14
エリは言った。
「ねえ、メモを見せてもらってもいい?」
ユウタは言った。
「うん、いいよ」
エリは言った。
「一緒にメモを見てもらってもいい?」
「うん」
二人は一緒にユウタのメモを見る。
薬を飲んだ後
逃げる口
ずっとかわいい
空にいくつか
願う木
ぽりぽりニュー
やっぱりすっきりしないなー
やきそば1
そうしたのよ
やっぱりそう思うの
それで間違いない
お店の人にとって
また見るのに
また今度見に来る
そこを直してる
あんこ半分
出来たのに
りんご
頭の上○○なカラス
本ぎりぎり
しっかり
それでして来たのに
ぼんぼん つける
とんかつぶらぶら
皺したのに
親しんだのへ
ごろごろさん
64
○○出来る糸
光が先か
大きな変化
漫画家マン
でんころり
9000回
スーパー○○しばらく
○○の紙ほしい
王当たる
空気おかしい
すぐに行かないから
くれてるのに
大きいの被せます
止められてる
ばたばたと
犬あげ
○○で出来たの
真っ向勝負
抜くのに
写ってるのが
コーヒー向く
注文する
データ アイスクリーム
確かにな
撫で下ろす
○○握るオレンジ
わけわけ
スイカの目に
コトン
残そうとしないと無くなる
ポイントの
ぺらっとの
見違える
おる年に
ハム秋
そう天ぷら
油つい
当たったのに
13接戦
風が吹いて涼しい
けっこう早いな
水あるの
ふた思い
エリア
すでにあるの
立ち並ぶ
ぶれ合わせ
中心の
ミラクル木綿
引きずってる
二点差
こっちのメモ
遅かったのに
コミックス粉山椒
エリは言った。
「なにコミックス粉山椒って?」
ユウタは言った。
「なんだろうコミックス粉山椒って」
エリは言った。
「なに?」
「なんだろう」
「なにか分からないの?」
「なにか分からない」
「なんだったかが思い出せないの?」
「最初からなにか分からずに書いてると思う」
「そうなんだ?じゃあなんなのか考えて」
「コミックスは漫画本」
「それで粉山椒がなんなの?」
「コミックスに粉山椒の小さな袋が挟んである」
「誰が挟んだの?」
「挟んだの誰かなー。コミックスの持ち主じゃ無いと思う」
「なに?コミックスを借りてるの?」
「粉山椒の小さな袋を挟んだのコミックスの持ち主の兄弟かな」
「誰が挟んだの?」
「粉山椒の小さな袋を挟んだの持ち主の妹かなー。コミックスの持ち主はお兄さん」
「妹がお兄さんのコミックスを借りてるんだ?どんな漫画?」
「どんな漫画だろう。それより兄妹の年齢が気になるけど」
「兄妹の年齢はいいから、どんな漫画か考えて」
「妹がお兄さんに借りてる漫画」
「どんな漫画?」
「お兄さんが持ってる漫画」
「どんな漫画?」
「便箋」
「便箋?手紙を書く紙がなに?」
「便箋は関係無いかなー。兄妹揃って汗っかき」
「なに?兄妹揃って汗っかきの漫画?」
「漫画を借りてる妹と、貸してる兄が汗っかき」
「兄妹の話はしなくていいよ。どんな漫画か考えて」
「汗っかきの兄妹が読む漫画。昔の小説を漫画にしたものじゃ駄目?」
「それじゃ駄目。オリジナルの考えて」
「バットが折れる」
「バットが折れるの?野球漫画?」
「バットが折れるけど野球漫画じゃない物」
「バットが折れてどうするの?」
「主人公の父親が木製のバット職人」
「なにそれ?主人公のバットが折れるの?」
「主人公のバットは折れない。バットが折れるのは止める。父親がバット職人なだけ」
「バットは折れたら?主人公のバットじゃなくていいから」
「じゃあ父親が見てる野球中継でバットが折れる」
「そうそう、そんなんでいい。それで全体的にはどんな漫画なの?」
「父親が見てる野球中継でバットが折れて、主人公はリビングから自分の部屋に行く」
「どんな部屋?」
「どんな部屋かは考えない。部屋でなにしてるんだろう」
「部屋でなにしてるの?」
「父親が見てる野球中継でバットが折れて主人公が自分の部屋に行くの関係ないかな。そうじゃなくてバス停」
「バス停に変えた」
「通学のバス停で幼馴染に会う。主人公は高校生」
「主人公は男子なの?女子なの?」
「どっちだろう」
「まだ決まって無いの?」
とエリは少し怒った声で言った。ユウタは言った。
「主人公は男子高校生。幼馴染は野球のホームランバッターの女子高校生」
「女子でもホームラン打てるんだ?」
「漫画だから」
「主人公が父親の跡を継いでバット職人になって、幼馴染の女の子にバットを作ってあげるの?」
「主人公は不器用だから多分バット職人にはなれないよ」
「主人公は器用ってことにしてよ」
「いや、でも主人公は不器用なんだよ」
「変えられないの?」
とエリは少しさみしそうに言った。ユウタは言った。
「変えられない。頭の中でそうなってるから」
「じゃあ、二人はバス停で会ってどうするの?」
「分かんないなー」
「分かんないじゃなくて考えてよ」
「ここで終わっちゃ駄目?」
「ここでは終われない」
「どうするんだろう主人公」
「どうするの?」
「山」
「バス停はどっか行った。山、山がなに」
「山がなんだろう」
「山がなに?」
「山じゃなくて河原」
「次は河原なんだ、河原がなに?」
「男子高校生は河原で人が水切りで石を投げてるのをスピードガンで球速を計ってる」
「そんなことせずにバット作れよ」
「男子高校生にバット作って欲しいんだね」
「そんなことせずにバット職人になって欲しい」
「主人公なにになるんだろう」
「バット職人でいいじゃん」
「この漫画どんな漫画だろう」
「ホームランバッターの幼馴染とは付き合わないの?」
「どうなんだろう」
「主人公は部活とかしてないの?」
「主人公はみそ汁を作るのが好き」
「なんでみそ汁?」
「みそ汁の塩加減をちょうどよくするのが好き」
「そんなの適当でいいじゃん。色んな種類のみそ汁を作るわけではないんだ?」
「色んな種類のみそ汁は作らない。好きなみそ汁が決まってるから」
「ユウタはなんのみそ汁が好きなの?」
「豆腐とわかめのみそ汁」
「なんで?」
「食感」
「食感なんだ?」
「主人公が好きなみそ汁は考えなくていいの?」
「そっちはいい。幼馴染に料理は作ってあげないの?」
「みそ汁とご飯だけじゃ駄目?」
「なにその男」
「おかずは買えばいいんじゃない?」
「なにその漫画?みそ汁とご飯だけ作っておかずは買う漫画?しかも色んな種類のみそ汁は作らない」
「カレーは時々作る」
「カレーは色んな種類を作るの?」
「カレーは一種類しか作らない」
「そんな漫画面白い?」
「みそ汁の塩加減をちょうどよくするのが好きな男子高校生の漫画ダメ?」
「それお兄さんに漫画借りてる妹はどんな気持ちで読んでるの?」
「みそ汁の味見をする時の男子高校生の顔が好き」
「なんだろうそれはちょっとドキドキするかも」
「それで味が少し薄いなと思ったら少しだけみそを溶く」
「その顔も見てみたい。ユウタ今度私の家でおみそ汁つくってよ」
「親御さんいるじゃん」
「別にいいじゃん」
「好きな塩加減を知られるの恥ずかしい」
「なんだよその断り方」




