別視点。ゼウスの思惑
今日も2話更新を目指していきます
…話は少し戻る…
コトミは3日間の勤めを果たし、イツミと別れた
森を歩く
ログハウスが見えなくなるとコトミは唱えた
「召喚。祝福の扉」
これで天界に戻れる
コトミはふぅーっと一息はいた
大きな、そして豪華な扉が森の中に現れた
ギィー
扉が開き
コトミは部屋に入る
大きな空間に声が響く
コトミは跪く
「よく戻った。大儀!大儀!」
「はっコトミ今戻りました」
「で、どうかな。イツミ君は?無事に生活出来そうかの〜」
「はっ未だ森の中で生活しておりますが、いずれ街に出るかと思います。スキルにも適応しております」
「そうか。そりゃー良かった良かった。
で、話は相談なんじゃが、ガルイドの世界に転生したのがのーイツミ君だけじゃないんだわ」
「と仰りますと」
「うーん。あいつらがのー。
なんでも楯突くからのー」
「と仰りますと」
「やつらじゃよ。やつら。
イツミ君はサドリル帝国じゃったな。
あーこっちも色々あっての…で、ルシフェルの奴が待遇不満で出て行くついでに、兄者に色々たれ込んでのー……兄者が面白がって、冥界から1人、ペシャ王国の第2皇子にぶち込んだんじゃ。。。あいつは本当に強引なんじゃからの。
で、今度は兄者に腹を立てたルシフェルのやつは自分で見つけた娘をアロル自由連合の娘に入れ替えてしもうた。
それぞれ加護を使って、遊んでおる。まったく仕事が増えてかなわんよ」
「ゼウス様の心中を察しします」
「でじゃ、コトミすまんがのー。しばらくイツミ君に付いて、様子をみてくれんか。それなりに鍛えてやってくれ」
「は…」
「頼むのー」
「では、行って参ります」
「そうそう。コトミよ。面倒かけるからのー。とりあえず禁酒は解除じゃ。羽目をはずすでないぞー」
「あっっありがとうございます!!!!
では」
コトミは後ろの扉を開け、見慣れた森へと戻る。
閉まる扉を見ながら、ゼウスは呟いた。
「酒さえないと、完璧な死神なんじゃがな」
扉を出た
コトミの口元が緩む。
「お酒が飲めるぅーうふふふ……」
いつもの冷静な姿からは想像もつかない溢れ出る笑顔。
50年程前に酒で失敗をしていらい、ゼウスに禁酒を言い渡されていた。
「お酒!お酒!
イツミ様に早く街に出てもらわないと!」
はやる気持ちを抑え、コトミはログハウスに戻るのであった
ゼウスからの使命よりもお酒を飲みたい欲求に駆られていた……
次回からはチャイロ街編になります