終わらない何かを終わったことにして。
押し入れの中の暗闇のように、どうにも体が重い。風邪でもひいたか。こっちの都合などお構いなしに、あれこれと変更や異動が増えた。次次と、手続きという名前の刑罰が執行される。
自分ばかりではなく身近なひとたちもそれぞれなりに。それぞれなりの間で乱反射して、さらにせわしなさが加速する。
仕事も忙しい。忙しい最中の些末な出来事に対する、自分の感情の振れ幅がひどく大きい。自分自身に翻弄される自分自身は滑稽だが、滑稽に浸っている余裕もなく、何かが冷たく乖離する。
なんのことはない、また春が来てしまうのだ。あの桜の花弁で糊塗された、曖昧で憂鬱で陰惨な季節がまた始まる。
いいよ別に。気にしないで祝いなよ芽吹きの季節とやらを。だけど俺はあいつの葬式をしなくちゃならないんだ。
でなけりゃ先に進めない。