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夏生詩集3

浸透

作者: 夏生

絶望とは

頭を抱えて悲劇的になって

拳震わせて絶叫して

復讐とか恨み晴らすとか

芝居じみたことを誓う

ものじゃない


大したことではない顔をして

近づいてきて

何気ないを装いゆっくり確実に

浸透していく

痛みもなければかゆみもない


まんべんなく浸透すると

手の施しようがないほど

心が止まり魂の煌めきが途絶える

忘却という恩恵に一時守られても

一瞬の翻りから心は止まる


これほど人は脆いのかと

天を仰ぎ見ても

何も聞こえはしない

耳を塞いでいるのは自分

であることに気づかない


それでも生きていく


拳突き上げた誓いではなく

与えられた時間のあるかぎり

一歩一歩と進むしかない


さりげなく

何気なく過ごしているように

見える人ほど

浸透した絶望に胸押さえて生きている


今、すれ違ったあの人も、きっと













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