんだ?金髪の人がサラミを見てるとなに?」

「打ち上げ花火の音がする」

「花火大会が始まった?」

「花火大会が始まっても金髪の人はサラミを見てる」

「なんで?花火の音だけ聞こえて花火が見えないところにいるの?」

「花火が見える所にいる」

「サラミ見てないで打ち上げ花火を見れば?」

「花火は見ないでサラミを見るの続ける」

「なんで花火見ないの?サラミになにがあるの?」

「サラミに…」

「食べるわけでもないの?」

「サラミを見てる」

「サラミを見ててなに?」

「薄切りのサラミになにか持たせたくなる」

「サラミになにを持たせるの?」

「サラミに持たせるのは違うかな」

「いや、サラミになにかを持たせてみよう。サラミになにを持たせる?」

「サラミの右手が熱い」

「右手が熱いの?なにを持ってるの?」

「サラミの右手は熱いかなー」

「右手が熱かったらなにを持ってる?」

「使い捨てカイロじゃないし」

「使い捨てカイロじゃないの?サラミが冷えないように使い捨てカイロを使ってる。でもカイロだと両手じゃない?」

「使い捨てカイロじゃなくて…、なんだろう」

「使い捨てカイロでよくない?」

「サラミはピザの箱の壁に右手を当てててそれで右手が熱いのを金髪の人は想像。ピザの箱が熱い」

「右手に持ってはないね。そしてピザの箱が熱かったら危なくない?あとサラミは勝手に動かないでピザの上にいて欲しい」

「少し冷え性のサラミ」

「そんなサラミいらねー」

とエリは少し冷たく言った。

 二人は一緒にユウタのメモを見る。


急に○○見えた

流す ライト


 エリは言った。

「ライトはどのライト?」

ユウタは言った。

「光か照明か」

エリは言った。

「…どっち?」

「どっちかに決めなくていい」

「どっちかに決めなくていいんだ?」

「うん決めなくていい」

「ふ~ん」

 二人は一緒にユウタのメモを見る。


耳の中の音

着地点

絶対○○な女性

渡した鬼

南やり直し

一枚置いて

一つのを

ブルベリーの木の前を

庭にいる夫婦

嬉しい小粒

バンパー

中に入れる

秋のバス

掘り出す

冒険中の坂

指で○○ものとは別に

パチンコで動いてる玉

白の奥

銀河下

兄に

気付いた夜に

パンで変わる

もうすぐする時すると

長くして

つりたか

やってみたら

亀の小説家の背中

絶対出て来る

予定の半分

ブルー先

大木の影

出荷される

耳が葉書き

それで連れて行く

海での

始めたら()められない 

小四の〇〇の


 エリは言った。

「ユウタまだ存在しない私達の子供が夢に出て来た時に小四って言ってなかった?」

ユウタは言った。

「小四くらいって言ったと思うけど」

エリは言った。

「性別教えて」

「性別は教えない」

「なんで教えてくれないの?」

「知らない方が楽しいよ。当たるかどうかも分からないし」

「子供また夢に出て来た?」

「出て来てない」

「出て来たら教えてね」

「うん、分かった」

 二人は一緒にユウタのメモを見る。


モップ持って

(らく)

薔薇(ばら)の写真

背骨いい

エプロンからどける 

はためく長い紫色

空の上でくれた

くたくたの

(した)好き 

市場(いちば)にある

流されると

いい潰し方

菊かな

畳まれてる

言ってきた

なにか珍しい○○を

塩選ぶ

野菜を食べたい大人

時々入れる

苦労から

○○落としたセロテープ

神奈川県

ブラボーが

(たい)ハム 

冷凍された魚

打つ

べろんから

せんべいが割れて

ゆったり待つ

そこにこだわってる

足掻いてて

タイヤの跡で

気軽にいける

一人で考えた

一所懸命使ってる

公園の周りの木

音楽が鳴り始める

押さえてる

勇気ある○○に

いじでた

もらったよ

人とは違う○○

白近く

明後日(あさって)石鹸

金曜日から月曜日まで

それが流れだ

決まってる所に

下げたら

レンガの上で分かる

金字塔

噛むけど

○○をセットしてる

流れてみないとな

久しぶりに次々

この町での

鱗が重なってる

冷え冷えのをされると

夏に見る○○

一度にたくさんの

背景

嫌なんだよね

考えてるよりずっと不安

第二世代

間にチェック

確実にアップ

クマ月見蕎麦

202番

ねぎを持ってる

また隙間に

シンプルに枕

ドンという音で

18分

 

 エリは言った。

「メモが終わった。もうないの?」

ユウタは言った。

「終わったね。もうない」

エリは言った。

「メモを取るの()めたの?」

「いや、止めてないよ」

「それを見せて」

「それはまだ見せない。ある程度たまったらまたメモを見せるよ」

「すぐメモを見たいんだけど」

「それは見せない。たまったらね」

「どのくらい待てばいい?」

「分からない。メモ取る言葉を思い付きにくくなってるから」

「思い付きにくくなってるんだ?なにか理由がある?」

「なんだろうよく分からない」

「精神状態が良くないの?」

「精神状態は少し良くないけど、それと思い付きにくくなるのは別だと思うけど。薬が増えると思い付きにくくなるかもしれないけど」

「薬が増えると思い付きにくくなるの?」

「薬によってはそうだと思う」

「そうなんだ?」

「うん、経験上そう」

「そうなんだ?今メモとりたい言葉思い付かない?」

「なんだろう……ふとんプリン、ふとんプリンはメモ取るかなー、取るな」

「次は?」

「もう考えない。次にメモ見せる時まで待って」

「う~ん」

「今日はもう止めよう」

「う~ん」

「…」

「ユウタが思い付きやすくなる方法なんかない?」

「無い」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ