うららかな昼下がり
サーシャはよく普通と言われている。
見た目もこの国に多い焦げ茶の髪に黒目の瞳、身長だって高すぎず低すぎずな160センチ。
体のラインだって小さすぎと思われない程度の主張するが、特別大きくも小さくも無い胸。
頭の良さも、運動神経だって気配りだって何もかも普通の16歳。
肝心の顔の作りだってみんなが振り向く程の美貌を持ち合わせているわけでは無く、いたって普通。
カワイイって言われる時だってある程度。
住んでいる村は小麦で有名な穀倉地帯で暮らしも悪くは無い。
ただ、唯一の不満は穀倉地帯に住んでいるせいか、オシャレな物やカワイイ物が欲しい場合、乗り合い馬車に乗って大きな町まで半日かかるって程度。
あまりにも平和すぎて、毎日が同じ事の繰り返しで飽き飽きしていた。
畑仕事が忙しくない時期はよく村はずれに在る森に入っては、泉の近くの木に寄りかかり籠を編んだり、持ってきた本を読んだりしていた。
その日も午前中はいつも通り、家の畑仕事を終え日差しの強い時間帯は森の中に入って行った。
その姿を森に続く畦道沿いの農作業をしている人に見られるが、昼休憩の時間かぁ。と時計代わり見られる程度だった。
サーシャは慣れた足取りで森の泉に向かって歩いていた。
手には先日、森に入った時に編んだ籠に本を入れて今日は木陰で本を読むつもり。
所々に咲く道端の野花に目をやりながら、鼻歌を歌いながら先に進んで行く。
森に入ってから30分位歩くと、目的地の泉が見えてきた。
泉の大きさはさほど大きく、5分も歩くと一周するような大きさ。
泉からは常に水が沸いているようで澄んでいて底まで見える程、美しい。
小魚も泳いでるみたいで、時々水面に波紋が生じていた。
泉の水も村の方に向かって小さな小川が流れている。
サーシャはいつもの様にお気に入りの木陰で本を読もうとし、近づくといつもと違う様子に気が付いた。
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