こーじ君
こーじ君は朝ぼくにごはんをくれるとじゅんびをしてしごとにいく。
げんかんの向こうへいく。
ぼくはげんかんの向こうへはいけない。
ぼくはひとり部屋でおるすばん。
こーじ君が帰ってくるまで。
こーじ君がいない部屋でぼくは好き放題。
こーじ君が帰ってくる。
げんかんの向こうから入ってくる。
しごとを終えて帰ってくる。
しごとってなんだろう。
でもきっとビールがおいしくなるなにかだ。
だってこーじ君は
しごとのあとのビールはうまいといつもいっている。
ぼくはビールは飲んじゃダメだからよくわからないけど。
こーじ君はたまにおんなのこをつれてくる。
おんなのこはみんなかわいい。
こーじ君がそうやっていう。
でもかわいいのはぼくもでしょ。
いつもこーじ君はぼくにかわいいというから。
おんなのこもぼくのことかわいいっていうよ。
こーじ君はおんなのことビールをのむ。
ぼくがそばにいるとおんなのこはビールをのませるまねをする。
そしてとらになるといってわらう。
とらってなに。
いつもおもうけどわからない。
そのうちこーじ君はいつもぼくにするみたいなことをおんなのこにしはじめる。
顔をなでたり、からだをなでたり。
おんなのこもこーじ君にしはじめる。
顏をなでたり、体をなでたり。キスしたり。
そしてこーじ君とおんなのこはベッドがある部屋へいく。
いつも入っていい部屋だけどおんなのこがいるときは入っちゃダメなんだ。
またこーじ君は違うおんなのこをつれてきた。
おんなのこっていろいろいるんだね。
こーじ君はこーじ君だけどね。
こーじ君はいつものようにビールを飲んで、おんなのこにキスしはじめた。
たまに来るさきちゃんだ。
ぼくともすっかりなかよしだ。ぼくにおやつを買ってきてくれるんだ。
さきちゃんもこーじ君にキスをした。
ベッドに行くのかなと思っていると、
げんかんから女の子が入ってきた。
いちばんよくくる。あやちゃんだ。
いつもぼくを見るとすごくわらってくれてなでなでしてくれる。
おんなのこの中でぼくはあやちゃんになでなでされるのがいちばん好きなんだ。
ぼくは走りよろうとするとあやちゃんは怒り出した。
こーじ君をつきとばし、さきちゃんをたたいた。
さきちゃんは怒って、げんかんの向こうへいった。
あやちゃんは怒ってこーじ君のこともたたいた。
すごく怒ってうわきとかいった。
なんかいもうわきとか怒っていった。
ぼくは怖くて部屋のすみににげた。
体をすくめる。
でも耳は怖い声をぼくにきかせた。
怒るあやちゃん。
謝るこーじ君。
「おおい。まてよ。それは駄目だって。俺が悪かったもうしないからさ」
「許さない。許さない」
どっす。
「うわっ」
バタ。
「うううう。痛って。やられた。痛ってえええ」
こーじ君のうめき声がするけど、ぼくは怖くて怖くて。
ぼくは目をさました。すごく怖かったけど、寝ちゃったみたい。
それにしてもお腹がすいたな。
ぼくはゆかで寝ているこーじ君のところへいく。
それにしてもなんだろうこの臭い。
ぼくいつもよりげんきになっちゃいそう。
ねえねえねえ。こーじ君おきて。
ぼくはこーじ君の顔を軽くぱんぱんする。
こーじ君は起きない。
どうしたの。いつもこれやると起きるのに。
ねえねえねえ。どうしたの。
ぼくは何度もぱんぱんする。
こーじ君は起きない。
ねえねえねえ。どうしてどうしてどうして。
ぼくはお腹がすいているのと、さっきからする臭いのせいで、
こーじ君の顏をなんどもなんどもばんばんばんばん。
ばんばんばんばんばんばんばんばんばん。
どうしてどうしてどうしてどうして。
そのうちこーじ君のはながとれて、ほっぺたがめくれて。
でもぼくはぼくはばくは。
ぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくは
ぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくは
ぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくはぼくはぼくはばくは
お腹がいっぱいになったのでぼくはお気に入りのばしょで寝た。
ぼくが起きるとこーじ君はまだ帰ってきていなかった。
なんだかずっとこーじ君が帰ってきていない気がする。
げんかんの向こうへいったままなんだ。
はやくこーじ君に会いたいな。
またいっぱいあそんでもらいたい。
はやくげんかんから入って来ないかな。
しごとかな。
さみしいな。
にくが床にまだあるからお腹は空かないけどね。
実際にあった事件(事故)を題材にしました。