表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

誕生まで一週間。

作者: 緑鎚

月曜日


目が覚めたと思う。


そこはコンテナ位の大きさの部屋で壁床天井どこもかしこも牛乳を塗りたくったような白色だった。

部屋の中には大量の食糧と思わしきパッケージと簡素なベットのみ、それと壁の一部からロープがまかれていて自分の腰に巻かれていた。しかし私はそのことについて特に気にはしなかった。


とにかく空腹を覚えていたので目の前のパッケージを開けて、中に入っていた白くて柔らかい何かを手づかみで食べ始めた。私はそれが何なのかは知らなかったが食べ物であることだけは知っていた。


特にする事も無いので寝た。


火曜日


目が覚めたはず。


状況判断は昨日済ませたので今日は特に行うことは無し、適当に体を動かし暇をつぶす。


そしてまた空腹を感じたので食料に手を付ける。しかし、二日目である。

二日間一度も水分を取っていないのに喉の渇きには苛まれなかった。確か食料以外に水分が必要だったはずだ。


考えているうちに眠くなったので寝た。


水曜日


三度目だが未だに目が覚めた感覚がつかめないが多分目が覚めた。


今日は部屋を暫く回ってみた。腰に付けられたロープが邪魔だったがどうにも邪険に扱うつもりにはなれなかった。


どうしてだろうか。


木曜日


やっと目が覚める感覚に慣れてきた。


今日は部屋で適当に体を動かしていたら突然部屋が大きく揺れた。まるで太い丸太で押し入られそうだった。しばらく息を潜めていると揺れは収まった、食べ物を食べながら何だったのか考えていた。


金曜日


目が覚めることになれた。


今日も何時もと変わりは無かった。


土曜日


そろそろ食べ物が入っているパッケージの数が少なくなっていた。しかし私は悲観しなかった、二日前のあの揺れを思い出すたびに謎の安心感に包まれたからだ。


今日は食べ終わったパッケージを片付けた。


日曜日


今日は突然に揺れと太く重い打撃音に無理やり起こされた、ふと周りを見ると壁の一部にひびが入っている、私はそのひびを見ていても立っても居られずその壁に向かって全力で体当たりをした。

両の拳を振るい、時には頭蓋が壊れるほど頭突きをした。


そしてひびが隙間となり明確な穴になったころ私は無理やり這い出ていった。




「コケコッコー」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ