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15.買い物の日




婚姻届を出した日の夜。とうとう僕は夏希に襲われてしまった。もうね、夏希の性欲が無尽蔵なのかと思ったよ。

こってりと搾り取られて枯れそう·······


さて、そんな話は置いといて、本格的にテレビ取材の日が近づいてきた。

やっぱり別荘で取材することになった。僕の別荘は田園調布でも中々目立つくらいには大きい。勿論それを維持するのにも多額の費用がかかっている。

主には土地代とか使用人を雇っているからそのための人件費とかが主だね。取材当日は使用人の人は映さないから、その日はお休みにしてもらっている。


で、そんな取材を控えた僕が今現在一体何をしているかと言えば、インフィニティカードの会員特典で専属コンシェルジュの|鴉霊醐(あたまご)さんに頼んでいる最中だ。

何を?と言われれば離島の別荘とそこに行くためのクルーザーにそれを操縦する運転士と別荘のための使用人の手配だ。


「それでは費用の方でございますが、ざっと見積もって100億円程になります。あくまでも現時点ですので、これより増減することがございますが、どうでしょうか」


「うん、パーフェクトだよ。費用は幾ら掛かっても構わないから、最高のものを用意してくれると有難い」


「畏まりました。それでは黒嶋様がご要望のものは1ヶ月以内に全て手配しておきます」


「分かった。ありがとう」


「いえいえ、それではまた、何なりとお申し付けください」


そこで電話が切れた。


「あの、御崎?離島の別荘って?」


隣にいた夏希が疑問符を浮かべて僕に聞いてくる。


「いや、ちょっと海を見てゆっくりしたいと思ったから、咄嗟の思い付きだったけど、コンシェルジュの人が有能でね、すぐに用意してくれるらしいから頼んでおいたんだ。因みに場所は小笠原の無人島ね。そこの島をまるごと買い取って別荘地にしたんだ」


「それはまた凄いお金の使い方をしたね」


「でも、掛かった費用っていっても、たったの100億だよ。そんなの微々たる額だよ」


「ふふふ、普通の人が聞いたら卒倒しそうな額だよ」


「そうかもしれないね」


実際に100億なんて使ったところで、銀行の預金はちょっと減るくらいだ。あれからも銀行の預金は増える一方で使い道に困ってた位だから丁度いいかもしれない。

どうせ減ることのないお金なんだから。


「それはそうと、取材の方はどうなったの?」


「それなら5月10日にしたよ。それより遅くして、もしかしたら取材が延長して、面倒なことになったら困るからね。だから空いてる日の一番始めの日に設定しておいたんだ」


「そういうことなの······」


「ああ、それとね、さっきの別荘のこともそうだけど、普通乗りするのに今のじゃちょっと狭くなったからさ、もう一度車買わない?」


「御崎のお金だし、好きにしたらいいと思うけど······今度は何買うの?」


「えっとね、メルセデスベンツのリムジンでも買おうかと思ってね。そっちの方が移動中楽できるだろ」


「それはそうだけど······私が運転するんじゃ無いよね?」


「ん?それはまあ、ね。専属の運転士でも雇おうかと思ってるよ。·······ああっ!大丈夫。夏希はそれ以外の車に乗るときに運転してよ!リムジン位は二人でゆっくりしたいしね」


「それなら良かった······もしかして御崎はもう私の運転が飽きたんじゃないかって·······」


「そんなことは無いよ。絶対にね」


「ありがと······」


「うーんと、それじゃあ夏希。リムジンって注文できる?」


「大丈夫だよ。メルセデスベンツの本社に直接問い合わせるから!!御崎の名前出せば直ぐに送ってくれるよ!!」


「えっ!?あれ、僕、メルセデスベンツになんかあった?」


「あれ?忘れたの?御崎はメルセデスベンツの筆頭株主だったじゃん。だから、直ぐにでも送ってくれるの!」


「あー······そういえばそうだったなぁ。持ってる株が多すぎてもうどの会社の株をどれだけ持ってるかなんて忘れたよ」


「そう言えば、最近御崎が株式売買してるところ見てないけど、どうしてるの?」


「それなんだけど、株式投資のプロを雇ってやらせてるよ。もう僕だけじゃ手が回らなくなってきたからね」


僕は真実の中に嘘を織り交ぜて話す。

手が回らなくなったのが真実で、株式投資のプロを雇ったというのが嘘だ。勿論、例のサイトの機能を使っている。あれから極力使わないようにしてきたが、もうあまりの株の多さに僕の手がとうとう回らなくなってしまったから、苦渋の決断だった。


「そうなの。じゃあ私はメルセデスベンツに問い合わせてくるね」


そう言って御崎は電話を取りに部屋を出た。僕はその後ろ姿を申し訳ない気持ちで見送った。



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