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扇風機との戦い

作者: お近くの埼玉

「扇風機との戦い」を開いてくれてありがとう!

是非、最後まで読んで楽しんでって下さい。

 俺の名は阿部寛、埼玉県に在住している至って普通の男子高校生だ。だが、少しだけ皆と違うところを挙げるとするならば俺は昔から喧嘩が強いことで有名だった、始めて自分の強さに気が付いたのは二歳の時。俺が保育園で砂遊びをして遊んでいるとき、クラスのいじめっ子たちが一人のターゲットを集団で囲んでいじめているのが見えた。俺はいじめが大嫌いだ。当時の俺は勇気を振り絞り、砂場の砂をいじめっ子達に向けて思いっきり投げた、するとどうだ、俺の投げた砂はまるで竜のように宙を舞い、いじめっ子達目掛けてすごい勢いで突進していった。そのまま砂はそいつらを包み込み、あっという間にどこかへ吹き飛ばしてしまった。自分でもびっくりした出来事だったが、この時から周りの俺への視線が変わりだした。何か順番を決める時は俺が優先され、俺がやりたくないことは必ず誰かが代わりにやってくれた。俺はその時から保育園で最強の男になったのだ。

小学校に入学してからは同じ保育園の奴から話を聞いた喧嘩自慢たちがこぞって俺に喧嘩を売りに来た。俺は売られた喧嘩は買う男だ。そこそこガタイのいい奴や、頭が異常に硬い奴、酒を飲みながら攻撃してくる奴など、多種多様な奴らだった。もちろんそいつらは全員病院送りにしてやった。中学も同じだ。こうして俺は保育園だけでなく、町中で噂の男になったのだ。

そして今は高校三年生。今は俺に喧嘩を売ってくる奴なんか居なかった。俺の噂は埼玉にとどまらず、九州の方にまで渡っていたらしいからな。まあどうでもいいことなのだが。

そんなある日、その日は湿度が高くむしむしするような暑い夏の日だった。俺は何も考えずに足の指先で扇風機の電源ボタンを押した。「ピッ」という音と同時に心地よい風が俺の肌に当たり出したと思えば、その扇風機はそのまま首を横に振り、誰もいない何もないただの空間に風を送り始めたのだ。俺は少々腹が立ち、扇風機の方をキッと睨むと、今度はまるで何も知らないかのように平然と俺に向けて風を送り始めた。仕方ないから許してやろうとまた目を離すとその隙に今度とは180度真逆の方向に向けて風を送り始めた。どっちにしろ俺には風が当たっていない。流石に限界が来た俺は扇風機の頭目掛け全力でげんこつを入れてやった。するとなんと、扇風機のカバー的なやつが取れたかと思えば、俺の腕は瞬く間に扇風機の渦の中に巻き込まれていった。こんな事は初めてだった。俺のげんこつをまともに食らっていながらカウンターを出してくる奴なんぞ今まで会ったことがなかった。俺は全治二か月の重傷を負った。それでも俺はあいつに勝ちたくて、俺は修行を決意した。今のままの俺では扇風機には勝てない。そして俺は高校を中退し、一人山に籠り、熊や野犬などの猛獣の相手をして二年間の修行を積んだ。そして二年後、久しぶりに俺は埼玉に顔を出した。町では俺は死んだと噂されていたらしく、俺を見かけた人間は皆たいそう驚いていた。しかしそんなことはもはや関係ない。今日は俺が唯一負けた因縁の相手との決闘の日なのだから。

そしてついに扇風機と久しぶりの対面だ。扇風機は二年間がまるで数分だったかのようにピクリとも動いていない。「全く、根性ある奴だぜ。」俺はそんなことを口にしながらファイティングポーズをとった。扇風機は俺に気づいていないかのような素振りをしている。「行くぞっ!」俺は隙だらけの扇風機目掛けて思いっきり高くジャンプした。そしてひん曲がるほど腰を入れ、重力に身を任せ、渾身のパンチを放った。このパンチは熊をも失神させ、野犬をも全滅させた、二年間の集大成のようなパンチだ。「どおおおおおん!!」という音が町中に響くと同時に、扇風機は床に強く打ちつけられた。俺は扇風機を倒したかと思った。しかしその時、俺は重大なミスを犯したことに気が付いた。「扇風機のカバーが付いていない!!」俺は戦闘の前に扇風機にカバーをするのを忘れていた。しかもコンセントまで抜き忘れている。しかしそれに気が付いたときはもう遅かった。俺の腕は瞬く間に扇風機の渦の中に巻き込まれていった。そう、俺はまた負けてしまったのだ。また同じやられ方だったのだ。また重傷を負ってしまったのだ。かなりショックだった。

その日から俺の引きこもり生活が幕を開けたのだった。

おしまい。

「扇風機との戦い」を全部読んでくれてありがとう!

こんな下らない作品に、貴方様の貴重な時間を割いてくれた事にとても感謝しているよ!

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