表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

終わらない何かを終わったことにして。

作者: 福田光一

 押し入れの中の暗闇のように、どうにも体が重い。風邪でもひいたか。こっちの都合などお構いなしに、あれこれと変更や異動が増えた。次次と、手続きという名前の刑罰が執行される。

 自分ばかりではなく身近なひとたちもそれぞれなりに。それぞれなりの間で乱反射して、さらにせわしなさが加速する。

 仕事も忙しい。忙しい最中の些末な出来事に対する、自分の感情の振れ幅がひどく大きい。自分自身に翻弄される自分自身は滑稽だが、滑稽に浸っている余裕もなく、何かが冷たく乖離する。

 なんのことはない、また春が来てしまうのだ。あの桜の花弁で糊塗された、曖昧で憂鬱で陰惨な季節がまた始まる。

 いいよ別に。気にしないで祝いなよ芽吹きの季節とやらを。だけど俺はあいつの葬式をしなくちゃならないんだ。

 でなけりゃ先に進めない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ