ロウアとミカエル
「なん…なんなんだよお前…」
後ずさったのは人間。
ルシファーは目をくわっと見開いた。
「ロウアくん…??ロウアくんだよね??」
仲間のブラッドでさえも本人かを確認するほどだった。
それは、悪魔という極悪な最強生態と言われたものが、メデューサという強い能力を持っている事は、ありえないとされたものだったからだ。
噂はみんなに回っていた。しかし、そんな最強なやつ、この世には居ないと言われてただの噂に過ぎないと言われていたのだから。
閻魔はニヤッと笑って
「来てくれると思ったよ。ロウア」
「そりゃ、俺が閻魔を死なせる訳無いからかな?」
「勿論だ。」
蛇にしたまま閻魔にニコッと微笑む。
「で、醜い人間さん?俺、手荒な真似はしたくないんだけど、…しょうがないよね。」
ロウアはツカツカと人間の前に仁王立ち。
「死んで。」
その言葉が合図に、人間は石と化した。
「なんなんだよお前は…」
ルシファーはロウアの首にナイフを立てる。
「え、まさか天使??俺、天使いじめるの好きじゃないんだけど。」
ロウアはナイフを反対にし、ルシファーにつきつけた。
「…ッ…」
「殺す気は無いんだけど、その気なら、殺すよ。」
「あぁいいよ。殺してくれよ」
ルシファーはそう答える。
ロウアはその言葉を聞いて、強く首につきつけた。
ガァンッ
扉があくおとがする。
「おい。なにいっちゃってんだよ。弟」
「え、ミカエル…??」
そこに立っていたのは、天使界を司っているミカエルだった。