1/3
プロローグ
家を出た。
薄暗い空、冬にしては変に暖かく、コートを来なくても長袖長ズボンさえ着ていればちょうどいいくらいの気温だ。特に母には何も言っていない。ただ、行くあてならある。3日前に高校の友達に相談したところ、寛容な彼の親がうちに来ないか?と言って僕を受け入れてくれることになった。母には置き手紙を残した。「しばらく友達の家にお世話になります。探さないでください。」と。僕はすぐに家に戻る気でいる。友達の家にも迷惑だし、かと言って高校生の僕に1人暮らしできるほどのお金の余裕はない。ただ、しばし家族から離れて頭を冷やしてこようと思ったのだ。僕が頭さえ冷やせば、この問題はすぐに解決すると思ったのだ。