黒髪だった私たち
初めまして。読む専だったんですが、初めて書いてみました。
気に入っていただけると嬉しいです。
私たちは黒髪だった。
私が真っ黒で、あなたが紺色だった。
私はある王国の王女として生まれた。そう聞くと多くが多くの人に愛されて、豪華な生活を送っていると思うかもしれないけど、私の実際は違った。その理由は私が黒髪だったから。それも真っ黒な黒髪だった。
生まれたとき母は悲鳴をあげ、そのまま気絶した。父は一度私を見に来て、私を塔に幽閉する命令を下して、それきりだ。
過去にこの世界を滅ぼしかけた魔法使いが黒髪であり、黒髪はそれ以来生理的に恐れられ、忌み嫌われる色となった。
私が殺されなかったのは黒髪は魔力も強いから、殺すのが難しいと判断したのか、それとも使えるかもしれないコマとして様子を見ようと判断されたのか理由はわからない。
ただ私は殺されなかったし、死ななかった。なんだかんだで12歳まで生きて、あなたに出会ったの。
あれは寒い冬の日、私が住む塔にあなたが入ってきた。あなたは傷ついて意識が朦朧としてた。ただ人気のない建物があったから入ってきただけ。
なんで怪我してたとか理由は関係なかった。
あなたの顔を隠す布を取った時見えた髪色が紺色で私と同じだと思ったから、あと人と触れ合いたいとずっと思ってたから、助けたかった。
それまでの私って本でしか人との触れ合いを感じれなかったから、人に関わる機会が単純に嬉しかったんだと思う。
なんだかんだで12歳まで生きてきたから、塔にあった本の知識を頼りに必死に治療したわ。
意識が戻って最初、あなたはとてもびっくりした顔をしてたわね。多分私の黒髪を見てびっくりしたのね。
そして意識が戻ってしばらくして、怪我が治りきる前にそのまま姿を消したから、もう戻ってこないと思ったのにまた来てくれた。それだけでとっても嬉しかったわ。
ふらりと来るたびに私が見たことのない街の様子や街の人たちのことを教えてくれたり、お菓子や花束を差し入れしてくれて本当にありがとう。初めて食べた金色の飴、小さな可愛らしい紫色の花の花束、あなたからもらったものたち、どれも忘れられないわ。それを渡すあなたはどこか無愛想でだけど、いつも優しい目をしてた。
あなたからもらったお菓子の包み紙やお花は私の宝物よ。
周りの人からは受け入れられなかった私をあなただけが受け入れてくれた。
なんでこんなことになってしまったのかしら。ただ静かに生きていたかっただけなのに、もっとあなたと話したいだけだったのに。
ちょっと前から違和感があったけど、体が言うことをきかないわ。用無しと判断されたのか、毒を入れられたのね。最後にあなたに会えるかわからないから手紙を書いています。あなたは読んでくれるかしら?
最後こんな形でお別れすることになることだけが心残りだわ。ごめんなさい。
一緒に過ごしてくれてありがとう。
私は見ることはできなかったけど、この世の中にはたくさんの楽しいことがあるから、どうか私の分まで幸せになって。
また会う時にその話を聞かせて。先に行って、待ってるわね。
最初で最後のお友達へ
黒髪の姫より




