1
エリは言った。
「メモを見せてもらってもいい?」
ユウタは言った。
「いいよ」
エリは言った。
「今日も一緒に見てもらってもいい?」
「うん」
とユウタは言った。エリは二十代前半の女性、ユウタは二十代半ばの男性。二人は一緒にユウタのメモを見る。
力強く思い入れがある
のぞんでいたのかいのか
のぞくのかいしきにのな
一切思い浮かばないの
それがぬけてる
ここんとこ来ても
くるっと回ってから
難しいのを知る
立て続けに
二度見で止まってる
かいじきのした
とんかつ風
この先になにかある所まで
気になるのでな
とんでもなく摘まむ
先に読むと
すべてはなお
レンガの上の水槽
カラスの口の中
月と顔が近い
内緒のしなり
ピーナツと並んでする
大八車引いてる消しゴム
痛いのある時
大変そうな栗
硯と波
帯に将棋の駒
合わないものもある
銀の目玉
在りし日の強いの
目玉テープ
ようやく定着した
最終段階
何回も合わないもの
クマすぐ出てくる
次々投げるの
得意なパン
エリは言った。
「得意なパンって、人が食べるのが得意なパン?」
ユウタは言った。
「分からない」
エリは言った。
「なにパン食べるのが得意?」
「食パン食べるのが少し苦手」
「なんで食パンが苦手なの?」
「具がないから」
「なにかと一緒に食べればいいじゃない」
とエリは少し明るい声で言った。ユウタは言った。
「そうだね」
「食パンってなにするのが得意なの?」
「それを俺が考えるの?」
「それを考えるの」
とエリは少し嬉しそうな声で言った。ユウタは考えてから言った。
「食パンが得意なのはバドミントンじゃない?」
「面白い、なんで?」
「あと平均台が得意」
「面白いけど、バドミントンどこかにいっちゃったねえ」
「6枚切りの食パンが小さい平均台の上を走ってる」
「6枚切りが迫ってくる」
とエリは楽しそうに言った。
二人は一緒にメモを見る。
にこやかが続いてるの
重低音
被せる時
そっちを作るのに
レーズンのシワ
昔の開いたの
隙間なく詰めていって
そっとじとこう
こっちに戻ってくる
トップなおる
打ち返すの
どっちむーる
例えばうどんで○○したら
低空飛行の紙
Fの方法
旅十
流れの中で
掃除たのしいままの
傾くのに
昔のみのかな
しようするすのかなうのによ
春は百
うずくえ
しのませうのよ
ねこまつし
チョイマス
作る数が減る
分からないのよ
ワイルドに出会った時に
そのしたの止めるのか
わるいかいのりのよいのによ
そうしわたるの
伝わるのかいたのによ
大きいの分ける
わかりたかいのにようのに
エリは言った。
「意味のない言葉があるね」
ユウタは言った。
「飛ばして読む?」
エリは言った。
「飛ばして読まない」
二人は一緒にメモを見る。
その夏の刹那に
みつけましたのよにの
じのましたのにかなのに
くうあくの
手を抜くのかよ
芯でまれるのに
見てたのとれるのかなに
まさあよ
一緒に我慢する
こわりのかいのになの
カニから離れてから○○
その説明のか
そっちまつした
さいしんまんせんのを
はれたから
つたえたまのかな
するべたのの
そうわれたのかいたすのに
じっと待ってたのにな
忘れたりしたの
もう少し安定させる
見ようとするのよの
そしたらうのかう
生存の
していた毛の
高松よった
大きいのいたい
これは違うと
エリは言った。
「これは違うとってなにが違うの?」
ユウタは言った。
「これは違うとでなにか考えるのは範囲が広すぎるんだけど」
エリは言った。
「がんばって考えてみて」
ユウタは二分くらい考えてから言った。
「これは違うとでなにか考えるのはやっぱり範囲が広すぎると思うんだけど」
「もう少しだけ考えてみて」
「右手」
とユウタはすぐ答えた。エリは聞いた。
「右手がなに?」
「右手の添え方?」
「なんに右手を添えてるの?」
「コウモリ」
「コウモリに右手を添えてるの?」
とエリは少し大きな声で言った。ユウタは言った。
「コウモリに右手は添えてないけど、コウモリが気になる」
「じゃあコウモリがなんなんだろう?」
「コウモリのキャラが地面を掘ってる」
「空を飛ばないんだね」
「掘りにく過ぎず、掘りやす過ぎず」
「土の話しはいいんだけどなんで地面を掘ってるの?」
とエリは少しゆっくり言った。ユウタは言った。
「掘った土を山にしていく」
「山にしてどうするの?」
「掘った土を山にしていったのが喋りだす」
「なんて喋るの?」
「山を大きくしていったら声が低くなっていくのに、これは違うと思う」
「なんて喋るのには答えてくれない」
「それで山を二つに分けたら、声は高くなったけど二つとも喋りだす」
「それくらい想像できたら?」
とエリは言った。ユウタは少しゆっくり言った。
「それで片方の山の土をネコ車に入れて、離れたとこに持っていこうとしたら、移動させてる時も土達はずっと喋ってる。ネコ車の中の土の声はどんどん大きくなる」
「土は大きい声でなに話してるの?」
「なに話してるんだろう。土達が話すのは窓の話し」
「土達が離されていきながら窓の話ししてるんだ?」
「コウモリのキャラは黙って土が入ったネコ車を押してる」
二人は一緒にメモを見る。
結構な忘れ物
エリは言った。
「結構な忘れ物ってなんだろう」
ユウタは言った。
「結構な忘れ物ではなにか考えないよ」
エリは言った。
「これでなにか考えなくてもいいよ」
「俺が思いつきそうにない?」
「結構な忘れ物で考えるのはユウタには向いてなさそうだから」
「ああ」
とユウタは言った。
二人は一緒にメモを見る。
寿司屋のかん
出来そうなのに
けかしから
はやく理解できない
とるら
たまになす
そうなるのか
ふれる魚
全員大人になったら
肩見てくれる
エリは言った。
「これ好き」
ユウタは言った。
「肩見てくれる?」
エリは言った。
「自分が肩を見られたいわけじゃないけど」
「へー」
「これでは考えなくていいよ、このままがいいから」
とエリははっきりと言った。
二人は一緒にメモを見る。
それ合わないの
いなくなる前に間に合わせる
半紙の量が
ろんどこうし
あっそれ多い
均すのを
落ち着いた歳
優勝の日
押し切る
なにが足りないのか
数が少ない
親和
退屈のみの
すごい砕くが
同等ロール
全くおんなじこと父親
仲良しの
帰った人
帰ってとってみる
ワーム
一日で多い日がある
どうしたのかい
ひとのしめの
かいてるのにか
弱るのかよ
みてたいのよくの
わかりかつのになのよ
そうしめたのによ
そうせつの
浮いたところで見てる
上の方に付いてる
○○さん起き上がって
おそろしく端
○○が曇る予定が
やっと出た
縞たがいちがい
みんなの伝えたの
しいてきのての
そう松の
お金止めたのか
ましちかいな
それでも別にいいですよ
面白く作れるのよ
他の人の認識
ハートマーク無し
さいたれたのかなへ
運あるモチ
しめたのかを
こう飛ぶ気
意識のつめたのよういのよ
立ち上がったタクアン
最初からしてる
堤防で考える
くっついてない
しなくなってしまった
癖なのを
あんまり取っちゃ嫌
そっちは待ってる
数を数えるロボに
もっとすっきりした場所
見てないのか
こだわり振る
すぐに次のが出てくる
ワラスボ
いきゅと
出来立ての○○
必要性無いのの
ファンタジーの中でハマってる
確認をして欲しい
そうしてる内に
離れてるのを
小さい○○動き回る
いいの伝えたのを
プシュわく
そうけんのよ
とってたのかい
苦手な人の方がいいの
評価の差に
腰の他と
しいたのにきのか
ほっとく鳥
エリは言った。
「ほっとく鳥はなにをほっとくの?」
ユウタは言った。
「ながめ」
エリは言った。
「急にながめってなに?」
「長い短いの長め」
「長めがなんなの?」
「鳥は子供が自分の前で長めに踊ってんのをほっとく」
「鳥が鳥の子供が踊ってんのをほっとくの?」
「踊ってるのは鳥の子供じゃなくて人間の子供」
「鳥は自分の前で長めに踊ってる子供にムカつかないの?」
「鳥は長めに踊ってる子供の左耳をずっと見てる」
「なんでずっと左耳を見てるの?」
「踊ってる子供の左耳にどんなものがあれば似合うかなと思ってる」
とユウタは少しゆっくり言った。エリは少しゆっくり言った。
「鳥は左耳にどんなものが似合うと思うの?」
「ブロコッコリーにしがみついてる人がいるイヤリング」
「なにそれ、なんで人がブロッコリーにしがみついてんの?」
「それは分からない。でもしがみついてる人の目は描いてないけどマユ毛は描いてあって、マユ毛で困ってるって分かる」
「マユ毛いいね」
とエリは機嫌よく言った。