ロボティックフォーチュンキャット
有宝先生がボクシングの構えについて教えてくれた。
毎回言われているような気がするのだが、美由子はなかなか習得できないでいる。
鏡の前で構えるが、いつもしっくりこない。
対するイザベラは細かい点は先生に注意を受けるのだが、大まかにできている。
「早く実践でやってみたい〜」
イザベラの闘争心の熱さに火傷しそうな美由子。
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脇を締めて両肘を身体につけ、
身体の前で腕をカタカナのハの上下逆さまに構える。
パンチは肘から伸ばして、腕が伸び切ったところでミット当たるようにスピーディーに、またミットに当たる直前に招き猫のように手首を折り曲げ、第三関節でミットを捉える。
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先生の見本は招き猫のようだ。イザベラと美由子はそういう印象を受けた。
機械的に足を前後に動かして、体重移動しながら招き猫のようにパンチを繰り出す。ロボティックフォーチュンキャットである。
イザベラは鏡の前でそれっぽく、ジャブとストレートをシャドーしている。スピード感があり、とてもパワフルだ。
美由子も先生の見本を真似して、脇を締め構える。
しかし、脇を締めることだけに集中し過ぎて、足のスタンスは狭くなり、両足は揃って直立している。
ミット打ちをするのだか、体重移動もないため、腕の力だけのジャブとなり、はなんともいえない、か弱さだ。
「凛と立ち過ぎた〜。一輪の花みたいじゃなかった?」
美由子は先生に指摘を受け、そう言うと
「花の方がまだ強いと思う。」
先生のミットにジャブとストレートのパンチを当てながら、美由子につっこむイザベラ。
まだまだ練習が必要だと痛感する美由子なのであった。




