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二人は一緒にメモを見る  作者: 今泉龍二
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 エリは言った。

「ねえ、メモを見せてもらってもいい?」

ユウタは言った。

「うん、いいよ」

エリは言った。

「メモを一緒に見てもらってもいい?」

「うん」

二人は一緒にユウタのメモを見る。


○○と一緒に歩く

ねばねばが直す


 エリは言った。

「ねばねばが直す」

ユウタはエリが話を続ける前に言った。

「ねばねばが直すで考えてもなにも出て来ないと思うよ」

エリは言った。

「じゃあ、()めとこうか」

「うん」

 二人は一緒にユウタのメモを見る。


円ダコ

たっぷリッチ

気付いたら○○する

軸のリズム

ぞろぞろと

ここで待とう

虎缶(とらかん)

届いたら

スープカレー屋の主人

大きいの出て行く

すぐずれる

単位を二つ言う

合う和室

耳たぶと並んで

今日はまだしてない

していたいのに

掃いてるのに

聞けたのをよ

すたさのよ

○○と調整役

パステル肌

こう○○一つ

○○とまずい

それ誰のかな

新刊の

風ワニ

岩の上 髪を固め

ふわふわした手紙

○○達が押さえてる

春知恵

増えてる

早い56才

食する

ためたのをよ

どのくらいの感じで

ミックスナッツの中

でためら

ちゃんぽんで

揃えたら

ホームセンターの後ろに

そこで止まったら

腹痛い金髪の○○

ナスとピーマン

疲れた仲間の

離されて

終わって帽子

撃ったらすぐに

八種類

えんしん

ドーナツの穴の向こうから(しゃべ)


 エリは言った。

「ドーナツの穴の向こうから喋ってるの誰?」

ユウタは言った。

「別に誰が喋っててもいいな」

エリは言った。 

「どうでもよさそうに言わないでよ、喋ってるの誰?」

「三つ葉のクローバー」

「ドーナツの穴の向こうから三つ葉のクローバーが喋ってるの?」

「三つ葉のクローバードーナツ」

「なにそれ、なに言ってるの?」

「店名が三つ葉のクローバードーナツ」

「店名はいいから誰が喋ってるのか考えて」

「分からないなー」

「考えてくれないかなー」

「ドーナツの穴の向こう」

「穴の向こうから誰が喋ってる?」

「スキンヘッドのおっさん」

「スキンヘッドのおじさんがなに喋ってるの?」

「スキンヘッドのおじさんがなにしゃべってるんだろう」 

「ドーナツの穴の向こう」

「ドーナツの穴の向こうから果物の皮のこと喋ってる」

「果物の皮のことって例えばどんな果物?」

「キウイフルーツは皮ごと食べる人もいるって話」

「キウイって皮ごと食べられるの?ユウタは食べたことあるの?」

「皮ごと食べたことない。皮ごと食べられるブドウの皮を食べるのも嫌」

「なんでブドウの皮が嫌なの?」

「なんだろう?あの食べた時の気持ち」

「どんな気持ちになるの?」

「黒板をひっかいた時の音を聞いた時みたいな気持ちになる」

「ぶどうの皮を噛んだからってそんな気持ちになる?」

「一緒じゃないかもしれないけど、でもそれに近いような気持ち」

「そうなんだ?」

 二人は一緒にユウタのメモを見る。


こつこつ書く

幸せな人がしたの

2センチ

柔らかいもの押して


 エリは言った。

「こと?なんで事だけ書いてるの?」

ユウタは言った。

「あまり意味はないと思うけど、気になったんだと思う。次行こう」

エリは言った。

「うん」

 二人は一緒にユウタのメモを見る。


おさめるのに

食べてる

きまえのかな

文句のを

そこのか

暗闇にする

下を見てる

自分ではやらないから分からない

手に持ってた網に

打ち込まれた釘と打ってない釘

細かく見る

蔵の子に

出来てないの

どこまで引っ張って持って行くのか


 エリは言った。

「どこまで引っ張って持って行くのか。なにを引っ張って持って行くの?」

ユウタは言った。

「引っ張って持って行くもの。なんだろう」

エリは言った。

「人が引っ張ってるの?」

「人が引っ張ってるのかなー」

「誰が引っ張ってるの?」

「なにを引っ張ってるんだろう」

「硬い物?」

「ハハッ、硬い物って急になに?」

「引っ張っても壊れない物」

「どうだろう硬い物かなー。(まだら)は関係無いと思うし」

「斑な物ってなんだろう」

「斑は関係無いと思うよ。引っ張るもの。レンガみたいな駄菓子」

「レンガみたいな駄菓子?レンガくらいの大きさの駄菓子?」

「レンガみたいな駄菓子ではないかなあ」

「レンガみたいな駄菓子があるの?」

「それは知らない」

「知らないのかよ」

「なんだろう引っ張るもの」

「レンガが出て来たから赤色が気になる?」

「赤色は気にならない」

「気にならないのか」

(あり)が何匹もでしょうがのチューブを引っ張ってるわけではないし」

「おっ、それちょっと面白そう」

「蟻が色んな薬味を集めてるの」

「薬味を集めてどうするの?」

「それは知らない。エリちゃん考えて」

「えー考えてくれないの?」

「うん、考えない。引っ張ってる物なんだろう」

「蟻の話でいいと思うけどな」

「レタス」

「レタスがなに?」

「レタス一枚になにかのってる」

「レタス一枚になにがのってるの?」

「レタスになにがのってるんだろう」

「なにかの料理?」

「料理かな、なんだろう」

「料理じゃないもの?」

「レタス一枚を人間が両手で引っ張ってる」

「レタスにはなにがのってるの?」

「レタスには段ボール箱がのってる」

「小さい段ボール箱だね。段ボール箱の中にはなにが入ってるの?」

「サメの歯じゃないし」

「なにかの歯が入ってるの?」

「歯かな、どうだろう」

「引っ張ってるレタス一枚の上の段ボール箱の中」

「青」

「青のなにが入ってるの?」

「青は関係無いかな」

「段ボール箱の中に入ってるの何色?」

「十二個」

「十二個なにかが段ボール箱のなかに入ってるの?」

「十二個かなー」

「十二個でいってみよう。十二個なにが入ってるの?」

「十二個タコの吸盤が入ってる、十二種類のタコの吸盤。誕生タコ吸盤」

「タコの吸盤は面白くないけど誕生タコ吸盤は面白い。一月から十二月までの各月にちなむ宝石の誕生石みたいな誕生タコ吸盤でしょ?」

「両手で引っ張ってるレタスの上の段ボール箱の中には誕生タコ吸盤が入ってる」

「タコの種類ごとに吸盤も違うの?」

「それは知らない。おじいちゃんのとこまで引っ張って持って行く」

「おじいちゃん喜ぶ?」

「おじいちゃん喜ばない」




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