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子供に対して何たることか②

 自分の恋心に気付いたのは、親友に結婚話を聞かされた時の親友との会話で、だ。


「君も恋人を作ったらどうだ?この六年、浮いた話一つなかったじゃないか!」


「君は浮いた話ばかりで、ティナの三者面談に俺が出る羽目になったよな。」


「俺よりも君の方がティナは信用している。あいつは俺を見限ったんだ。」


「見限るでしょうよ。ティナを当てにしてペットを買って来れば!」


「君だって可愛がっていたじゃない。あれが死んだ時はティナと二人、俺除け者で二人だけで悲しんでいたよね。俺だって悲しんでいたのに。君達は子供を失った夫婦みたいだったよ!仲良く抱き合ってね。俺は君達が翌日のベットに裸で転がっていないか戦々恐々だったよ!」


 その台詞で俺は自分の恋心をようやく認め、ティナに邪な視線を向けていたことも認め、認めついでにティナから離れようと決意したのだ。

 一生彼女のお兄さんかお父さんでしかないのは、恋をしている俺としては辛すぎる。


 これが最後の掃除かな。


 俺は一緒に掃除しているティナを見返した。

 十八歳になった彼女の横顔は美しい鼻の形を際立たせていて、シミ一つない頬も輝いて見えた。

 長袖Tシャツにカットソー素材の俺と一緒に同じ店で買ったお揃いの格好だが、大柄で不格好な自分が服をパンパンにしているのと違って、細くてふんわりした彼女の身体のラインを俺に見せつけていた。


 俺がごくりと唾を飲んだ時、ティナはあどけない顔を俺に向けた。

 この表情は俺が絶対に断れないお願いをする時のものだ。

 俺は身構え、果たして、彼女の口からは俺がイエスと即答したくなる台詞が飛び出た。


「私と結婚してくれませんか?」

長すぎるので分割しました。


設定として、三人が住んでいる部屋はジュリアンの母の遺産による高級アパルトメントの3LDKです。ダンとジュリアンは二部屋の間に風呂場があるという本来は夫用妻用寝室をそれぞれ、ティナが使用しているのはバスルーム付きの客室、です。

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