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1.結局はチートの日



10/15サブタイトル変更しました






それから数分してようやく僕は再起動を果たし、あの音声に言われたとおり、サイトの引き出し機能でお金を引き出すことにした────のだが、桁が可笑しい。

何で引き出しの桁が億単位からなんだ!

取り敢えず、小心者の僕は最少額の一億円を引き出した。て言うか、一億なんてこれまでの僕からしたら無限のようなお金に思える。


音声は株式投資をしろと言っていたが、僕はそんなのに縁がなかったからネットからの株式投資の方法なんて知るわけがないので、またもサイトの機能を利用させてもらった。


サイトの『オススメ企業に投資』という文字列をタップすると、ピロリン♪という電子音とともに投資が完了したとの通知とどの企業に投資されたかが表示された。

それを読むと、その投資した企業は名前も聞いたことがないような所だったので、恐らくは中小企業なのだろう。


それからもすることがなかった僕はお金を引き出しては投資、引き出しては投資のルーチンを続けいつしか投資額は一千億円を越えた。

どうやらこの短時間で僕の金銭感覚は狂ってしまったらしい。とはいえ、株式投資したは良いものの、配当金が受け取れるのはまだしばらく先だ。

銀行振込になると思うが、その辺の処理はこのサイトが自動的に行ってしまうようで、つくづくこのサイトについて謎が深まる。と言うか、クレジットカードよりもこのサイトの方がよっぽどチートだった。


そういえばと、このクレジットカードが見つかってはいけないことを思いだし、どうしようかと考えた結果、ネットで頑丈で小さめの金庫を探すことにした。

幸いにも金は幾らでもあるので資金のことは考える必要もなかった。


しばらくネットショッピングで金庫を見て回って、よさげな金庫を見つけたのでそれを発注した。数十万円したけど、引き出した資金からしたら雀の涙程度なので問題は全くなかった。




「ふぅー·······。本当に夢じゃないんだよなぁ」


その夜。僕は近くの銭湯に来ていた。僕の住んでいるアパートには風呂がないので、週に何度かこの銭湯に浸かりに来るのがたまの幸せだった。

あのあと、サイトで他に何ができるか探っていると、『現金化』というメニューがあったので、それを押してみると、それは引き出したお金を一万円単位からその場で現金に変換できるというものだった。

物は試しとタップしてみると、驚いたことに何もない空間からいきなり一万円札が現れたのだ。

一体どういう原理なのか謎が深まるばかりだが、もう今更なので深くは考えないことにした。


やがて、体がのぼせてきたのが分かったので、風呂から上がると身体を洗って、それから拭いて脱衣場に戻ってきた。

普段であればそのまま帰るところだが、今回は心に余裕があるので、自販機でフルーツ牛乳を一本買った。


「····美味しい」


別に今までで飲んだことがなかった訳ではないが、久しぶりに飲んだからか、それはとても美味しく感じられた。




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