英語の勉強中death
私は、英語塾に通っている。高校一年の平凡な少年である。
この塾は、大学入試の過去問を解いていき、先生と答えを合わせていくという方式である。
生徒は、事前に問題を解いておき、授業内で呼名された人が答えていく。
「今日、もし誰も間違えなかったら、餃子をおごってやるよ」
師は、いつものように言う。
塾名物の餃子チャレンジである。
「それじゃあ、高橋、500番」
呼名された、高橋がNO.500の問題を口答で答える。
「 You cannot think how good a time we had」
今回は、並べ替え問題である。
日本語訳と単語が与えられ、その単語を並べ替えて日本語訳の意味にするというものである。
問題によっては、一語句不要や一語句不足など、与えられる単語に過不足がある問題もある。
「OK。いいじゃん高橋」
「まあ、まだ序盤だから」
周りの皆も、餃子チャレンジのために一致団結する。
続いて、501番。502番。503番・・・・・・。
終盤になるとみんなも必死になる。
「あせるなよ」
「落ち着いていけ」
そうした声が出てくる。
そしてノーミスで迎えた最終問題。
回答者は私だった。
問題は以下の通りである。
NO,525 彼の生死に関して様々な説があります。<一語句不要>
there are (about, death, or, whether,various, he, alive, is, opinions,)not
「there are various opinions about whether he is alive or death」
私はこう答えた。
「お前最後にdeathっていったよな」
師がきいてきた。その顔は満面の笑みである。
これが意味するのは私の不正解であり、餃子チャレンジの失敗である。
正しい回答は「there are various opinions about whether he is alive or not」である。
すると周りの仲間たちがこういう。
「ちょっと待ってください先生。あいつは、死のdeathじゃなくて丁寧語の『です。』を付けただけですよ。」
「そうだよな」
最高の助け舟が来た。これに乗らない私ではない。
「丁寧語の『です。』です。」
「本当か?でもまあ、嘘つくようなやつでもないしな」
何とか師をたぶらかすことができた。
こうして、私たちは餃子を食べに行くことができました。