初のお仕事。やっぱりチートな能力なんだと自覚した。
本日2話更新
朝日が昇り始める
夜中にオーナーやアルちゃんが部屋に来る事はなかった
心配で睡眠が浅くなってしまった
「まっ大丈夫って事だよな」
1階に降りるといい香りがする。
「あっ聖人様!おはようございます!」
アルちゃんだ
昨日より元気じゃないかぃ?
で、俺、聖人じゃないから…
座って座ってと
昨日のテーブルに案内される
コトミさんの向かいに腰をかける
コトミは今日も綺麗だ
って言うか朝早過ぎじゃない…
ん?いい香りだ
あ……オーナーだ
「おぅ!聖人様!おはようございます!」
「オーナーおはようございます」
親子揃って聖人様って……
……すぐ俺は天狗になりますよ……
「聖人様!これ食ってくれよ!」
オーナーはスープを俺ら2人に差し出す
いい香りの正体はこれだ
一口
う…うますぎ!
野菜の旨味と甘味、肉の力強い旨味
それをまとめる塩味とスパイス
絶品だ!毎日食べたい!
口に運ぶペースが速くなる
うわぁー!
最高だ!
コトミさんもうっとりした目をしている
死神の瞳とは思えない……
「オーナー、失礼だが、昨日の味とまるで違うが…」
「だろ!聖人様!ウチのかかぁの料理はこの国一番だからよ!!!」
え…オーナー泣いてるよ
で、昨日の病人が今日働くって!
ブラックだ…
奥の調理場からお母さんが顔を出す。
「聖人様!昨日は御礼も言えず、申し訳ありませんでした!
旦那とアルから伺いました!
本当にありがとうございます!」
家族で褒めてくれちゃうのね…
うんうん。いい事をした!
で、このスープは絶大な価値
治療=スープ 対等ですな…これは…
「聖人様。かかぁを助けていただきありがとうございました。誠に申し訳ありませんが、今渡せる御礼がこれしかありません。必ず見合う御礼を作ります。今はご容赦ください」
巾着をテーブルに置き、オーナーは土下座を始めた。それを見たアルとお母さんも土下座を……
「えっ!あっそうゆうのいいから!」
悪い取り立て屋みたいだ…
「オーナー!皆さま!
立ってください!!
えーっと。じゃー」
テーブルに置かれた巾着をオーナーに押し返し
「しばらくこれで泊めて頂けますか?」
と笑顔で尋ねる
こんな感じにしておけば、悪評はたたないよね
チャイロでしばらく生活するから、穏やかに過ごしたいんだよね
オーナー家族は立ち上がり、ポカンとした顔で俺を見ている
「えーまずいですかね?」
「いえいえ!聖人様からお代は頂けませんよ!もちろん何日でもお泊りください!
あの部屋は聖人様専用にさせていただきます!」
「えっそこまでは大丈夫ですが、御言葉に甘えて、しばらくご厄介になります。
もしお母さんの調子に変化があれば、遠慮しないで、言ってくださいね。で、このお金は受け取りません」
しばらく受け取ってほしいと懇願されたが拒否を通した
さてさて、しばらくの住居が棚ぼた的に確保出来た。しかも奥さんの料理が激ウマ!ありがたい!これでお金まで頂いたら罰が当たりそうですよ…
旅先の食事でテンションはだいぶ変わる!楽しい旅になりそうだ
「さて、ギルドに行って、クエストってーのを見てみるか」
「コトミさん。ギルド行ってみます?」
「どうぞ。ご一緒します」
ギルドに向かい、街を歩く。
相変わらず周囲から見られる
そりゃそうか。昨日と服は変わってないもんな。ギルド行ったら、服見なきゃなー
ん?昨日と若干違う…かな
興味の目以外に恐怖に怯える目
あー昨日のコトミさんの脅しが効いたのか
ギルドに着く
ギィー
中は相変わらずだ
カウンターのおっさんの元に
「俺らが受けれるクエストはあるか?」
「あー討伐系か狩猟系か採取系どっちがいいんだ?」
色々あるのか。
「まぁー手っ取り早く稼げるやつはあるか?」
「稼げるなら、討伐して、アイテムも得られれば一番稼げるな。大変だがな。どうする?」
「ほんじゃそれで」
気楽に答えた
コトミさんもいるし…
とりあえず大丈夫だろ
「これなんかどうだ?ウルフ討伐かオスゴリラ討伐。ランク1だからこの辺だろ。無理すんなよ」
「どこにいるの?」
「両方とも迷いの森だ。街の東北だ。
すぐわかるが、あまり奥に行くなよ。
少し前に災害レベルの被害があったからよ」
やべっ何だよ災害レベルっっ!
「へっ…へぇー…どんな災害?」
「あー突然、光が木がなぎ倒されて山が削られたんだとよ。そんなんあるかよって思ったんだが、実際に森が一部削られてたからよ。
あれはやべぇーよ。災害レベルのモンスターか英雄がやったんじゃないか。それからなり潜めてるから今は大丈夫だろうが、気をつけろよ!」
「おぉぅ…ありがとう。
じゃ、迷いの森ってとこ行ってくるわ」
ギルドを出た
「コトミさん。さっきの災害って、俺の放出したやつ…?」
「イツミ様の放った魔法でしょう。
あの森内にそんな存在はイツミ様か私くらいですので」
ですよねー。。。
暴れたら災害レベルなんですか…俺
ま…まぁ逆に安心して討伐ができるか!
さーって…服でもみるかな…
服屋が数店舗
古着、オーダーメイド…
宿代払ってるから
残金 41銅貨
古着が妥当か…
皮の上着 12銅貨
鉄の鎧 25銅貨
地味な上着 7銅貨
皮のズボン 8銅貨
地味なズボン 4銅貨
などなど…
地味な上着って…確かにグレーで地味だけど
どうするか?防御って言うより見た目対策だからなー…
「おっちゃん。この地味な上着と地味なズボンをセットで買うから10銅貨にしてよ!」
「あーそれかー売れんしな。
10銅貨でいいぞ!おまえさんが着てる服よりはマシだろう!がっはっは」
余計なお世話だよ!
「は…はは…じゃお願いします」
これからは売れ残りを着ますよ…
おっちゃんに大銅貨を1枚渡す
これでちょっとはマシか
売れ残りだけどな…
着ているのがワンピースだからここで着てみる。ズボンを履いて、上着を羽織る。
まっ…マシか
「コトミさんはどうしますか?」
「私はこのままで構いませんよ」
いったいいつ洗ってるんだ?コトミさんの服はいつも綺麗。汚れないマジックアイテム的な感じか?詮索するとビリビリが来そうだからやめておこう…
「じゃ迷いの森に行きますか」
街を抜け、森に向かう
久々に森を見た感じだが、昨日ここから出てきたんだよな
やっぱり街はイベントの宝庫だな
えーっとウルフとオスゴリラだっけ。討伐してアイテム持って行けばいいんだな
さてさて、どこかなー
茂みをかき分けていく
目的の2匹に会う前に
ゴブリンが大量に出てきた
面倒だから、MP0.5で放出
左手をゴブリンに向け
放出!
《リターンマジック》
こぶし大のレーザービームを左右に乱射
貫通して、バタバタと倒す
40匹くらいか
なんか大きなゴブリンもいたが、関係なかった
はいはい
アイテム回収
右手で吸収!
《ストレージアイテム》
マジで便利だ
ワォーーン!
遠吠えか。近いな!
あの崖にいるやつか
サクサク狩りますか
崖に近寄る
シルバーの毛。普通の狼の倍以上あるな
しかし、毛並綺麗だな
ガキサァァァ!
お?吠えてるな!
「イツミ様。手伝いますか?」
「いや。大丈夫だろ!じゃやるか」
巨大ウルフにダッシュ
一瞬でウルフの後ろをとる
「悪いな!」
右手でウルフの毛を撫でる
吸収!
《エナジードレイン》
急激にHP が吸収されていく
ウワォー!
巨大ウルフは暴れる
タテガミやシッポで抵抗
が、効かない
ゼウス様の眷属効果で能力補正されてるから、攻撃力も高い。結果腕力もある
だから、暴れても逃げられない
レベルは低いが能力だけみたらそれなりの豪傑になっている
HP 吸収が順調に行われた
ドサ
巨大ウルフ力尽きる
チートだ。自分で言うのもあれだが…
さて、どんだけ吸収出来たかな
HP +91
MP +11.8
物 76
HP +59吸収か。普通のウルフより上位モンスターなんだろう。HP がしっかりあったな。ゴリラも頂きますか
巨大ウルフが絶命し、3分後に消滅
その場にアイテムが残る
しっかり回収
シルバーウルフの皮。シルバーウルフの牙
ほー今のはシルバーウルフですか…
「イツミ様。悪い顔になってますよ」
ふっふっふ…気づいてますよ…
そういやーレベルは上がったるのか?
ゴブリンも倒したしな!
情報
名前 イツミ(ドール・イツミ)
種族 猿人 ヒト
性別 男
LV. 6 (レベルアップまで 717 )
HP 1071
MP 1084
JOB 神者 死神代行
宿命 なし
能力
攻撃力 14( +50 )
防御力 17( +50 ) ( +2)
俊敏性 19( +50 ) ( +1)
技巧性 9( +50 )
魔道力 21( +50 ) ( +1 )
幸運 77( +50 )
振り分けポイント 80
レベルが3アップしてる。
振り分けポイント80かー
どうしよー。
均等に振り分けてもなー。
保留だな
さっさとゴリラも、やっちゃうか!
その後、探索してみた
普通のウルフ
でかいコウモリ
角のあるヤギ
ガンガン狩る!MP放出しないで、殴り倒す!ボコボコ殴る!だいたい2発で倒せた
暴れる俺
逃げ回るモンスター
おっ!ゴリラ!しかも群!
そうだ!攻撃力増やしてみよう!
攻撃くらうと怖いから防御力も!
能力
攻撃力 39( +50 )
防御力 42( +50 ) ( +2)
俊敏性 19( +50 ) ( +1)
技巧性 9( +50 )
魔道力 21( +50 ) ( +1 )
幸運 77( +50 )
振り分けポイント 30
思い切って50ポイント振り分けた。
ゴリラ群に突っ込む!
バコッン!
お!一撃で倒せた!
攻撃力89
すげぇ!
バコッバコッバコッ!
なぎ倒す!
ガギギガァアァ!
奥ででかいゴリラが吼える!
あれがターゲットか!
「こいよ!ゴリラ!」
調子に乗って挑発してみた
俺は戦闘を繰り返す事で興奮している
巨大ゴリラに向けて、一気に進む
周りの邪魔なゴリラを倒す!
完全に巨大ゴリラが怯んでいる
キィィキィー
「せっかくだ!おまえのHP 吸収されてもらうぜ!」
巨大ゴリラの首を右手で握る。
吸収!
《エナジードレイン》
右手に巨大ゴリラのHP が流れ込む!
こいつもサクサクだな!
と思った瞬間
巨大ゴリラは両腕をたたみ、俺を鯖折りにしてきた!
グギィッ
「痛っ!マジかよ俺の防御力94だぞっ!」
巨大ゴリラの腕が太く、発光している。
ググッ
「痛っ!なめんなよ!!」
右手で吸収を続け
左手で放出 MP 2
《リターンマジック》
ブフォォー!
マウントゴリラの腹を貫通!
そのまま地面がエグれる!
グラグラグラ
衝撃で地上が揺れている
はぁ…はぁ…
焦った…
サクサク狩り過ぎて、油断した
反省だ
右手をかざし
《ストレージアイテム》
マウントゴリラの皮、魔道石(攻撃力上昇)
「魔道石……おぅ!ファンタジー!」
そんな姿をコトミさんは笑顔で見ていた
助けるとかはないんですねー
情報
名前 イツミ(ドール・イツミ)
種族 猿人 ヒト
性別 男
LV. 7(レベルアップまで 9 )
HP 1082/1084
MP 1091
JOB 神者 死神代行
宿命 なし
情報を確認。
HP 減ってる。2だけ
痛い…痛い…って思ったが…2って…
そう言えば、自分の回復ってできるのか?
左手を自分にあてる
放出!
《リターンエナジー》
自分が輝く
なんかすごい!!理由はわからんが、すごい!
情報
名前 イツミ(ドール・イツミ)
種族 猿人 ヒト
性別 男
LV. 7(レベルアップまで 9 )
HP 1084
MP 1091
JOB 神者 死神代行
宿命 なし
回復したな!よしよし…
HP +172
MP +9.8
物 78
だいぶ貯まったな!
アイテムもがっぽりだ
さて、帰るか
「コトミさん!帰りますか?」
ん?コトミさん?
「もう一匹来ますよ」
え?
森が揺れ、木が倒れる
ガォーォー
ズダンズダン
でけぇー!!
恐竜ですかぃ!
そこにはティラノサウルスみたいなモンスターが……!
目が血走ってる
ゆだれ垂れてるよ…
ギャォーーガァォオォォ
だいぶ興奮してますなー
さっきの反省を活かさねば!
じゃやっちゃうか!もちろん安全に!
バックステップで、距離をとる
左手をティラノサウルスに向ける
放出!MP1
《リターンマジック》
レーザービーム
ティラノサウルスの首が焼かれる
今回は貫通しなかった
ギャァガァギァァー
暴れてる暴れてる
ガァカァォガァ…
もう一息だな。距離取って…
ギァ…ァォ……クァー……
ドサッ
それでも一撃で倒せた
MP1だとこんな感じだな!
長時間放射って事も出来るし、便利
あぁでも時間が長いと消費MP は増加するか
当たり前か…
HP +172
MP +4.8
物 78
強敵が増えたら、気をつけなきゃな
あっ魔道力にポイント振り分けりゃいいか
とりあえず10ポイントを魔道力へ…
ポチ
能力
攻撃力 43(+50 )
防御力 45(+50 ) ( +2)
俊敏性 20(+50 ) ( +1)
技巧性 13(+50 )
魔道力 35(+50 ) ( +1 )
幸運 77( +50 )
振り分けポイント 32
レベルも上がってるな!良し良し
これ能力で様子見るか
…あっアイテム。アイテム
吸収!
《ストレージアイテム》
亜竜の鱗、亜竜の爪、亜竜の肉
魔道石(咆哮)
まぁーいいだろう!仕事した!!
「帰りましょ!コトミさん!」
戦いの跡地
地面がエグれ、木々が倒壊している
荒らしたなー
帰ろ帰ろ
ギルドによって報告してくか
ギィー
相変わらず、おっさんがカウンターにだるそうにいる
おっさん。終わったぞー
んで!どっちのクエストだ?
は?両方だよ
おめぇら嘘はいかんぞ!朝行ったばかりじゃないか!
討伐したなら、アイテム出せ!
あーアイテムな!
放出!
《リターンアイテム》
ゴブリンの牙 6
ゴブリンの斧 3
ゴブリンの皮 14
ハイゴブリンの牙 2
ハイゴブリンの皮 6
コウモリの羽 2
ゴートの角 4
ウルフの皮 5
シルバーウルフの牙 1
シルバーウルフの皮 1
オスゴリラの皮 7
マウントゴリラの皮 1
「あー後さ、亜竜ってのも倒したから、そのアイテムも換金できるか?」
亜竜の鱗
亜竜の爪
亜竜の肉
亜竜の心臓
全てをカウンターに乗せる
カウンターは品でいっぱいとなる。
「ば…馬鹿か!お前はシルバーウルフにマウントゴリラだと!!!しかも、その装備でクエストやって、亜竜も倒したと!!!!!!
おめぇは何もんだ!!!!」
「いやー別にそんな驚かなくても…
で、換金してくれよ!」
「あ…あ…あぁ
早くやります……」
ゴブリンの牙 6×2銅貨
ゴブリンの斧 3×2銅貨
ゴブリンの皮 14×2銅貨
ハイゴブリンの牙 2×5銅貨
ハイゴブリンの皮 6×5銅貨
コウモリの羽 2×3銅貨
ゴートの角 4×4銅貨
ウルフの皮 5×3銅貨
オスゴリラの皮 7×5銅貨
シルバーウルフの牙 1×20銅貨
シルバーウルフの皮 1×20銅貨
マウントゴリラの皮 1×30銅貨
亜竜の鱗 1×50銅貨
亜竜の爪 1×50銅貨
亜竜の肉 1×50銅貨
シルバーウルフクエスト 30銅貨
マウントゴリラクエスト 30銅貨
亜竜討伐報賞金 1銀貨(心臓引き換え)
「しめて5銀貨と38銅貨だ
確認してくれ!」
カウンターに銀貨が置かれる
初めて銀貨を見る
前の世界の100玉のようだが、ゴツゴツしている。刻印は国の紋章か?
「ん?クエストなんかあったのか?」
「あぁ通常はランク3のパーティーがやるクエストだ!アイテムがあるんだ。討伐クエストも達成だ!持ってけ!」
「ほんじゃおっさん!」
硬貨を掴み、ギルドを出ようとすると、4人の獣人に出口を塞がれる!
ー随分派手に暴れてくれたな!
ーあ"ー亜竜を討伐しただと!
ーこんな餓鬼が出来るわきゃねーだろよ!
ーてめぇーどんなカラクリだ!
おぃおぃ…
胸ぐら掴んじゃダメでしょうよ……
これで正当防衛的な感じになるよね…
「はいはい。邪魔」
胸ぐらを掴んだ腕をそっと握る
ボキボキ…
「アギャギャギャ!!」
そっと離す。で、軽くデコピン!
ズドーーン ダガーン!!
建物が揺れる
「おっさん!俺が悪いか?」
「いや…向こうから掴んでいる。おめぇは悪くないだろ…」
「じゃ帰るわ!
コトミさん行きましょう」
俺はギルドを出て、レンガ亭に向かった
仕事をして、懐が潤っている
俺は今、気分が良い
ー数秒後のギルドー
おぃ!だ…大丈夫か⁉︎
あいつ動いてないぞ!
ギルド内は騒然となっている。
後で知ったが…
軽くデコピンした相手はランク3のやつだったようだ。
そいつは3日後に目を覚まし、直後にそのパーティーはチャイロの街を出たらしい。
ま…関係ないけどな…