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会話

作者: のののなな

二人がなんとなく会話します。

 「おい、」


 「?」


 「君の人生におけるこだわりを教えてくれ。」




 突然の質問に僕は驚かされる。

 いや、質問されたことに、というよりは質問の内容に驚き困惑した。


 2秒


 「どういうことですか?人生におけるこだわりって。」


 単純にそう思ったからそう聞いた。

 「こだわり」というならわかる。ただ「人生における」という枕にどうしても引っ掛かる。


 「あるだろ。20年も生きているんだぜ?それとも気づいていないのかい?」


 師匠は怪訝そうな顔で僕を見る。


 「いや、こだわりのあるやなしやについて聞いているんじゃない。僕はあなたの言う、「人生におけるこだわり」の内の、「人生における」という部分に引っ掛かっていて聞いたんですよ。」


 「君は好きなものと嫌いなものが食卓に同時に出された時、好きなものから食べる派?それとも嫌いな物から食べる派?」


 「嫌いなものから食べる派です。」


 特に悩まず、ありのままを答えた。


 「それはなぜかね?」


 「好きなものは無理してでも食べたかったりするじゃないですか。

  でも嫌いなものはもとより食べたくないわけですよ。お腹いっぱいの時はなおさらです。」


 「君は今いとも簡単に答えを出した。理由を聞いた際にもその答えは早かったね。

  それだけ理由を言語化できているんだ、なかなかのこだわり具合だとは思わないかね?

  そのこだわり具合は簡単に変わる物ではなかろうよ。」


 「そうですけどそれはただのこだわりと変わらないのではないですか?

 『人生の』というにはいささか大げさな気がします。

  師匠は簡単には変わらないと言いましたが、長い人生変わってしまうかもしれませんし。」


 「うーん。私の認識では君の人生はまだ20年だ。私が質問したのは20年生きている君だ。

  なにも50年生きた君に質問しているわけではない。

  君は一秒後には通り魔にぶっ殺されているかもしれない。

  そしたら君の人生は20年で終了だ。だから現状のこだわりが人生におけるこだわりだ。」


 そう言いながら師匠は僕の心臓にナイフを突き立てるジェスチャーをした。


 僕はそれを流しながら続ける、

 「でもそれじゃあただのこだわりはすべて人生におけるこだわりになってしまうじゃないですか。

  いや、こだわりに限らず現状のすべてが人生における〇〇になるじゃないですか。」


 「たしかにそうかもねぇ。」


 師匠は少し悩んだように見えた後すぐ切り返してきた。


 「でもこの質問を勝手に大げさに捉えたのは君だ。君が勝手にしたことだ。

  私はもとより単純にこだわりを聞きたかっただけだ!」


 こいつ逃げたな。


 師匠はぶっ続けに、

 「で、君のこだわりはなんでだね?早く答えたまえ。」


 あ、こいつまた逃げた。


 「そうですね。なんでしょうか。強いて言うなら、、、」


 「強いて言うなら?」


 やっと見つけた普段のこだわり、

 「小説を買う時にタイトルだけで買うようにしていることでしょうか。」

 


 「つまんな。」


 聞くなよ、くそばばあ。


 「なぜなのだね?」

 興味なさそうに師匠はそう聞いた。


 どうせこいつまたつまんねとか言い出すだろ。


 「自分で作文とか宿題でやった時、どうしてもタイトルには時間がかかっちゃって。

  作文よりも悩む密度でいうなら高くって。

  タイトルってどうしてもかっこつけちゃうんですよ。作文に気持ちが入った分だけ更に。

  分かりやすさに全振りしたタイトルは味気なくて、でも酔ったタイトルには内容がついてこず。

  作家さんが一番命を込めるのはタイトルな気がして。」


 まとまらない考えをぽつぽつと伝えた。

 ほんとの意味でタイトルから考えている人はいないんだろうかと思う。


 「ふーん。つまんな。」


 やっぱ言ったかばばあ。


 でもなぜか師匠はにやついていた。


 「そういう師匠はなんかこだわりあるんですか?

  28年の人生におけるこだわりを私奴にご教授くださいよ。」


 慇懃無礼な言い回しに一瞬こちらをじろっとにらみ考え始めた。


 「そうだな。現状こだわりなんて全く思いつかないな。」

 あっけらかんとそう言い放った。


 「聞いといてそんなことあります?」

 なんだこいつ、意味が分かんねぇ。


 「自分にないから聞いたんだよ。人はみなこだわりがあったりするのかなという単純な興味だ。」

 開き直ったかのような物言いだった。


 「ちゃんと考えてください!どんなちっちゃいことでもいいですから!」


 「なんだそんな勢いづいて。そうだなぁ...


  一個それっぽいこと思いついたぞ!環状線に乗るときはどんなに空いてても座席に座らんぞ!」


 嬉しそうに答えたが、、、めっちゃどうでもいいなぁ。


 「それはなんでなんですか?」

 なんとなく尋ねてみる。


 「降りる時に煩わしいのが苦手なんだよ。ゆっくりぞろぞろ行くのがめんどくさくて。

  できるだけドア側にいたいね。」


 「師匠せっかちそうですもんね。さっきの質問じゃないですけど師匠は好きなものから食べるでしょ。」


 「?」

 「なに言ってんだ?嫌いなものは食べないだろ。」


 当たり前だろ。みたいな感じで言った。どうせ僕がそう答えたらガチャガチャ言ってきたくせに。


 はいはい。せっかちじゃなくてわがままね。



 

なにも考えずに書き始めました。メッセージ性はないです。

二人のてきとーな会話です。


見にくい部分、誤字などありましたらごめんなさい。

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